第13戦サンマリノの舞台は、イタリア北東部の海沿いの町にあるミサノ・サーキット。約4.2キロで中低速コーナーの多いテクニカル・サーキットとなっている。
今回、ダンロップは、オーストリア戦と同じ、フロントにミディアム2、リアにソフト1、ミディアム3を用意した。
予選は、ドライ・コンディションで行われ、地元イタリアのM・パシーニ選手(KALEX)が4戦連続のポール・ポジションを獲得した。
「マシンの感触はとてもよかった。ポール・ポジションを獲得するためにリスクを負った。明日は表彰台に上がりたいです」とパシーニ選手。
続いて、首位のF・モルビデッリ選手(KALEX)が2位、D・アーゲター選手(KALEX)が今季初のフロント・ロー3位をつかんだ。
また、中上貴晶選手(KALEX)は5位2列目。
「昨日からコンディションが微妙に変わり、正直、あまり気持ちよく乗れなかった。天気がどうなるかわからないが、ドライで走りたいです」と中上選手。
長島哲太選手(KALEX)は、28位となった。
「予選ではフリー走行の15番手以上を目標にしたが、力が入りすぎて転倒してしまった。グリッドが悪く、厳しいレースになるが、ふとつでも順位を上げたい」と長島選手。

決勝当日は、朝から雨が降り続く、生憎のコンディションとなる。
雨、そして気温17度という涼しい中、決勝レースがスタート。モルビデッリ選手が好スタートを切り、後ろからアーゲター選手、パシーニ選手などが続く。
モルビデッリ選手は引き離しにかかる。アーゲター選手が単独2位で続き、M・オリヴィエーラ選手(KTM)、中上選手、T・ルティ選手(KALEX)、H・シャリン選手(KALEX)が3位争いとなる。
4周目、トップのモルビデッリ選手が転倒してしまう。これでアーゲター選手がトップに浮上。ルティ選手が2位、オリヴィエーラ選手3位。中上選手、シャリン選手が後方から続く。
レース中盤、トップのアーゲター選手にルティ選手が追いつきトップ争いを開始。オリヴィエーラ選手が単独3位に続いたが、10周目に転倒し、シャリン選手が3位に上がる。中上選手はペースが上がらず遅れてしまう。
後半に入ると、アーゲター選手とルティ選手が激しいバトルを展開。アーゲター選手がトップを守っていく。シャリン選手は単独3位で続く。
ラスト2周になるとアーゲター選手は1秒以上のリードを広げるとそのままトップでチェッカー。今季初優勝を飾った。
ルティ選手は2位。首位のモルビデッリ選手がノーポイントに終わったため、首位と2位ルティ選手の差は9点となった。
続いて、マレーシア人のシャリン選手が初の3位表彰台を獲得した。
また、中上選手は5位につけていたが最終ラップに転倒。再スタートして11位でフィニッシュした。
長島選手は2度転倒しながらも再スタートして14位に入っている。15人が転倒リタイアするサバイバルレースとなった。

<追記>
10月15日、優勝したアーゲター選手は規定外のオイルを使用したことが判明し、失格となった。
代わってT・ルティ選手が優勝、・シャリン選手(KALEX)2位、F・バグナイア選手(KALEX)が3位。
中上選手10位、長島選手13位に繰り上がった。

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優勝 D・アーゲター選手(SUTER)

「とても難しいコンディションで、これほどまで速く走れるとは思っていなかった。チームがとてもいい仕事をしてくれて、ウェット・コンディションでいいグリップがあった。ルティ選手がずっと後ろにいたので、とにかくプッシュした。転倒はしたくなかった。このサーキットで優勝できて最高の気分です」

2位 T・ルティ選手(KALEX)

「朝のウォーム・アップで転倒して、時間をかなり無駄にしてしまった。レース序盤はリズムをつかむのに苦労した。モルビデッリ選手が転倒したのを知ったとき、彼がレースに戻るのは難しいと思った。僕はただチャンピオンシップのことしか考えていなかった。アーゲター選手はブレーキングがとても強かった。転倒するリスクを負いたくなかったので、彼の後ろを走っていった。今回の2位は、チャンピオンシップにおいてとても重要です。また、アーゲター選手にもおめでとうと言いたい。勝利にふさわしい走りだった。初めてスイス人による1、2位フィニッシュを果たしました。」

3位 H・シャリン選手(KALEX)

「今の気持ちをどのように言葉にしていいかわからない。いつも支えてくれた家族、チーム、そして友人に感謝している。ここまでの4年間、表彰台に上がれなかったけど、本当にがんばってきた。昨年、もう少しで表彰台というところまでいったことがあった。あの時のミスから学んできた。すべてを理解するように心がけてきた。決してあきらめずにやってきて、結果がでて本当にうれしいです」

11位 中上貴晶選手(KALEX)

「5位を走っていて、最終ラップに転倒してしまった。今年はウエット・コンディションでいい走りがまったくできなかったが、今日は、自分としてはいい走りができたと思う。トップから離されていったが、5番手を走れたことは自分としては大きな自信になった。すごく滑りやすいコンディションで、どの周回も転倒のリスクはあった。たまたま最終ラップの4コーナーで転んでしまったと思えるほど厳しいレースだった。今日はサバイバルレースになることは分かっていたし、そういう中でいいレースができていただけに、残念な結果です。」

14位 長島哲太選手(KALEX)

「朝のウォーム・アップの時点では、かなり厳しい走りになることを覚悟していたが、決勝に向けてセッティングを変更して、かなり乗りやすくなった。しかし、2度の転倒でポジションを大きく落とした。最後まで走ればポイントを獲得できると思い、2回ともに再スタートを切って、最後は14位でフィニッシュした。2点を獲得した。今年はウエットでいい走りができているので、ちょっと欲張ってしまったかもしれない。ただ、最悪の状況でも、こうしてポイントを獲得できてよかった。


MOTO2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 T.Luthi CarXpert Interwetten KALEX '51.41.109 Dunlop ユーザー
2位 H.Syahrin Petronas Raceline Malaysia KALEX '51.47.584 Dunlop ユーザー
3位 F.Bagnaia SKY Racing Team VR46 KALEX '52.00.932 Dunlop ユーザー
10位 中上貴晶 IDEMITSU Honda Team Asia KALEX '53.12.157 Dunlop ユーザー
13位 長島哲太 Teluru SAG Team KALEX '52.57.625 -1 laps Dunlop ユーザー

MOTO2Point

順位 選手名 チーム メーカー ポイント
1位 F.Morbidelli EG 0,0 Marc VDS KALEX 223 Dunlop ユーザー
2位 T.Luthi CarXpert Interwetten KALEX 219 Dunlop ユーザー
3位 A.Marquez EG 0,0 Marc VDS KALEX 155 Dunlop ユーザー

※第13戦終了時点