全日本トライアル選手権シリーズの第4戦北海道大会は、7月14日(日)に和寒町の「わっさむサーキット」で開催。その最高峰となる国際A級スーパークラスでは、ダンロップユーザーがランキング上位を占め、トップの小川友幸選手(#1)が連勝に挑み、開幕戦勝者でランキング2番手の野崎史高選手(#2)が今季2勝目を目指した。前戦を世界選手権の電動クラスに出場するため欠場した黒山健一選手(#3)は、優勝した第2戦以来の全日本参戦。柴田暁選手(#4)や小川毅士選手(#5)、若手の氏川政哉選手(#6)らも上位獲得を虎視眈々と狙った。

国際A級スーパークラスの競技は、4時間の持ち時間で10セクションを2ラップした後に、上位10名のみがより難易度の高いふたつのスペシャルセクション(SS)に挑む方式が用いられた。前日の雨は昼ごろに止み、当日は曇りのまま。これにより路面が乾いてコンディションがよくなり、ミスが許されない戦いとなった。1ラップ目は、わずか2回しか足を着かなかった柴田選手が、減点2でトップ。小川友幸選手と黒山選手が、ともに柴田選手と3点差の減点5で追う展開となった。さらに、減点9で氏川選手、減点12で野崎選手、減点13で小川毅士選手が続いた。

2ラップ目は、黒山選手があわやオールクリーンの減点1で追い上げ、2ラップ合計6点で逆転トップ。合計9点の柴田選手が2番手、合計10点の小川友幸選手が3番手につけていた。そして迎えたSS-1は、黒山選手がまさかのセクションテープカットで減点5。柴田選手は減点1を喫した。一方の小川友幸選手は、このSS-1でクリーンを決めて、柴田選手と同点トップに並んだ。そして最後のSS-2は、小川友幸選手と柴田選手がともにクリーン。これにより、同点ながらクリーン数が多い小川友幸選手が優勝となり、柴田選手が2位となった。一方、黒山選手はSS-2でも減点5となったが、3位の座を守った。今大会の結果、ポイントランキングではトップの小川友幸選手が今大会4位に終わった野崎選手とのポイント差を拡大した。

小川友幸選手のコメント

「今日はラッキーでした。SSでの逆転は難しいと思っていましたが、まさか黒山選手と柴田選手が失敗するとは……。2ラップ目はマシンの調子を考えて、マイペースでベストなライディングができるように、早回りしました。優勝を獲得できたことに加えて、タイトル争いをしている野崎選手との間に2人が割って入ってくれたことも、ダブルの幸運となりました。シリーズタイトル防衛に向けて、この1勝はかなり大きいと思います」

柴田暁選手のコメント

「北海道大会は、失敗すれば減点5になるし、うまくいけばオールクリーンに近い点数で回れるという感じですが、1ラップ目は今までの中で一番うまく回れました。ただ、2ラップ目の第5セクションで失敗してしまい、これでやや焦りました。その後はなんとか堪えましたが、小川選手のクリーン数に敗れました。とはいえ2位という結果はすごくうれしく思っています。得意な大会以外でもライバルの脅威になれるよう、努力を重ねていきたいです」


国際A級スーパークラスResult

順位 選手名 チーム メーカー タイム減点 総減点 クリーン数
1位 1小川友幸 TEAM MITANI Honda 0 10 20 Dunlop ユーザー
2位 4柴田 暁 VERTIGO with Mitani Vertigo 0 10 16 Dunlop ユーザー
3位 3黒山健一 YAMAHA FACTORY RACING TEAM Yamaha 0 16 18 Dunlop ユーザー
4位 2野崎史高 Team FwO with YAMALUBE Yamaha 0 19 17 Dunlop ユーザー
5位 6氏川政哉 GASGAS with MITANI Gasgas 0 20 12 Dunlop ユーザー
6位 5小川毅士 宗七音響 Wise Beta Team Beta 0 34 14 Dunlop ユーザー

ポイントランキング

順位 選手名 チーム メーカー ポイント
1位 1小川友幸 TEAM MITANI Honda 75 Dunlop ユーザー
2位 2野崎史高 Team FwO with YAMALUBE Yamaha 65 Dunlop ユーザー
3位 3黒山健一 YAMAHA FACTORY RACING TEAM Yamaha 52 Dunlop ユーザー
4位 5小川毅士 宗七音響 Wise Beta Team Beta 51 Dunlop ユーザー
5位 4柴田 暁 VERTIGO with Mitani Vertigo 50 Dunlop ユーザー
6位 6氏川政哉 GASGAS with MITANI Gasgas 43 Dunlop ユーザー