前戦デンバーの後、イースター休みを挟んで再開されたAMAスーパークロスだが、シリーズは今大会と最終戦ラスベガスを残すのみとなった。ニュージャージー州イーストラザフォードでの開催は2年ぶり。メットライフ・スタジアムがニューヨーク・ジャイアンツとニューヨーク・ジェッツの本拠地であることから、ここでのレースはニューヨークSXとも呼ばれている。テレビ番組枠に合わせたデーゲームでお馴染みだが、今年は午後4時半にオープニングセレモニーが始まるスケジュールが採用された。
このスタジアムには屋根がないため、悪天候の影響を受けることが多かったが、今年も例外ではなかった。主催者は金曜日の雨を見越して早めにコース設営を終え、プラスチックシートでほぼ全体をカバーした。このためプレスデーに行われるデモンストレーション走行がキャンセルされたが、コースコンディションの悪化は最小限にとどまった。レース当日は晴れたが、早朝からコース整備を行うためにタイムスケジュールを見直し、フリー走行がキャンセル、タイムアタック×2回のみの公式予選となった。
ポールポジションは、450SX=マービン・ムスキャン(KTM)=51秒848、250SX=チェイス・セクストン(ホンダ)=52秒820。各クラス40位までが、予選ヒートレース1/2のスターティンググリッドを得た。コースはマディにはならなかったが、元来の軟質土が崩れやすく、ワダチの多い路面となった。
450SXのメインレース(20分+1周)では、クーパー・ウェブ(KTM)がホールショットを取った。1コーナーではムスキャンが転倒し、最後尾まで脱落した。3周目にはイーライ・トマック(カワサキ)がトップに浮上。その後3秒ほどのセーフティリードを築いたトマックだが、9周目に転倒して4位まで後退した。
リーダーに返り咲いたウェブだが、やがてザック・オズボーン(ハスクバーナ)の追撃を受け、2台のデッドヒートが始まる。15周目にはオズボーンがトップに立ったが、あわやコースアウトというミスで後退。一時はウェブ、オズボーン、トマックによる三つ巴のバトルになったが、トマックが2度目のクラッシュで脱落。ウェブ、オズボーン、トマックの順でチェッカーが振られた。
ウェブが7勝目を挙げた結果、450SXランキング首位は安泰。トマックに対し23点のポイントリードをつけ、ウェブは最終戦ラスベガスでの初タイトル獲得に王手をかけた。


450SXResult

順位 選手名 チーム マシン タイム
1位 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM 21:11.983 Dunlop ユーザー
2位 16 Z・オズボーン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +03.701 Dunlop ユーザー
3位 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki +09.076 Dunlop ユーザー
4位 4 B・バゲット Rocky Mountain ATV/MC KTM +13.503 Dunlop ユーザー
5位 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM +17.802 Dunlop ユーザー
6位 94 K・ロクスン Team Honda HRC Honda +19.803 Dunlop ユーザー