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IA-1

能塚智寛選手がヒート2で3位も不本意な大会に

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全7戦で競われる今季の全日本モトクロス選手権は、隔週開催となるシーズン後半の3連戦に突入。その最初の戦いとなる第5戦が、今季開幕戦でも使用された熊本県のHSR九州で開催された。
ホンダの熊本製作所に隣接されたモータースポーツおよび安全運転研修の施設となるHSR九州にあるモトクロスコースは、アップダウンがほとんどない広めの土地にレイアウトされている。今大会では、開幕戦で使用されたコースに、前半を中心に大幅な手直しが加えられ、一部のハイスピードセクションを廃止。大量の山砂を搬入しながらメンテナンスされ、新設区間には完全にサンド質のタイトターンも設けられた。その他の区間も、本来の路面である阿蘇の火山灰に由来する黒土の上に、山砂を撒きながら整備された区間が多くあった。
決勝日の天候は曇りで、路面はドライコンディションでスタート。午前中に雨が降り、一時は強めとなったが、路面状況を大きく崩すほどには至らなかった。

IA1は今季2度目の3ヒート制で、決勝時間は通常の半分となる15分+1周。そのヒート1では、スタートからわずか数十mのところで、優勝候補の一角だったカワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#3)が他車と接触して転倒し、最後尾からのレースを強いられた。さらに、ホンダのマシンを駆る小方誠選手(#5)も、1周目に他車と接触して転倒。これにより今度は小方選手が最後尾となった。
ダンロップ勢でパフォーマンスを発揮したのは安原志選手(#10)で、1周目8番手から2周目にひとつ順位を上げると、6周目にはさらにひとつポジションアップ。最後はライバルに僅差で迫られたが粘り、10周でチェッカーとなったレースで6位となった。能塚選手は8位、転倒の影響でマシントラブルが発生した小方選手は21位に終わった。

決勝ヒート2では、能塚選手がスタートで出遅れて、11番手あたりからのレースに。それでも能塚選手は、1周目に10番手、2周目に8番手、3周目には5番手まで順位を上げた。さらに能塚選手は、前を走る2台に迫り、5周目には次々にこれをパス。3番手までポジションアップした。しかしこの段階で、2番手のライダーは9秒ほど先行していた。
一方、ヒート1で好調な走りを披露した安原選手は、このヒートでも積極的な走りで5周目の段階で7番手。しかも3番手の能塚選手までが比較的近い位置に見えていた。ところが翌周、安原選手は前のライダーに勝負を挑もうとして接触転倒。再スタートに時間を要し、周回遅れとなってしまった。レースはヒート1と同じく10周でチェッカーとなり、最後は単独走行となった能塚選手は3位でフィニッシュ。1周目12番手だった小方選手は、8位でゴールした。

決勝ヒート3では、能塚選手が前の2レースと比べて好スタートを切り、まずは5番手のポジションを確保。オープニングラップでひとつ順位を上げると、2周目にも1台をパスして、3番手に浮上した。ここから、トップと2番手と能塚選手の3台が、それぞれが1~2秒間隔で連なる僅差のトップグループを形成。レースが早くも折り返し地点を迎えた5周目の段階で、この3台が4番手争いの集団を9秒ほど離しており、優勝争いはこの3台にほぼ絞られた。
レース終盤、能塚選手は2番手と約2秒差をキープ。ヒート1やヒート2より1周早く9周目でラストラップを迎えると、猛プッシュにより2番手のライダーに近づいた。ところがここで痛恨の転倒。なんとか再スタートを切ったが、大きく離れていた4番手争いの集団に追いつかれた能塚選手は、ひとつ順位を落として4位でゴールした。小方選手はレース後半に4番手を争う3台に接近したが、逆転には至らず7位。安原選手は10位でフィニッシュしている。

IA-1 ヒート1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 富田 俊樹 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `18.29.120
2位 大城 魁之輔 Honda Dream Racing Bells HONDA `18.31.941
3位 渡辺 祐介 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `18.34.892
6位 安原 志 八尾カワサキ with ANNEX CLUB KAWASAKI `19.01.235 Dunlop ユーザー
8位 能塚 智寛 Team Kawasaki R&D KAWASAKI `19.04.086 Dunlop ユーザー
9位 池本 凌汰 KTMうず潮レーシング福山 KTM `19.07.504 Dunlop ユーザー

IA-1 ヒート2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 富田 俊樹 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `18.40.748
2位 渡辺 祐介 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `18.47.554
3位 能塚 智寛 Team Kawasaki R&D KAWASAKI `18.58.347 Dunlop ユーザー
8位 小方 誠 TEAM HAMMER HONDA `19.10.213 Dunlop ユーザー
13位 平山 力 RC弘前&TSFレーシング KAWASAKI `19.39.960 Dunlop ユーザー
15位 鈴木 龍星 TEAM HAMMER HONDA `19.42.925 Dunlop ユーザー

IA-1 ヒート3Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 富田 俊樹 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `16.58.587
2位 渡辺 祐介 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `16.59.654
3位 内田 篤基 マウンテンライダーズ KAWASAKI `17.18.085
4位 能塚 智寛 Team Kawasaki R&D KAWASAKI `17.20.326 Dunlop ユーザー
7位 小方 誠 TEAM HAMMER HONDA `17.22.876 Dunlop ユーザー
9位 安原 志 八尾カワサキ with ANNEX CLUB KAWASAKI `17.33.076 Dunlop ユーザー


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IA-2

ジェイ・ウィルソン選手が開幕から全勝で早くもチャンピオン決定!

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4スト250ccマシン中心ながら2スト125ccでもエントリーできる、若手中心のIA2クラス。今大会の決勝レースは、30分+1周の2ヒート制となった。
そのヒート1では、鈴村英喜選手(#9)がホールショット。西條悠人選手(#7)が3番手、中島漱也選手(#5)が4番手となり、開幕からここまで全勝を挙げているヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン選手(#16)はやや出遅れたが、それでも1周目に3番手まで浮上した。2周目、ウィルソン選手がトップに浮上。鈴村選手、西條選手、中島選手が必死に追ったが、ウィルソン選手と鈴村選手の距離は広がる一方で、鈴村選手の背後には6台ほどが連なる混戦となった。
5周目に西條選手が鈴村選手をパスすると、鈴村選手はその後に少しずつ後退。西條選手は7周目に1台の先行を許し、その背後には翌周に中島選手を抜いた浅井亮太選手(#21)が迫った。しかし最後まで順位は変わらず、17周のレースはウィルソン選手が制し、西條選手が3位、浅井選手が4位、中島選手が5位となった。

決勝ヒート2では、西條選手がホールショットを決め、鈴村選手とウィルソン選手がこれに続くと、すぐにウィルソン選手がトップに浮上した。2番手の西條選手が粘り、4周目まではギャップを2~3秒以内にとどめたが、5周目になるとラップタイムが2秒ほど落ち、これでウィルソン選手はリードを拡大。西條選手は3番手以下を6秒ほど離しており、一度は単独走行となった。
一方、レース中盤になって白熱したのは4番手争いで、鈴村選手や中島選手、鴨田翔選手(#11)や浅井選手ら5台が縦に連なると、鈴村選手は集団の中で後退。ダンロップ勢では中島選手が強さを発揮した。この集団のうち先頭数台は、逃げていた3番手に追いつき、12周目には逆転。これで中島選手は4番手に浮上したが、その背後には鈴村選手と浅井選手もいた。
レース終盤、この3番手争いはペースダウンした西條選手も飲み込み、2番手争いに発展。この中で浅井選手が順位を上げた。そしてレースは17周でチェッカー。ウィルソン選手が再び独走し、2戦を残して開幕から全勝でシリーズタイトル獲得を決めた。浅井選手は3位、西條選手は5位、中島選手は6位となった。

IA-2 ヒート1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `32.30.240 Dunlop ユーザー
2位 鳥谷部 晃太 bLU cRU TEAM エムFACTORY by NCXX YAMAHA `32.49.141
3位 西條 悠人 ピュアテックレーシング KAWASAKI `32.51.465 Dunlop ユーザー
4位 浅井 亮太 bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YAMAHA `32.53.338 Dunlop ユーザー
5位 中島 漱也 bLU cRU  レーシングチーム鷹 YAMAHA `32.54.594 Dunlop ユーザー
10位 鴨田 翔 BLITZ KAWASAKI `33.23.806 Dunlop ユーザー

IA-2 ヒート2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA `32.40.397 Dunlop ユーザー
2位 柳瀬 大河 Bells Racing HONDA `32.48.987
3位 浅井 亮太 bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YAMAHA `32.51.625 Dunlop ユーザー
5位 西條 悠人 ピュアテックレーシング KAWASAKI `32.55.442 Dunlop ユーザー
6位 中島 漱也 bLU cRU  レーシングチーム鷹 YAMAHA `32.57.044 Dunlop ユーザー
8位 鈴村 英喜 TEAM HAMMER HONDA `32.58.273 Dunlop ユーザー


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レディース

久保まな選手が今季2勝目を挙げ、ランキングトップに浮上

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15分+1周の決勝では、久保まな選手(#3)がホールショットを奪った。畑尾樹璃選手(#27)が2番手で続いたが、すぐにひとつ順位を下げ、4番手には本田七海選手(#2)が浮上。ところが本田選手は転倒を喫した。畑尾選手は2番手に返り咲き、1周目の通過順位は久保選手がトップ、畑尾選手が2番手、出遅れた楠本菜月選手(#5)が10番手、本田選手が11番手となった。2周目、久保選手はリードを6秒ほどに拡大。畑尾選手は後続からジャンプの着地で追突され、大きく順位を落とすことになった。3周目、6番手まで追い上げていた本田選手が、他車と接触して再び転倒。10番手まで後退し、2台の後退で楠本選手が5番手まで順位を上げた。

レース中盤、久保選手は2番手のライダーにじわじわと詰め寄られ、6周目にはテール・トゥ・ノーズ状態に。9周目のラストラップまで、2台の接近戦が続けられた。一方で、楠本選手と本田選手は激しい追い上げを続け、8周目が終わるころには3周前まで6秒以上先行していた3番手のライダーに楠本選手が追いつき、さらに本田選手も続いた。そして最終ラップには、本田選手が2台をパス。久保選手はペースを上げ、最後は約0.5秒差で逃げ切り、久保選手が優勝、本田選手が3位、楠本選手が5位となった。今大会の結果、ポイントランキングでは久保選手が2番手と11点差のトップに浮上。本田選手は久保選手と16点差の同3番手となっている。

レディース ヒート1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 久保 まな TEAM HAMMER HONDA `19.03.624 Dunlop ユーザー
2位 川井 麻央 T.E.SPORT HONDA `19.04.122
3位 本田 七海 bLU cRU TEAM KOH-Z LUTZ with 秀光ビルド YAMAHA `19.27.380 Dunlop ユーザー
5位 楠本 菜月 actionracing with alphathree HUSQVARNA `19.30.683 Dunlop ユーザー
6位 箕浦 未夢 TEAM ITOMO HONDA `19.54.738 Dunlop ユーザー
7位 穂苅 愛香 TOMOレーシング YAMAHA `19.56.553 Dunlop ユーザー