第4戦　SUGO大会

今季も全9戦が設定されている全日本モトクロス選手権は、3戦連続で東北地方開催となるシーズン中盤に突入。その最初となる第4戦が、宮城県のスポーツランドSUGOで実施された。かつては世界選手権を招致したこともあるインターナショナルモトクロスコースは、丘陵地に設けられており、ダイナミックなレイアウト。傾斜度が30度ほどもある全長約70ｍの大坂が、名物のひとつとなっている。乾くと固く締まりやすい土質だが、今大会直前の金曜日に激しい雨が降ったことから、予選が行われた土曜日の路面は水を多めに含んで柔らかめな状態。走行により、深いワダチが刻まれた。日曜日の天候は曇り時々晴れで、最高気温は18度。適度に水分を含んだことから、予選日よりも深くて固いワダチやギャップが多数発生した。

最高峰クラスの決勝ヒート1では、ホンダファクトリーチームの山本鯨選手（#400）とカワサキファクトリーマシンを駆る小方誠選手（#10）が、序盤からほぼ4台に絞られた優勝争いに加わった。4周目あたりまで、山本選手はトップのライダーに猛攻を仕掛けたが、なかなか主導権を握れず。すると6周目には、背後にいた小方選手が先行した。これで2番手になった小方選手は、8周目にトップ浮上。レース後半に逃げ切って、17周のレースをトップでゴールした。一時は4番手まで後退した山本選手は、レース後半にリズムを取り戻すと、最終ラップにも1台を抜いて2位となり、ダンロップ勢がワン・ツー・フィニッシュを達成した。また、カワサキを駆る星野裕選手（#8）が、1周目10番手から追い上げて7位でゴールした。

決勝ヒート2では、山本選手が2番手、星野選手が3番手、小方選手が4番手で1周目をクリア。一時は離れたトップのライダーに3名が追いつき、3周目から接近戦のトップ争いを繰り広げた。5周目には一時、山本選手が先頭に立ち、再び2番手に戻った山本選手を今度は星野選手がパス。翌周にはこの2台を小方選手が抜くなど、デッドヒートが展開された。そして7周目、小方選手がトップに浮上。するとここから、小方選手はややリードを拡大していった。レース中盤、星野選手は5番手に後退。山本選手は2番手に浮上すると、小方選手を追いながら後続を引き離していった。そしてレースは、小方選手が再び勝利。山本選手が2位、星野選手が6位となった。これによりダンロップは、前戦から3ヒート連続でワン・ツー・フィニッシュとなった。

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IA2クラスの決勝ヒート1では、ランキングトップの古賀太基選手（#922）が好スタート。これを前戦の決勝は予選日の転倒によるダメージで欠場した小川孝平選手（#912）、第2戦で足を骨折した影響が残る渡辺祐介選手（#31）が追った。レース序盤から、この3台が後続を引き離しながらトップグループを形成。しかし3周目、小川選手は渡辺選手の先行を許すと、少しずつ前の2台から遅れていった。2番手に浮上した渡辺選手は、トップを走る古賀選手との距離を詰め、4周目からはほぼテール・トゥ・ノーズ状態。そして7周目、古賀選手が転倒を喫したことで渡辺選手がトップに立った。古賀選手は、渡辺選手から7秒ほど遅れた小川選手のすぐ後ろでレースに戻った。レース後半、渡辺選手は完全に独走。そのままトップチェッカーを受け、今季初優勝を挙げた。小川選手は2位、古賀選手は3位で表彰台に登壇した。

決勝ヒート2でも、再び好スタートを切ったのは古賀選手。しかし渡辺選手がこれに続くと、SUGO名物のひとつとなっている大坂の先でパッシング。渡辺選手、古賀選手、小川選手、岡野聖選手（#30）の順で1周目をクリアした。レース序盤から、渡辺選手はリードを拡大。3周目には、ベストラップタイム2番手の古賀選手を約1.5秒も上回る驚異的なファステストラップタイムを叩き出して、逃げ切り態勢を築いた。一方、古賀選手と小川選手と岡野選手は、7周目に小川選手が古賀選手を抜くと、翌周からはやや縦に長い集団を形成して2番手の座を争った。レース後半、3台の間隔はやや開き、4番手で粘っていた岡野選手はトラブルによりマシンがストップしてリタイア。レースは17周でチェッカーとなり、渡辺選手が優勝、小川選手が2位、古賀選手が3位というヒート1と同じ表彰台の顔ぶれとなった。

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ポイントリーダーとして今大会を迎えた前戦勝者の竹内優菜選手（#2）は、勝股七海選手（#9）に次ぐ4番手で1周目をクリア。さらに安原さや選手（#4）と久保まな選手（#5）が続いた。2周目、竹内選手は勝股選手を抜いて2番手に浮上。約2.5秒前を走るトップのライダーを追った。抜かれた勝股選手は5番手にポジションダウン。3周目以降、安原選手に少し離されながら、勝股選手と久保選手が5番手の座を争うドッグファイトを展開した。

4周目以降、竹内選手はトップと3～4秒ほどの間隔を維持。差を詰め切れないが大きく離されもしない膠着状態が続いた。レース前半まで3番手のライダーを僅差で追っていた安原選手は、少し離されて4番手キープ。5番手争いでは、5周目に久保選手が先行した。そしてレースは8周でチェッカー。竹内選手は終盤、3番手のライダーに接近されたが、しっかり順位を守って2位でゴール。安原選手が4位、久保選手が5位、終盤に少し遅れた勝股選手が6位に入賞した。

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