- 天気:晴れ
- 気温:19度
- 観客:2,006(2日間)人
IA-1
ジェイ・ウィルソン選手が最高峰クラスでも日本人選手を圧倒
2023 年の全日本モトクロス選手権は、IA1クラスとIA2クラスが全9戦、それ以外のクラスが全7戦のシリーズとなる。その開幕戦が、昨年までと同じく熊本県のHSR九州で実施された。
ホンダの熊本製作所に隣接された複合モータースポーツ施設の一角にあるHSR九州のモトクロスコースは、広いコース幅とハイスピードかつダイナミックな構成を特徴としてきた。ただし、昨秋の全日本開催に合わせて大掛かりな仕様変更が施され、テクニカルなセクションが増加。今大会もその基本レイアウトを踏襲しながら、細部の仕様が変更された。また、本来の土壌は阿蘇の噴火に由来する黒土だが、今回も山砂を使いながらメンテナンスが施されていた。
天候は土日とも晴天だったが、金曜日の昼ごろにかけ数日間の降雨があり、土曜日はマディコンディションでスタート。ここから比較的早く路面状況が改善され、決勝日は土がやや柔らかいセクションもあるもののベストコンディションとなった。
最高峰のIA1では、ヤマハがマシン開発を目的に新ファクトリーチームを創立。昨年度IA2王者のジェイ・ウィルソン選手(#27)が、監督も兼ねながら町田旺郷選手(#16)と一緒にダンロップタイヤを履いてシーズンを戦う。また、カワサキファクトリーチームから参戦する能塚智寛選手(#2)は、今季もダンロップを使用。プライベーター勢では、ホンダのマシンを駆る小方誠選手(#5)やカワサキに乗る安原志選手(#13)にも期待が集まる。
15分+1周の3ヒート制が導入された今シーズン開幕戦。その決勝ヒート1では、ウィルソン選手がいきなりホールショット。序盤の2周で早くも4~5秒のリードを築くと、その後は余裕の単独走行を続けて、IA1初レースで勝利を飾った。能塚選手は、1周目5番手からのレースとなり、6周目に3番手浮上。そのまま9周目の最終ラップまで走り切り、3位表彰台に登壇した。
決勝ヒート2では、再びウィルソン選手がホールショット。レース序盤から、少しずつ着実にリードを拡大していった。能塚選手は大きく出遅れ、小方選手をパスした2周目の段階でもまだ8番手。それでも、3周目には6番手、5周目には前を走っていたライバルの転倒後退で4番手に順位を上げた。この段階で、トップのウィルソン選手は6秒ほどのアドバンテージがあったが、5周目に1分55秒142というベストラップタイムをマーク。これでリードが約9秒まで拡大した。
翌周、4番手に浮上しながら一矢報いる走りをしたのが能塚選手。ウィルソン選手のベストラップタイムより約1秒も速い、1分54秒132というファステストラップタイムを記録した。これで一気に2番手と3番手のライダーに迫った能塚選手は、最終ラップの9周目に1台を攻略。ウィルソン選手が優勝し、能塚選手は3位となった。
決勝ヒート3では、前のレースでラップタイムの速さを証明した能塚選手がホールショット。ウィルソン選手はスタートこそ6番手だったが、混戦の中で順位を上げてオープニングラップは能塚選手から2秒遅れの2番手。そして2周目、能塚選手とウィルソン選手がバトルをスタートすると、すぐにウィルソン選手が先行した。
3周目以降、トップのウィルソン選手は再びリードを拡大。4周目にペースを上げ、懸命にウィルソン選手を追った能塚選手だったが、5周目に転倒を喫して3番手に後退した。そしてレース後半、トップ3は単独走行に近い状態。ウィルソン選手が危なげない走りでトリプルクラウンを獲得し、能塚選手は3ヒート連続で3位となった。また、最後までヤマハのファクトリーマシンを抑えた安原選手がこのヒート5位と健闘。総合成績では、ウィルソン選手がトップ、能塚選手が2位、レースは7/10/8位だった小方選手が9位となった。
IA-1 ヒート1Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
---|---|---|---|---|---|
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.35.118 | |
2位 | 内田 篤基 | Yogibo マウンテンライダーズ | KAWASAKI | `17.40.332 | |
3位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `17.45.311 | |
7位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `17.58.785 | |
14位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `18.42.467 | |
15位 | 小川 孝平 | bLU cRU Racing TEAM ITOMO | YAMAHA | `18.45.012 |
IA-1 ヒート2Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.28.016 | |
2位 | 渡辺 祐介 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YAMAHA | `17.37.585 | |
3位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `17.38.973 | |
10位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `18.01.245 | |
12位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `18.07.932 | |
13位 | 池本 凌汰 | うず潮レーシング福山 | HONDA | `18.13.570 |
IA-1 ヒート3Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.39.340 | |
2位 | 大城 魁之輔 | Honda Dream Racing Bells | HONDA | `17.47.314 | |
3位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `18.03.722 | |
5位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `18.07.012 | |
8位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `18.17.829 | |
10位 | 町田 旺郷 | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `18.34.678 |