全日本トライアル選手権シリーズの今季第3戦となる九州大会が、5月13日(日)に大分県の玖珠トライアルヒルズで開催された。最高峰の国際A級スーパークラスでは、ダンロップタイヤD803GPを履いて史上初となるV6をめざす小川友幸選手(#1)と、同じくダンロップを愛用する黒山健一選手(#2)が、ポイントランキングでは同点で並んで今大会に参戦。黒山選手の第4戦欠場が決まっているとはいえ、ランキングの暫定トップをかけた戦いに注目が集まった。また、野崎史高選手(#3)や小川毅士選手(#4)、柴田暁選手(#5)らのランキング上位勢も、勝利に向けて気合十分で大会に臨んだ。

国際A級スーパークラスの競技は、まず5時間の持ち時間で10セクションを2ラップしたのちに、上位10名だけがより難易度が高いふたつのスペシャルセクション(SS)に挑む方式が用いられた。大会当日は曇りから雨となり、一時は晴れたが、その後はまた雨となって、泥々の路面は非常に滑りやすい状態。マディ路面から岩や急斜面を上るセクションが、ライダーたちを苦しめた。1ラップ目の結果は、野崎選手が減点13でトップに立ち、柴田選手が減点15、黒山選手が減点16、小川友幸選手が減点17と僅差で続いた。

しかし2ラップ目に入ると、勢いに乗る野崎選手が2番手以下を突き放す圧倒的な走りを披露。この結果、野崎選手はSSを待たずに優勝を決定した。野崎選手の優勝は、15年最終戦以来となる通算6度目。ポイントランキングでは、トップまで4点差に迫っている。また黒山選手と小川友幸選手による1点差の2位争いは、SSで決着がつけられ、黒山選手が競り勝って2位となった。これにより、第3戦終了時のポイントランキングでは、黒山選手がトップに立っている。

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野崎史高選手のコメント

「今日はほぼ完璧な状態で競技を進めることができて、不満が残るような減点は一度だけでした。あとは自分の思うように減点を抑えられて、逆に攻めるべきところは積極的な気持ちで取り組めたので、スペシャルセクションを待たずに優勝することができたのだと感じています。当然ながら、すごくうれしいです。今年からマシンを乗り替え、その3戦目にして3年ぶりに優勝できました。今回は大差で勝てましたが、ポイントランキング上位の黒山選手と小川選手には、まだまだ並べていないので、ランキングでも勝負できるように頑張りたいと思います」

黒山健一選手のコメント

「この大会は、前半からかなりミスが続いてしまったので、正直なところ優勝争いは厳しいかなと思っていたのですが、最終的には2位に入れたのでよかったです。次は世界選手権の日本GP(6月2・3日に栃木県のツインリンクもてぎで開催)で、少しでも上位に食い込めるよう頑張ります。また、全日本の次戦となる第4戦(わっさむサーキットで開催される北海道大会)は欠場して、同じ週末にフランスで開催されるトライアル世界選手権の電動バイククラスで、ヤマハが新開発した電動トライアルバイクのTY-Eを、実戦デビューさせてきます」  


国際A級スーパークラスResult

順位 NO. 選手名 チーム メーカー タイム減点 総減点 クリーン数
1位 3 野崎史高 YSP京葉×KEN
OKUYAMA
Yamaha 0 18 15 Dunlop ユーザー
2位 2 黒山健一 YAMAHA FACTORY
RACING TEAM
Yamaha 0 34 8 Dunlop ユーザー
3位 1 小川友幸 HRCクラブMITANI Honda 0 37 10 Dunlop ユーザー
4位 5 柴田 暁 Vertigo with Mitani Vertigo 0 48 9 Dunlop ユーザー
5位 4 小川毅士 宗七音響
Wise Beta Team
Beta 0 52 8 Dunlop ユーザー
6位 10 藤原慎也 TEAM FUJIWARA GAS GAS 0 72 3 Dunlop ユーザー

国際A級スーパークラスPoint

順位 NO. 選手名 チーム メーカー ポイント
1位 2 黒山健一 YAMAHA FACTORY RACING TEAM Yamaha 54 Dunlop ユーザー
2位 1 小川友幸 HRCクラブMITANI Honda 52 Dunlop ユーザー
3位 3 野崎史高 YSP京葉×KEN OKUYAMA Yamaha 50 Dunlop ユーザー
4位 5 柴田 暁 Vertigo with Mitani Vertigo 37 Dunlop ユーザー
5位 4 小川毅士 宗七音響 Wise Beta Team Beta 35 Dunlop ユーザー
6位 6 野本佳章 モトベント&ベータ Beta 28