第2戦が延期されたことから今季3戦目となった全日本モトクロス選手権シリーズ第4戦SUGO大会は、6月5日(土)~6日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。オンロードの国際サーキットなども有する広大な敷地のSUGO。その一角にあるモトクロスコースは、急な登り坂の通称「大坂」やハイスピードな「ヨーロピアンセクション」といった名物を残しつつ、今大会に向けて一部のレイアウトが変更された。金曜日にまとまった量の雨が降り、土曜日朝のコースは路面がぬかるんだ状態。このため土曜日は、すべてのカテゴリーで終日ショートカットコースが使用されたが、強い日差しで一気に路面は乾き、土曜日午後およびフルコースに戻された決勝日はドライコンディションとなった。
最高峰クラスのIA1は、開幕戦以来となる今季2度目の3ヒート制。通常の半分となる15分+1周で競われた。その決勝ヒート1では、ヤマハファクトリーチームから参戦する渡辺祐介選手(#3)が、1周目にトップ浮上。チームメイトの富田俊樹選手(#2)も同3番手の好位置を確保した。レース前半、トップの3台はそれぞれ2秒ほど間隔を開けて走行。ホンダのマシンを駆る小方誠選手(#4)は、2周目に4番手まで浮上したが、その後は上位3台から離されてしまった。レース後半、トップの渡辺選手はややリードを拡大。5周目にライバルのペースが落ちたところで、富田選手が2番手に順位を上げた。そしてレースは9周でチェッカー。渡辺選手が今季初優勝を挙げ、富田選手が2位、小方選手が4位、能塚選手が5位となった。
決勝ヒート2では、渡辺選手がホールショット。これに能塚選手、小方選手、富田選手とダンロップ勢が続いた。3周目、富田選手はミスにより1台の先行を許したが、この選手が翌周に転倒したことから4番手に返り咲くと、3番手の小方選手に肉迫。この周あたりから、トップの渡辺選手が少しずつリードを拡大していった。レース後半、渡辺選手と能塚選手のギャップは5秒ほどになったが、ラスト2周となった8周目に渡辺選手がペースを緩め、これで両者が2秒ほどに接近。しかし能塚選手は最終ラップに転倒して、5番手に後退した。渡辺選手の6秒ほど後方では、小方選手と富田選手がなおも接近戦。しかし最後まで順位は変わらず、渡辺選手が優勝、小方選手が2位、富田選手が3位でゴールしてダンロップ勢が表彰台を独占した。
決勝ヒート3では、富田選手がホールショット。混戦の中でその背後まで順位を上げてきたのは、前戦ヒート1からここまで4ヒート連続で5位とやや振るわずにいた能塚選手だった。2周目には、その能塚選手がトップ浮上。これを富田選手、渡辺選手、小方選手が追った。小方選手が徐々にこの集団から遅れる一方で、三つ巴のトップ争いは3周目以降も続き、その中で富田選手は何度か能塚選手に並びかけたが、逆転のチャンスを得られず。一度は1秒ほど遅れた渡辺選手も、レースが後半に入ったところで再び前の2台に近づき、激しいバトルが続いた。そして、ラスト2周でほんの少しリードを奪った能塚選手が逃げ切ってトップチェッカー。富田選手が2位、渡辺選手が3位でフィニッシュした。小方選手は5位でゴールしている。