デンバーでスーパークロスが開催されるのは、1996年以来23年ぶりのこと。当時の会場だったマイルハイ・スタジアムは後に取り壊され、2001年にオープンしたブロンコス・スタジアム・アット・マイルハイに生まれ変わっているので、当地では初開催と見なすこともできる。マイルハイはロッキー山麓にあるデンバー市のニックネームで、標高1マイル(約1,609メートル)を意味する。近郊のレイクウッドにあるサンダーバレー・モトクロスパークでは、標高が1,700mを超えるため、気圧の低さによるマシントラブルやライダーの体調不良などが問題となってきた。
今大会はコース造成中の水曜日に雪が降ったため、スタッフは路面の保護のみならず、積雪の除去作業に追われた。レース当日は早朝と深夜に氷点下となるほどの寒さだった。予選が行われた日中に雪が降ることもあったが、路面がマディになる心配はなかった。ただし粘土を主成分としたハードパックは、表面がフラットで滑りやすく、タイヤのトラクション性能が求められるコンディションとなった。
午前10時半から始まったプラクティスでは、最後のセッションが勝負となった。450SXではイーライ・トマック(カワサキ)の42秒905が最速、250SXではアダム・シアンサルーロ(カワサキ)が43秒746で予選首位を得た。比較的ラップタイムが短めに設定されたコースでは、周回数が多くなることが予想された。
450SXのメインレース(20分+1周)では、マービン・ムスキャン(KTM)がホールショットを取り、ジョーイ・サバッチー(カワサキ)、ジャスティン・ボーグル(KTM)が続いた。地元期待のトマックは、スタート5位から2周目3位、4周目2位とポジションアップ。6周目にはムスキャンをかわしてトップに躍り出た。
ポイントリーダーのクーパー・ウェブ(KTM)は、6位スタートから浮上してセカンドグループに合流。13周目にはサバッチーを抜いて、3位のポジションを確保した。10分を経過する頃、トマック、ムスキャン、ウェブは各々5秒差の単独走行。後半はウェブがムスキャンを追い詰め、23周目に攻略。最終的に28周でチェッカーとなったレースでは、トマックが今シーズン5勝目をゲット。2位に入ったウェブは、ランキング上でトマックに詰め寄られながらも18ポイント差で首位を保っている。


450SXResult

順位 ライダー チーム マシン タイム
1位 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki 20:53.096 Dunlop ユーザー
2位 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM +07.774 Dunlop ユーザー
3位 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM +13.171 Dunlop ユーザー
4位 19 J・ボーグル Rocky Mountain ATV/MC KTM +21.021 Dunlop ユーザー
5位 17 J・サバッチー Monster Energy Kawasaki Kawasaki +22.661 Dunlop ユーザー
6位 4 B・バゲット Rocky Mountain ATV/MC KTM +24.914 Dunlop ユーザー