第15戦の開催地は東南アジアのタイ。今回が初開催で、約4.5キロのチャン・インターナショナル・サーキットが会場となった。
Moto2クラスには、フロントはいつものミディアム2、リアにはエクストラ・ソフト0、ソフト2R1と、ソフトよりの選択となった。
ドライ・コンディションで行われた予選では、L・バルダッサリ選手(KALEX)が、今季2度目のポール・ポジションを獲得した。
「ポール・ポジションからスタートすることは、とても重要です。いいペースがあっても、後方からスタートになると、序盤でタイムを落してしまうからね。チームといい仕事をして、予選ではベストを尽くすことができた」とバルダッサリ選手。
続いて、A・マルケス選手(KALEX)が2位、L・マリーニ選手(KALEX)が3位となる。
首位のF・バグナイア選手(KALEX)は6位、2位のM・オリヴィエーラ選手(KTM)5位で2列目に並んだ。
また、長島哲太選手(KALEX)は18位につけた。
「順位的には18位だけど、いい状態で決勝を迎えることができた。最後のアタックで、遅いライダーにひっかかりタイムをロスした。明日は前半が勝負。いいスタートが切れればトップ10は狙えると思う」と長島選手。

決勝レースも晴天に恵まれた。レースが始まると、バルダッサリ選手がホール・ショット。バグナイア選手、オリヴィエーラ選手、マルケス選手などが後ろから続く。
1周目にバグナイア選手がトップに上がり、オリヴィエーラ選手、B・ビンダー選手(KTM)、バルダッサリ選手と続く。
4周目、オリヴィエーラ選手がトップに立ち、すぐ後ろからバグナイア選手、ビンダー選手が続き、この3台がトップ・グループとなる。バルダッサリ選手は6位に後退する。
中盤、オリヴィエーラ選手とバグナイア選手がテール・トゥ・ノーズの戦いを展開。ビンダー選手が3位に続く。9周目に6位につけていたバルダッサリ選手は転倒してしまう。

12周目にバグナイア選手はトップを奪回。オリヴィエーラ選手を引き離しにかかり、3周で約1秒の差をつける。オリヴィエーラ選手はチーム・メイトのビンダー選手と2位争いとなる。
終盤に入っても、トップのバグナイア選手は約1秒のリードをキープ。オリヴィエーラ選手、ビンダー選手が2、3位につけていたが、後方からマリーニ選手が接近。残り2周でマリーニ選手が3位上がり、オリヴィエーラ選手を追いかけ始める。
バグナイア選手はそのまま後続を抑え続けると、今季7勝を達成。
ラスト・ラップ、マリーニ選手はオリヴィエーラ選手を抜き去ると2位を奪った。オリヴィエーラ選手は3位でチェッカー。
この結果、首位のバグナイア選手と2位オリヴィエーラ選手の差は28点となった。
また、長島選手は自己最高の8位でゴール・ラインを通過した。

優勝 F・バグナイア選手(KALEX)

「序盤、オリヴィエーラ選手がとても強かった。しかし、僕は中盤からペースを上げられると思っていたので、そのときを待った。25ポイント差で日本へ向かえることを願っていたが、マリーニ選手がオリヴィエーラ選手を最終ラップに抜いて、素晴らしいプレゼントをくれました」

2位 L・マリーニ選手(KALEX)

「終盤いいペースで走れるように、タイヤをうまくマネジメントできた。スタートではいくつかポジションを落したが、冷静さを失わないように努力した。チーム全体にとって素晴らしい日になった。バグナイア選手をできるかぎり助け、今日のようなレースを続けていきたい」

3位 M・オリヴィエーラ選手(KTM)

「正直いって、今日は優勝したかった。そのためスタートから一生懸命プッシュした。でも今日はそれができなかった。フロント・ブレーキに少し問題があった。コーナー進入と出口でマシンがかなり滑ったので、プッシュするのは難しい状況だった。最後に表彰台に立つことできて、チャンピオンシップポイントを16点獲得しました。まだ4レース残っているから諦めていないです」

8位 長島哲太選手(KALEX)

「今日は序盤からいいペースで走れたし、後半はフリー走行、予選でシミュレーションした通りの走りができた。序盤にもう少しポジションを上げられていたら、表彰台争いも可能だったと思う。今回は、すべてのセッションをフル・タンクで走ったことが決勝につながった。今日はすごく暑かったのですが、普段のトレーニングの成果を感じることもできた。やっと目標とする一桁でチェッカーを受けられたので、次の日本GPはさらに目標を高くして挑みたい」

Photo gallery


Moto2Result

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 F.Bagnaia SKY Racing Team VR46 KALEX '39.00.009
2 L.Marini SKY Racing Team VR46 KALEX '39.01.521
3 M.Oliveira Red Bull KTM Ajo KTM '39.01.660
8 長島哲太 IDEMITSU Honda Team Asia KALEX '39.16.912