8月下旬に予定されていた第7戦中国大会が、豪雨被害の影響により中止となったことから、前戦から約1ヵ月半のインターバルを挟んで開催されることになった第8戦近畿大会。その舞台は三重との県境に近い奈良県の山中に位置する名阪スポーツランドで、こちらも直前に上陸した台風の影響が心配されたが、予定通り実施された。レースウィークの会場では台風通過後も断続的に雨が降り、土曜日も曇り時々雨となったことから、サンド質の路面は多くの水を含んだマディ状態。しかし日曜日は、曇り時々晴れに天気が回復したことで、少しずつ路面状況が改善されていった。最高峰クラスのIA1では、ダンロップタイヤを履く小方誠選手（#2）が、トップと18点差のシリーズランキング3番手で今大会に臨んだ。

その小方選手は、決勝ヒート1のスタートで出遅れて、1周目10番手と苦しい展開。2周目以降、池谷優太選手（#793）を先頭に7台が縦に長く連なった3番手争いの集団に加わると、4周目に7番手、7周目に6番手まで浮上して、前を走る岡野聖選手（#30）を僅差で追った。そしてラスト4周となった14周目、小方選手は岡野選手の攻略に成功したが、残り2周でミスしてタイムロス。これにより岡野選手が5位に再浮上してチェッカーを受け、小方選手は6位となった。このヒートでは、池谷優太選手（#793）を抜いて5周目に4番手まで浮上した深谷広一選手（#7）が、その後は後続を引き離してポジションをキープ。ケガによりシーズン序盤の3戦を欠場した深谷選手が、今季自己最高位となる4位入賞を果たした。

決勝ヒート2では、田中雅己選手（#113）が1周目を2番手でクリア。ダンロップ勢では、ハドリー・ナイト選手（#777）が4番手、池谷選手が5番手、岡野選手が6番手、星野裕選手（#8）が7番手からのレースとなったが、小方選手と深谷選手は出遅れ、小方選手が10番手、深谷選手は14番手からの追い上げを強いられた。2周目、岡野選手は転倒によりほぼ最後尾まで後退。田中選手も順位を下げたが、ナイト選手は粘り強い走りでポジションをキープした。そして、レース中盤以降は単独走行となったナイト選手が、そのまま4位でフィニッシュ。全日本選手権での自己最高位をマークした。レース中盤に星野選手や小方選手と6番手争いを繰り広げた池谷選手が、田中選手を抜いて5位。深谷選手は6位まで追い上げ、終盤に深谷選手の逆転を許した星野選手が7位となった。小方選手は9位だった。

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決勝ヒート1のスタート直後、ランキング2番手で今大会を迎えた能塚智寛選手（#828）が転倒。ポイントリーダーの古賀太基選手（#922）は、転倒により予選は23位となり、スタート位置の悪さから出遅れ。古賀選手が12番手、能塚選手が20番手で1周目をクリアした。ふたりの苦戦を尻目に、ランキング3番手の小川孝平選手（#912）は好調な走りを披露。オープニングラップからトップを走るIAルーキーの手操将志選手（#07）を5周目にパスすると、その後はリードを拡大して、16周でチェッカーとなったレースを制した。手操選手が最後まで粘り、IA自己最高位となる2位入賞。レース序盤からこの手操選手を数秒差で追い続けた大城魁之輔選手（#42）が3位となった。能塚選手は4周目にも転倒を喫したが、6位まで追い上げてフィニッシュ。古賀選手は8位に終わり、この段階でランキングは古賀選手が267点、能塚選手が262点、小川選手が257点となった。

決勝ヒート2では、能塚選手がホールショット。古賀選手は転倒して、エンジンが再始動せず大きく遅れた。1周目をトップでクリアしたのは横澤拓夢選手（#32）。この横澤選手が通過する直前で、古賀選手はレースに復帰した。レース序盤、数秒前を走るラップ遅れ寸前の古賀選手を追う横澤選手の背後に、内田篤基選手（#38）を3周目にパスした能塚選手が接近。これで横澤選手と能塚選手による僅差のトップ争いが開始されたが、能塚選手は7周目に転倒して後退した。能塚選手の後退により約6秒のリードを得ることになったトップの横澤選手は、古賀選手に引っ張られるように快走を続けて、17周のレースをトップでフィニッシュ。全日本IA初勝利を手にした。2位は内田選手。このヒートで3位に入賞した浅井亮太選手（#40）が、両ヒート総合成績でトップとなった。小川選手はリタイアに終わり、ポイントランキングではヒート2で7位となった能塚選手が、18位に終わった古賀選手を逆転してトップに立った。

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ホールショットを奪ったのは、ディフェンディングチャンピオンの竹内優菜選手（#1）。しかし竹内選手は、エンストを喫して後退。1周目4番手からのレースとなった。予選をトップで通過した本田七海選手（#3）は、転倒により1周目19番手と出遅れる苦しい展開。オープニングラップは久保まな選手（#2）が制し、約5秒差の2番手で前戦勝者の安原さや選手（#5）が続いた。2周目、安原選手は久保選手との距離を詰め、僅差のトップ争いがスタート。竹内選手は3番手に浮上した。

3周目以降、安原選手は久保選手の背後で逆転のチャンスをうかがったが、久保選手もプレッシャーに負けることなく快走。そのままレース終盤を迎えると、ラスト2周となった8周目、バックマーカーと交錯した久保選手が転倒。これで安原選手がトップに立ち、自身初となる全日本での連勝を獲得した。久保選手は短時間でレースに復帰したが、トップグループに6秒ほどまで近づいていた竹内選手が先行し、竹内選手が2位で久保選手が3位となった。本田選手は5位でゴールしている。

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