ミルビルのスプリングクリーク・モトクロスパークは、多くの要素を合わせ持った変化に富むコースとして知られている。スタートしてからしばらくは、川沿いの低地にレイアウトされたサンドセクションが続くが、このフープスはミルビルを象徴する難所である。サンドセクションを過ぎると、山の斜面に設けられたアップダウンがあり、ここからは路面が粘土質に変わる。オールラウンドなタイヤ性能が求められるコースだが、今年に限っては折からの雨でマディとなった。
コンディションの悪化を受けて、コースの一部がショートカット。さらにスケジュールが改定され、計時予選が15分×2回→20分×1回に変更、ラストチャンスがキャンセル、決勝レースは1時間遅れで実施されることになった。タイム予選のトップは、450=クーパー・ウェブ(KTM)=2分11秒131、250=ジャスティン・クーパー(ヤマハ)=2分02秒556。450のタイムが芳しくないのは、落雷によって予選が10分ほどで打ち切られたからである。
450クラスのヒート1では、ウェブを先頭に、ヘンリー・ミラー(KTM)、ジョン・ショート(ホンダ)、アイザック・ティーズデイル(スズキ)らが上位につけた。4周目にはイーライ・トマック(カワサキ)が2位に浮上したが、ウェブはすでに10秒ものアドバンテージを蓄えていた。
レースが中盤に差しかかると、ウェブの背後までトマックが接近し、両者のマージンは1秒まで詰まる。やがて3位にはマービン・ムスキャン(KTM)が上がったが、トップ争いからは半周以上も離された。誰もがミスでペースを乱す状況だったが、最終的にトマックの追撃を振り切ったウェブがトップでフィニッシュ。アウトドアにおける450初優勝を果たした。
450クラスのヒート2では、ウェブがホールショットを取り、ケン・ロクスン(ホンダ)、ザック・オズボーン(ハスクバーナ)が後につけた。4周目にはウェブの転倒によって、トップはロクスンに入れ替わった。ロクスンのリードは最大で7秒強あったが、ウェブの巻き返しによってバトルが再燃する。
30分を経過する頃にはテールトゥノーズになり、ラスト2周で逆転。こうして両ヒートを物にしたウェブが、オーバーオールウィナーとなった。ポイントリーダーのトマックは、スタート9位から挽回したが5位にとどまった。富田俊樹(ホンダ)はDNS、古賀太基(カワサキ)は19位/34位だった。


450 Heat1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM 34:57.800 Dunlop ユーザー
2位 1 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki +11.848 Dunlop ユーザー
3位 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM +1:16.751 Dunlop ユーザー
4位 16 Z・オズボーン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +1:38.784 Dunlop ユーザー
5位 49 H・ミラー FXR Racing KTM +1:46.834
6位 63 J・ショート TPJ Racing Honda +1:47.694

450 Heat2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 2C・ウェブ Red Bull KTM KTM 35:32.931 Dunlop ユーザー
2位 94 K・ロクスン Team Honda HRC Honda +00.343 Dunlop ユーザー
3位 16 Z・オズボーン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +31.755 Dunlop ユーザー
4位 51 J・バーシア Monster Energy Yamaha Yamaha +36.141 Dunlop ユーザー
5位 1 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki +55.659 Dunlop ユーザー
6位 29 B・ブロス Rocky Mountain ATV/MC KTM +58.755 Dunlop ユーザー