ー フランスGPの時に痛めた足のケガの状態はどうですか?

「まだ100%じゃないけど、だいぶよくなっている。もう大丈夫です」

ー ケガもあって、フランス戦はレース終盤大変でしたか?

「そうなんだ。シフト・ダウンするときにちょっと痛かった。レース終盤は少しきつかったよ」

ー それでも4位だから、上出来ですね。

「4位だったから、悪くはなかった。チャンピオンシップにとって重要なポイントを稼いだからね」

-今年は地元スペインGPで初優勝を果たしたほか、とても好調ですね。好調の秘訣は?

「好調になった理由は、ひとつじゃないと思う。精神的なことが大きいんだ。このスポーツは80%が精神的な部分に左右される。メンタルがいい感じになってくると、すべてが楽になっていくんだよね」

-Moto2クラス初年度の2015年、2年目の2016年は苦戦していましたね。

「2015年はすごく大変だった。昨年もシーズン序盤は転倒が多かったけど、後半は徐々によくなっていった。今年はチームもうまくいっているし、いい感じで進んでいる。うまくいかないときは、どんどんうまくいかなくなる。流れが悪いとダメなんだよね。一番の違いは、今年は自信を持って乗っていることだね。」

-今年は作戦を変えたりしたんですか?

「フリープラクティス、予選、レースと前と同じようにやっている。今年はメンタルが充実しているから、すべてが楽にできている。やっぱりそれが大きいと思うんだ。」



-自分の強みはどこだと思いますか?

「うーん、まだどこが強みとは言えないんだけど。今、少しずつ速くなってはいると思う。強いて言うなら、スピード・コーナーが得意かな。逆に、ル・マンみたいなストップ&ゴーみたいなコースはいまいち苦手なんだよね。」

-もてぎもストップ&ゴータイプのコースですけど、Moto3時代には2勝していますね。

「そうなんだ。もてぎは、最初はうまく走れなかったんだけど2勝した。だから、今ではもてぎは好きなコースだよ。結果がでれば好きになるんだよ」



-今年はMoto2クラス3年目ということで、セッティングもだいぶ慣れましたか?


「2015年のときは、セッティングも大変だった。でも今はこれはよくない、これはいいと分かるようになってきた。ふたつの選択肢があるとき、どっちがいいのか分かるようになったんだ。」


-お兄さん(MotoGPクラスのマルク・マルケス選手)は、いろいろアドバイスしてくれますか?

「兄はいつもアドバイスしてくれるよ。彼もMoto2クラスでタイトルを取っているから、このカテゴリーについてよく知っているんだ。」

-どんなアドバイスをしてくれるのですか?

「いろいろだけど、いつも言われるのは『楽しめ』ということ。楽しんで走れば速く走れると彼は言うんだ。でも、うまくいかないときは楽しむのが難しいよね。ライディングを楽しめれば速く走れるし、すべてがうまく進んでいく。今年は楽しんで走れているよ」

-今回のムジェロはどうですか?

「初日からいい流れを作ることが大事だよね。ムジェロは大好きなコースだよ。高速コーナーで、すごく流れがいいんだ。難しいコースだけどね。アップ・ダウンがあるし、常に次の次のコーナーのことまで考えて走っていかないとならない。ひとつのコーナーをうまく走れても、次のコーナーは遅くなったりする。流れをよくすると速く走れる。本当に難しいサーキットだよ」

-へレスではMoto2クラス初優勝しましたね。レースの後は忙しかったですか?

「うん。地元のファンの前で勝ったから、本当にスペシャルだった。夢がかなった感じだった。だから、レース後はすごく忙しかった。レース後は家族やみんなでパーティしたよ」

-スペインでは4レースあるからいいですね

「そうなんだ。特にバルセロナは自宅から車で1時間くらいのところにあるから、一番の地元レースだね。へレスもスペイン人にとって特別な思い入れがあるコースだよ」

-ところで、チーフ・メカニックは日本人の金子さんですね。どのくらい一緒にやっているのですか?

「Moto2になってから金子さんとやっていて、今年で3年目になるよ。彼はスペイン語も話すし、一緒に遊んだりもしている。やっぱり微妙なことを言うとき、スペイン語が大事なんだ。金子さんはすごく楽しい人で、いい感じでやっているよ。日本に行ったときに、東京を案内してもらったこともあるんだ」



-今年の目標はなんですか?

「毎戦、優勝を目指すこと。なによりミスしないことが大事だと思う。特にMoto2クラスでは、ミスしないことが大切なんだ」

-将来的にはMotoGPクラスにステップ・アップしたいですか?

「もちろん、MotoGPで走ることが夢だからね。時期がきたら、MotoGPへのステップ・アップについて考えるよ。今は、Moto2クラスに専念している」

-お兄さんと一緒にレースするのは大変じゃないですか?

「それは、分からないな。」

-お兄さんと同じレースに出たことはありますか?

「昔、1、2度モトクロスレースに出たことがある。そのときは、彼は速くてスタートしてすぐに先に行ってしまった。僕がMotoGPクラスに参戦できたら、二人で表彰台に上がることが夢だね。それがホーム・グランプリだったら最高だね」

-兄弟仲がいいんですね。

「いつも兄と一緒にトレーニングしている。ベスト・フレンドだね。小さいときから一緒にレースをしているし、なんでも話せる兄弟で最高の友達だよ」

-ところで、日本について聞きたいのですが、毎年日本での滞在を楽しんでいますか?

「日本は大好き。去年は、ホンダのファクトリーに行ったんだ。お寿司も大好きだし、いつも日本滞在を楽しんでいるよ。バルセロナにも日本食レストランがあるからよく食べるよ。本当の日本食とは少し違うみたいだけど、バルセロナでも日本食を食べたりしている」

-それでは、最後に日本にいるファンにメッセージをお願いします。

「日本ファンはいつもサポートしてくれて、とてもうれしいです。海外にもやってきて応援してくれる女性ファンもいるし、ファン・クラブに日本人も入っているよ。今年は、もてぎで勝つチャンスだと思うから、がんばるよ。応援よろしくお願いします」