シアトルSXはマディコンディションとの闘いである。会場がオープンエアのセンチュリーリンク・フィールドに移ってからは、非常に高い確率で雨の影響を受けてきたが、今年は5年ぶりにドライ路面が実現した('18年マディ、'17年マディ、'16年不開催、'15年不開催、'14年ドライ)。シアトルの土は軟質で石の混入が多い特徴があるが、今年は普段よりも硬めでワダチやギャップの発生は少なかった。穏やかではあったが日差しで乾燥が進み、コースには小まめな撒水が必要になるほどだった。
デイトナ以来、ショートスタートを採用したレイアウトが続いているが、今回は1コーナーが直角ではなくヘアピン状になっているので、片寄らずに正当なホールショット争いが見られそうだった。ジャンプが連なるリズムセクションは、飛び方に何通りかのオプションがあり、見どころの一つだった。最大の難所は長いフープスで、車速の維持とラインチョイスが勝敗を左右する鍵となった。
青空の下で行われた公式練習では、セカンドセッションで好タイムが生まれた。ポ-ルポジションは、450SX=ディーン・ウィルソン(ハスクバーナ)45秒281、250SX=ディラン・フェランディス(ヤマハ)45秒907。今大会の注目は、アーロン・プレシンガー(ヤマハ)の代打に起用されたジョシュ・グラント(ヤマハ)だったが、予選から転倒が多くラストチャンスで敗退した。
450SXのメインレース(20分+1周)では、ザック・オズボーン(ハスクバーナ)がホールショットを取った。2コーナー先では多重クラッシュが発生し、チャド・リード(スズキ)、ジャスティン・ブレイトン(ホンダ)がリタイアした。オープニングラップでトップに立ったのは、マービン・ムスキャン(KTM)。2周目にはケン・ロクスン(ホンダ)、コール・シーリー(ホンダ)が2~3位に浮上し、オズボーンは後退していった。
序盤は上位数台による僅差のバトルが展開されたが、8周目にイーライ・トマック(カワサキ)が3位に浮上すると、優勝争いはトップスリーに絞られていった。一時はムスキャンとロクスンがテールトゥノーズになったが、終盤になると独走態勢が固まり、ムスキャンが前戦インディアナポリスに続き2連勝を挙げた。レース終了後、レッドクロス旗を無視したムスキャンに対し、7ポイント減点のペナルティが科された。

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450SXResult

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM 20:50.835 Dunlop ユーザー
2 94 K・ロクスン Team Honda HRC Honda +02.361 Dunlop ユーザー
3 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki +07.407 Dunlop ユーザー
4 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM +08.673 Dunlop ユーザー
5 17 J・サバッチー Monster Energy Kawasaki Kawasaki +17.291 Dunlop ユーザー
6 15 D・ウィルソン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +19.910 Dunlop ユーザー