好天に恵まれた今年のユナディラは、開業50周年を祝うムードに満ちていた。最もクラシカルなレイアウトで有名な当地には、往年のレジェンドライダーたちが集い、大会式典の際にデモンストレーション走行が実施された。レストアされたビンテージ車も走ったが、中でもジョニー・オマラの無限ME125などが注目された。
ポディアムでは当地恒例のイベントとして、9月にオランダで開催されるモトクロス・オブ・ネイションズ(国対抗団体戦)に出場する、USAチームの陣容が発表された。今年はジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)、ジャスティン・クーパー(ヤマハ)、ザック・オズボーン(ハスクバーナ)がアメリカの期待を担うことになる。
ユナディラは、開催日程がAMAアマチュア全米選手権「ロレッタ・リン」の翌週に固定されているため、アマチュアを卒業したばかりのルーキーがプロデビューする大会としても名高い。注目の下田丈(ホンダ)は、ガイコホンダの一員として初レースとなるユナディラに臨んだ。タイムドプラクティスを走り終えた下田は、2分21分528で250クラス21位。ポールポジションは、450=ケン・ロクスン(ホンダ)=2分11秒482、250=アダム・シアンサルーロ(カワサキ)=2分14分629。タイム差が比較的大きく出た予選結果だった。
450クラスのヒート1では、イーライ・トマック(カワサキ)がホールショットを取ったが、ロクスンが1周目からトップに躍り出た。予選最速だったロクスンは瞬く間に独走状態となり、5周目には2位トマックに対し10秒のリードをつけた。6周目にはマービン・ムスキャン(KTM)がトマックをかわし、2位のポジションを確保した。
レース中盤になると、ロクスンのリードは20秒まで広がる。ムスキャンを挟んで3位にいたトマックは、ジャスティン・バーシア(ヤマハ)やオズボーンにも先行を許し、セーフティ走行に徹した。終盤に入ってもロクスン、ムスキャン、バーシアのトップスりーは変わらず、チェッカーが振られる。ポイントリーダーのトマックは、7位でフィニッシュした。
450クラスのヒート2では、ムスキャンがホールショットを決め、オズボーン、ロクスン、ジョーイ・サバッチー(カワサキ)が続いた。ロクスンは前の2台をかわして、3周目にはレースリーダーとなる。スタート5位だったトマックは、サバッチーを捉えた後、中盤にオズボーンを攻略して3位に浮上した。
終盤になるとポジションが固定し、ロクスン、ムスキャン、トマックの順でフィニッシュ。この結果ロクスンは、今シーズン初となる両ヒート制覇を達成した。なお、今大会からカムバックした富田俊樹(ホンダ)は、20位/39位だった。