第2戦の会場は、NFLアリゾナ・カージナルスの本拠地。昨年ネーミングライツの変更によって、ステートファーム・スタジアム(旧称ユニバーシティ・オブ・フェニックス・スタジアム)に改められている。通常のフットボール競技場に比べてフロアが縦長なので、スーパークロスコース造成時には、スターティングゲートから1コーナーまで100ヤードを超えるロングストレートが設けられる。またスタート以外の直線部にも長さがフル活用されるため、フープスや連続ジャンプの組み合わせによって、難易度が高くなりがちな会場だ。
ハードパックの路面は、朝のコースウォーク時には粘土状だが、昼からのプラクティス、夜のヒート~メインレースへと次第に硬化する。このスタジアムでは天然芝を運び出した後、コンクリートのフロアに土を直に盛るため、土の下に合板を敷き詰めるやり方と比べるとリジッドな路面になる。プラクティスが行われた日中は、リトラクタブルルーフが開いて青空が覗いていた。夜になると折からの降雨を受けたが、屋根が閉められたのでドライコンディションは保たれた。
タイムドプラクティスで最速をマークしたのは、450SX=ジャスティン・ヒル(スズキ)1分00秒659、250SX=ディラン・フェランディス(ヤマハ)1分01秒270。屋内スタジアムにおける標準的なラップタイムは約50秒なので、今大会のレイアウトは最長の部類に入ると言えるだろう。
450SXのメインレース(20分+1周)では、アウト寄りからスタートしたケン・ロクスン(ホンダ)が、ロングストレートで抜け出してホールショットを取った。2位争いに名乗りを上げたのは、ジェイソン・アンダーソン(ハスクバーナ)、マービン・ムスキャン(KTM)、ブレイク・バゲット(KTM)。序盤ロクスンは後続に対し、2.5秒のアドバンテージを作った。
5周目にマルコム・スチュワート(ホンダ)が転倒し、コース上で動けなくなったため、1周ほどイエローコーションで進行した後にレッドフラッグが振られた。3周未満であればゲートから再スタートになるが、それ以上消化していた場合は、縦列に並ぶスタッガードスタートが採用される。こうして十数分後に再開されたレースは、車間距離がない状態からのデッドヒートとなった。
7周目にはアンダーソンが仕掛けて、ロクスンが転倒。オーダーはアンダーソン、バゲット、ムスキャン、ロクスンと入れ替わる。一時はアンダーソンのリードが決定的と思われたが、終盤になるとバゲットがスパート。ラスト3周でアンダーソンをかわしたバゲットが、450SXキャリア初優勝を遂げた。3位にはムスキャンを攻略したロクスンが入賞。ジャスティン・バーシア(ヤマハ)からポイントリーダーの座を奪っている。


450SXResult

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 4 B・バゲット Rocky Mountain ATV/MC KTM 19:40.152 Dunlop ユーザー
2 1 J・アンダーソン Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +05.847 Dunlop ユーザー
3 94 K・ロクスン Team Honda HRC Honda +08.148 Dunlop ユーザー
4 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki +10.650 Dunlop ユーザー
5 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM +12.034 Dunlop ユーザー
6 51 J・バーシア Monster Energy Yamaha Yamaha +12.844 Dunlop ユーザー