日本ラウンドの翌週、南半球オーストラリアのフィリップアイランドで18戦目を迎えた。
ダンロップは、フロントに前戦と同じソフト343、ミディアム2、リアにエクストラ・ハードS1、スペシャルハードS2というハード寄りのタイヤを用意した。
初日から小雨に悩まされたり、気温15度前後と肌寒いなかで走行が行われた。
予選はドライ・コンディションで行われ、ベテランのM・パシーニ選手(KALEX)が、予選終盤で転倒しながらもトップ・タイムを守り切り、今季3度目のポール・ポジションを獲得した。
「今日は風がとても強くて、難しい予選だった。セッション最後のアタックで、4コーナーでブレーキング・ミスをして転倒してしまった。それでも、その前に出したタイムでポール・ポジションを獲得することができてよかった。今回、自分の走りはとてもリズムがあり、気持ちよく乗れている。来年に向けて、いいレースにしたいです」とパシーニ選手。

続いて、M・シュロッター選手(KALEX)が2位、X・ヴィアージ選手(KALEX)が3位となる。
首位のF・バグナイア選手(KALEX)は16位、ランキング2位のM・オリヴィエーラ選手(KTM)は20位に終わる。
また、長島哲太選手(KALEX)は21位につけた。
「このコースに苦手意識があるけど、昨年と比べたら、かなりいいフィーリングで走れている。しかし、セクター4はうまくいかない。今日は予選で転倒してしまい、タイムを更新するチャンスを逃してしまった。今日も転んでしまったので、明日の決勝では、いい結果を残してチーム・スタッフのがんばりに応えたい」と長島選手。

決勝当日は、気温13度という肌寒い気候だったが、ドライ・コンディションに恵まれた。
決勝レースがスタートすると、パシーニ選手がホール・ショット。ヴィアージ選手、予選5位のB・ビンダー選手(KTM)、I・レクオナ選手(KTM)などが続く。一方、シュロッター選手はウォーム・アップ前にエンジンがすぐにかからず最後尾スタートとなってしまう。
2周目に、パシーニ選手は転倒。この後、ビンダー選手がトップに立ち、ヴィアージ選手、レクオナ選手、D・アーゲター選手(KTM)などが続く。オリヴィエーラ選手は10位、バグナイア選手は12位につけていく。
7周目にレクオナ選手がクラッシュ・ダウン。この後、ビンダー選手、アーゲター選手、L・バルダッサリ選手(KALEX)、ヴィアージ選手のオーダーに。ビンダー選手がトップを守っていく。
12周目、ヴィアージ選手がトップに浮上。ビンダー選手、バルダッサリ選手、アーゲター選手、J・ミル選手(KALEX)、A・フェルナンデス(KALEX)など7台が僅差で続き、レースは終盤へ。
残り2周で前に出たのはビンダー選手。先頭で最終ラップに入り、後ろからミル選手が続く。ヴィアージ選手とフェルナンデス選手は接触して遅れ、最後はビンダー選手とミル選手の一騎打ち。
ビンダー選手が逃げ切って今季3勝目を達成。
ミル選手は2位。ヴィアージ選手が3位となった。
また、オリヴィエーラ選手は11位、バグナイア選手12位でゴール。この結果、首位のバグナイア選手の点差は36点となった。
長島選手は13位、ポイント圏内でゴールしている。

コメント

優勝 B・ビンダー選手(KTM)
「クレイジーなレースだった。Moto3のようでした。いいスタートを切り、前に出て、集団から逃げようとしたが、残り13周でそれができないことが分かった。集団に残って、最後のためにセーブすることにした。他のライダーと何度か危ない場面があった。そこで、残り2周でリードすることにして、全力でプッシュした。優勝できてとてもうれしい。FP3で転倒してから、完全に新しいマシンに乗らなければならなかった。でも素晴らしいマシンだった。マレーシアでも同じようにレースしたいです」

2位 J.ミル選手(KALEX)
「今回の表彰台は僕にとってはとても特別です。昨シーズンは、ここでMoto3のタイトルを獲得したからです。ここまでの3戦、複雑な時間を過ごしていたので、表彰台に戻りたいと思っていた。チームはいいときも悪いときも僕のことをよく助けてくれたので感謝したい。残りの2戦もこの調子を続けて、優勝争いをしたい。レース・ウイークを通していいペースがあった。予選でもっといい走りがしたいです」

3位 X・ヴィアージ選手(KALEX)
「今日は1周目から気持ちよく走ることができた。常にトップ・グループに留まろうとがんばった。このサーキットはストレートでスリップが効くので常にグループの中にいることが大事です。抜いてもすぐに抜き返されるという、繰り返しだった。最後までトップ・グループにと留まれたし、3位になり表彰台に立つことができた。今日は何度も何度も接触する厳しいレースだったので、本当にうれしいです」

13位 長島哲太選手(KALEX)
「スタートは悪くなかったのですが、序盤にローズ選手にひっかかり、それで前と離れてしまった。9周目になんとか抜いてからはペースもよくて、オリヴィエーラ選手とバグナイア選手のバトルに追いついた。最終ラップは、バグナイア選手を抜いたのですが、向こうも意地を見せて抜き返してきた。今日は、金曜日の転倒の影響で右腕に力が入らなくなり、アクセル操作が苦しかった。フィリップアイランドは、去年一番苦労したレースですが、今年はポイントを獲得することができたのでよかったです。自分の成長を感じることができました」

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Moto2Result

順位 ライダー チーム マシン タイム
1 B.Binder Red Bull KTM Ajo KTM '39.23.427 Dunlop ユーザー
2 J.Mir EG 0,0 Marc VDS KALEX '39.23.463 Dunlop ユーザー
3 X.Vierge Dynavolt Intact GP KALEX '39.24.376 Dunlop ユーザー
13 長島哲太 IDEMITSU Honda Team Asia KALEX '39.33.214 Dunlop ユーザー