Moto3クラスには、フロントにソフトとミディアム、リアにソフトS1、ミディアムM1を、そしてウェット用のタイヤを用意した。
Moto3クラスの予選は、ハーフ・ウェットで行われた。
徐々に路面が乾いてく中で予選が行われ、T・アルボリーニ選手(HONDA)が最後にスリック・タイヤでアタックをかけて、ポール・ポジションを獲得した。
「今日はいい感触があった。ポール・ポジションを獲得できてうれしい。かなりリスクを負ったが、最後にこの結果をつかむことができた」とアルボリーノ選手。
続いて、タイ人のN・アティラプワパ選手(HONDA)が初の2位フロント・ローをゲット。J・マクフィー選手(KTM)が3位に続く。
すでにタイトルを獲得しているJ・マルティン選手(HONDA)は13位につける。
また、鈴木竜生選手(HONAD)18位。「最後、路面が乾き始めたときにスリック・タイヤに替えることができなかった。僕とチームのミスです。ウェットではいい走りができると思います」と鈴木選手。
鳥羽海渡選手(HONDA)21位、真崎一輝選手(KTM)は22位、佐々木歩夢選手(HONDA)25位となった。


今年最後のスタートが切られると、アルボリーノ選手が好ダッシュを決め、後ろからM・ベゼッキ選手(KTM)、C・オンチュ選手(KTM)、マクフィー選手などが続く。
今年のルーキーズ・カップ・チャンピオンのオンチュ選手は15歳のトルコ人。初参戦ながら予選4位からスタートしていた。
レイン・コンディションの中で序盤から転倒車が相次ぎ、鈴木選手も1周目に転倒してしまう。
2周目になるとベゼッキ選手が転倒。アルボリーノ選手がレースをリードし、後続に2秒以上の差をつけていく。後ろからオンチュ選手が単独2位で続き、3位争いはマクフィー選手、マルティン選手、F・ディ・ジャンナントニオ選手(KALEX)が展開していく。

そして12周目になんとトップのアルボリーノ選手が転倒してしまう。
これで、GPデビュー戦のオンチュ選手がトップに浮上。約6秒半後ろでディ・ジャンナントニオ選手、マルティン選手、マクフィー選手が2位争いとなる。
レース終盤になると、トップのオンチュ選手は、2位以下に8秒もの差をつけて独走体制。マルティン選手が3台の争いから抜け出して単独2位、マクフィー選手が単独3位となっていく。
オンチュ選手はそのままトップでチェッカーを受けて、デビュー・ウィン、そしてトルコ人の初優勝、最年少ウィナーという記録づくしの優勝を決めた。さらに、デビュー・ウィンは91年鈴鹿の上田昇選手以来でもあった。
続いて、チャンピオンのマルティン選手は2位、マクフィー選手がそのまま3位でチェッカーを受けた。
ディ・ジャンナントニオ選手は4位となり、ベゼッキ選手はリタイアしたため、ディ・ジャンナントニオ選手がランキング2位を獲得した。
また、佐々木選手は11位、真崎選手16位。
鳥羽選手と、鈴木選手は転倒リタイアしている。

コメント

優勝 C・オンチュ選手(KTM)
「今日は、なるべくいい順位でポイントを獲得したいと思っていた。だから、優勝できたなんてとても信じられない。今朝は雨が強くひどいコンディションだった。でも、レースの時は雨は止んでいた。ベゼッキ選手とアルボリーノ選手が転倒したのを見たとき、リスクを負って勝ちに行こうと思った。最後は、後ろに差がついたのがわかったので少しペースを下げた。最終ラップにマシンが振られたときはびっくりした。今回は、来年Moto2に上がってしまうライダーたちからいろいろ学びたいと思っていた。勝てるとは思っていなかったけど、本当にうれしいです。走る機会をくれたチームや関係者に感謝したいです。」

2位 J・マルティン選手(HONDA)
「目標は表彰台に立つことでした。予選がよくなかったので、簡単ではなかった。あまりリスクを負わずに、トップ・グループを目指して全力でがんばったディ・ジャンアントニオ選手と僕はいいペースがあり、彼のミスを有効に活用して引き離し、2位を獲得しました」

3位 J・マクフィー選手(KTM)
「いい形でシーズンを終えることができてうれしい。これまでのハード・ワークが報われたね。今日は厳しいコンディションで大変だった。チームのおかげで表彰台に上がれたと思う」

11位 佐々木歩夢選手(HONDA)
「ウェット・コンディションで思うような走りができなかった。その中で今日は最後まで走りきって、11位でフィニッシュすることができた。満足のいく結果ではありませんが、現状では自分の力をしっかり出せたと思う。来年に向けてウエット・コンディションでの課題を残すレースでしたが、来年につながる走りができました。今年は、後半に入って自分の走りができるようになりました。来年は初表彰台を最初の目標に、シーズン・オフにしっかり準備を進めたいです」

16位 真崎一輝選手(KTM)
「ウェット用のセッティングを変えて臨んだ。予選のときよりもいいフィーリングはあったが、それでもウェットでの走りがうまくいかなかった。オフの間に、ウェットでの走りをよくしたいです」

リタイア 鳥羽海渡選手(HONDA)
「1周目に順位を落としてしまった。それを取り戻そうとがんばったことが転倒につながった。結構いいポジションまで追い上げたが、10コーナーの進入でハイサイドになり、転びました。すごくいい感じで走れていて、ポジションも上げていたので、残念です。苦手なウエット・コンディションで、次につながるレースができたと思う。一年を振り返ると、全然結果を残せないシーズンでしたが、ライダーとしては成長できたと思います。」

リタイア 鈴木竜生選手(HONDA)
「朝のウォーム・アップで転倒し、決勝でも1周目に転んでしまった。どちらの転倒も同じ4コーナーで、完全に自分のミスでした。チームには申し訳ない気持ちです。今年はシーズン序盤にうまくいかず、その後、右肩上がりでリザルトを上げていくことができた。
中盤はうまくいかないレースが続きましたが、後半戦に入って、いい走りができるようになりました。しかし、結果につなげられずフラストレーションがたまりました。今年の目標だった表彰台に立てずとても残念ですが、来年こそ、目標達成に向けてがんばります」

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Moto3Result

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 C.Oncu Red Bull KTM Ajo KTM '43.06.370
2 J.Martin Del Conca Gresini Moto3 HONDA '43.10.441
3 J.Mcphee CIP-Green Power KTM '43.12.500
11 佐々木歩夢 Petronas Sprinta Racing HONDA '43.48.702
16 真崎一輝 RBA BOE Skull Rider KTM '43.03.592
リタイア 鳥羽海渡 HONDA Team Asia HONDA '7.51.241 -19 laps
リタイア 鈴木竜生 SIC58 Squadra Corse HONDA 0