デイトナはスーパークロス発祥の聖地として、唯一無二のステイタスを誇っている。球技用スタジアムではなくスピードウェイでの開催例としては、タラデガ、シャーロット、ジョリエット、オクラホマシティなどがあるが、近年ではデイトナだけが生き残り、シリーズ戦の中で最もユニークなラウンドとなっている。
ホームストレッチとピットレーンの間にある弓形のグリーンに造成されるコースは、どこよりも長くて苛酷なことで知られている。デイトナのコースデザインを担当しているのは、就任12年目となるリッキー・カーマイケル。今年はメインスタンドに向かってスタートし、鈍角に曲がるドッグレッグ状の1コーナーが採用された。全体的にジャンプやフープスの密度が増え、よりトリッキーなレイアウトになった印象。土質的にはデイトナ元来の黒いサンド、ビーチから運ばれた白いサンド、そして人工的なセクションなどの形成には硬めの赤土、以上3種類が用いられていた。
ヒートレースのグリッドが競われるタイム予選では、マービン・ムスキャン(KTM)が、1分07秒724で450SX最速。250SXではチェイス・セクストン(ホンダ)が、1分09秒719でポールポジションを得た。また今大会のトピックとしては、250SXウエストに参戦中のシェイン・マケラス(KTM)が、450SXクラスに250マシンで出場している。チームTLDの所属ライダーが全員負傷離脱したため、救済措置として実現した珍しいケースである。
450SXのメインレース(20分+1周)では、ブレイク・バゲット(KTM)がホールショットを取った。2コーナーではマルチクラッシュが発生し、その中にはランキング2位のケン・ロクスン(ホンダ)も巻き込まれた。オープニングラップのオーダーは、バゲットを先頭にイーライ・トマック(カワサキ)、ムスキャン、クーパー・ウェブ(KTM)。上位陣は序盤から激しいバトルを繰り広げたが、一時先行されたムスキャンとバゲットを制圧したトマックが、4周目にリーダーとなった。
7周目にはウェブが2位に浮上したが、前を行くトマックとの差は広がる一方だった。レース後半はウェブとムスキャンによる2位争いが激化したが、最終的にはウェブがポジションを守り切った。18周でチェッカーフラッグが振られ、トマックが今シーズン3度目の優勝をゲット。2位ウェブ、3位ムスキャン、4位バゲットと順位が確定した結果、トマックは今回8位にとどまったロクスンに替わり、ポイントランキング2位に浮上した。

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450SXResult

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki 21:28.282 Dunlop ユーザー
2 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM +06.889 Dunlop ユーザー
3 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM +12.291 Dunlop ユーザー
4 4 B・バゲット Rocky Mountain ATV/MC KTM +14.825 Dunlop ユーザー
5 17 J・サバッチー Monster Energy Kawasaki Kawasaki +28.804 Dunlop ユーザー
6 16 Z・オズボーン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +30.702 Dunlop ユーザー