特設コースで行われるスーパークロスでありながら、土質に関しては開催地ごとに定着した評価がある。たとえば赤土のアトランタ、石が多いシアトル、ハードパックのラスベガス…。このようなキャラクターは、コース造成に用いられる土をレース後も保管して、何年も再利用することに由来している。ヒューストンでは、異物の混入など土質の劣化が目立ってきたため、4年前に新しい土に入れ替えたが、食い付きの良さなどが高評価を得てきた。今年はその評判の良い土にアクセントを付けるため、サンドセクションが追加されたが、非常に粒子が細かい砂で形が変わりやすく、近年ではまれに見る難所となった。
コースレイアウト的には、フットボール用スタジアムで多用されるショートスタートで始まり、立体交差などオールドスクールな演出が盛り込まれているが、リズムセクションやフープスの難易度はそれほど高くなかった。今回はトリプルクラウンフォーマットが実施される、シーズン3度目のイベントとなった。
450SXのメインレース1(12分+1周)では、タイムアタックで首位だったケン・ロクスン(ホンダ)が、オープニングラップからトップに躍り出た。ディーン・ウィルソン(ハスクバーナ)、マービン・ムスキャン(KTM)、クーパー・ウェブ(KTM)らが追いかけたが、ロクスンは早々とセーフティリードを築く。トップグループの中では、ムスキャン対ウェブというチームメイト同士の争いが過熱し、5周目にはムスキャンがコースアウト。ウェブの勢いはウィルソンにも及び、13周目には2位に浮上した。しかしロクスンは10秒ほどの独走状態で、トップチェッカーをゲットした。
メインレース2では、スタート直後の混戦でロクスンが転倒。レース1のウィナーがリタイアという波乱の幕開けとなった。序盤のトップグループは、ウェブ、ウィルソン、コール・シーリー(ホンダ)、ジャスティン・ボーグル(KTM)。6周目にはシーリーが2位に浮上したが、スタート6位から追い上げてきたムスキャンが迫り、10周目にオーバーテイク。終盤はウェブ、ムスキャン、ウィルソンのトップ3が固まったが、ウェブが3秒差で逃げきった。
メインレース3では、ジョーイ・サバッチー(カワサキ)がホールショットを取ったが、1周目のオーダーはムスキャンを先頭に、ザック・オズボーン(ハスクバーナ)、ウェブ、イーライ・トマック(カワサキ)、サバッチーと入れ替わった。足の負傷を押して出走したロクスンは、スタート12位だった。ムスキャンが着々とリードを広げる後方では、ポジション争いが激しくなる。6周目にはウェブが2位、8周目にはトマックが2位と入れ替わったが、ムスキャンが6秒のマージンを保ってフィニッシュした。
この結果、総合順位は1位ウェブ(2/1/3)、2位ムスキャン(5/3/1)、3位ウィルソン(3/2/5)で、ウェブがポイントリーダーの座を固めている。


450SXResult

順位 ライダー チーム マシン
1 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM Dunlop ユーザー
2 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM Dunlop ユーザー
3 15 D・ウィルソン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna Dunlop ユーザー
4 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki Dunlop ユーザー
5 14 C・シーリー Team Honda HRC Honda Dunlop ユーザー
6 16 Z・オズボーン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna Dunlop ユーザー