スーパークロスシリーズのフィナーレとして、独特のフォーマットが適用されているラスベガス。450SXは開幕から17レース目となる最終戦だが、250SXクラスではアトランタ以来、今季2度目の東西混走レース、イーストウエスト・ショーダウンが行われる。今年は昨年同様、全クラス(450SX/250SXイースト/250SXウエスト)のタイトル決定が最終戦まで持ち越されたこともあり、フィナーレの名に相応しい盛り上がりを見せた。
サムボイド・スタジアムはシリーズの中で最もフィールド面積が小さい会場なので、スタンドの外側に「モンスターアレー」と呼ばれるフラットトラックを設けてコース長を補っている。以前はこのモンスターアレーにスターティングゲートが設置されることもあったが、近年はインフィールドに戻され、ゲートから1コーナーまでの長さも100メートル近く確保されるようになった。
今年のコースレイアウトは非常に密度が濃く、スタート以外にはほとんど平らな部分がないほどだった。立体交差に続くフープスの折り返し、フィニッシュ手前のサンドセクションなど難所が多かった。路面はハードパックで有名だが、近年は粘土にサンドを混ぜるなどして土質改善が行われてきた。日中は直射日光と強風で路面の硬化が進むものだが、今年は風が弱めだったことで救われたかもしれない。そのため撒水でウェットになった部分が少し残り、ワダチができる箇所もあった。
タイムアタックでポールポジションを獲得したのは、450SX=イーライ・トマック(カワサキ)58秒242。250SXの計時セッションは地区別に行われ、イースト=ミッチェル・オールデンバーグ(ヤマハ)59秒150、ウエスト=アダム・シアンサルーロ(カワサキ)59秒589、という結果になった。
450SXのメインレース(20分+1周)では、トマックがホールショットをゲット。その後にマービン・ムスキャン(KTM)、クーパー・ウェブ(KTM)、ザック・オズボーン(ハスクバーナ)が続いた。徐々にトップスリーの間隔が開くと、各々が単独走行というフォーメーションが定まる。セカンドグループからはケン・ロクスン(ホンダ)が抜け出し、中盤以降ウェブの背後に迫ったが、ポジションが入れ替わることはなかった。
こうして12秒強差の独走を見せたトマックが、スタートトゥフィニッシュで今季6勝目を挙げ、ムスキャン、ウェブの順でゴール。この結果、ウェブが自身初の450SXタイトルを獲得した。ダンロップにとっては、10連覇となる節目のチャンピオンシップだった。


450SXResult

順位 選手名 チーム マシン タイム
1位 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki 21:51.788 Dunlop ユーザー
2位 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM +12.061 Dunlop ユーザー
3位 2 C・ウェブ Red Bull KTM KTM +17.466 Dunlop ユーザー
4位 94 K・ロクスン Team Honda HRC Honda +18.216 Dunlop ユーザー
5位 16 Z・オズボーン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +29.872 Dunlop ユーザー
6位 14 C・シーリー Team Honda HRC Honda +42.680 Dunlop ユーザー