今年もミリタリー感謝デーとして催されたサンディエゴ大会だが、チームやウエアメーカーが用意したスペシャルカラーは、折からの悪天候によって台無しになってしまった。星条旗をイメージしたマシングラフィックも、迷彩色にステンシルタイプのゼッケンをあしらったジャージも、泥水をかぶって黄土色に様変わりしたからだ。
サンディエゴでは、過去にもマディとなったケースが多々あった。今回はレース日の午後から夜にかけての降雨が予報されていたので、早めに荒天用タイムスケジュールが用意されていたが、さらに改訂版が出される事態となった。通常は正午からフリープラクティス8分×1回、タイムドプラクティス10分×2回が実施されるものだが、今回はタイムドプラクティス10分×1回に限定された。
トップライダーが出走するAグループは17時から行われたが、直前までシートでカバーされていたコースは、タイミング悪く降り出した雨でマディに向かった。限られたアタックチャンスで1分を切ったのは4人のみ。450SX=イーライ・トマック(カワサキ)58秒636、クーパー・ウェブ(KTM)59秒898。250SX=シェイン・マケラス(KTM)59秒139、ディラン・フェランディス(ヤマハ)59秒256…。
強く降り続ける雨によって、コースコンディションはどんどん悪化した。フープスなどは緩やかに改修されたが、軟化した路面はワダチだらけとなり、平坦な部分には広範囲に泥沼のような水たまりができた。主催者はコースに石灰を撒くなどして修復に努めたが、コンディションは過去に例のないレベルのマディとなった。
450SXのメインレース(15分+1周に短縮)では、ケン・ロクスン(ホンダ)がホールショットを取ったが、その後の転倒によってトマックがリーダーとなった。2位以下にはジャスティン・ボーグル(KTM)、ジャスティン・バーシア(ヤマハ)、そしてロクスンがつけていた。先頭のトマックは泥水の洗礼をあまり受けず、早々と優位な独走態勢に持ち込んだ。
転倒やスタックが相次ぐ中、レース中盤のトップスリーはトマック、ボーグル、ロクスンに絞られた。9周目にはロクスンが2位に浮上。3位ボーグルの後方には、スタート10位から追い上げてきたマービン・ムスキャン(KTM)が迫った。先頭を行くトマックは、25秒以上のリードを築いたが、終盤になるとミスをして貯金を使い果たすことに。ラスト2周の局面では、ムスキャンがボーグルとロクスンをかわして2位に躍進。トマックにも届きそうな勢いだったが、4秒差で逆転ならず。トマックが今シーズン初勝利を収め、ランキング首位に躍り出た。

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450SXResult

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 3 E・トマック Monster Energy Kawasaki Kawasaki 17:02.392 Dunlop ユーザー
2 25 M・ムスキャン Red Bull KTM KTM +04.199 Dunlop ユーザー
3 94 K・ロクスン Team Honda HRC Honda +07.266 Dunlop ユーザー
4 19 J・ボーグル Rocky Mountain ATV/MC KTM +28.336 Dunlop ユーザー
5 22 C・リード JGRMX Yoshimura Suzuki +43.520 Dunlop ユーザー
6 7 A・プレシンガー Monster Energy Yamaha Yamaha +45.709  Dunlop ユーザー