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IA-1

開幕から全勝のジェイ・ウィルソン選手が早くもチャンピオン決定

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2023 年の全日本モトクロス選手権は、全9戦のスケジュール。その終盤戦最初の戦いとなる第7戦が、今季開幕戦の舞台にもなった熊本県のHSR九州で開催された。オンロードサーキットなども有するHSR九州に設けられたモトクロスコースは、広いコース幅とハイスピードかつダイナミックな構成を特徴としてきた。昨秋の全日本開催時に大幅な仕様変更が施され、テクニカルなセクションが増加。今大会もその基本レイアウトを踏襲しながら、ジャンプやリズムセクションなどが変更された。本来の土壌は阿蘇の噴火に由来する黒土だが、近年は山砂を使いながらメンテナンスが施されている。大会当日は朝から強め雨が降り、路面はマディコンディションとなった。今大会は日曜日のみのワンデースケジュールで、IA1とIA2のみ実施。各クラスとも、公式練習を兼ねた20分間のタイムアタック予選、20分+1周の決勝ヒート1とヒート2、そして各クラスの2ヒート総合成績15位以内に入った選手のみが参加できる15分+1周のIAオープン決勝1レースが設定された。
全日本最高峰となるIA1の決勝ヒート1では、前戦までシーズン全勝をマークして、今大会でのチャンピオン決定が確実視されていたヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン選手(#27)が、ホールショットを奪った。カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#2)が、1周目に順位を上げて3番手。予選から好調だったホンダに乗る池谷優太選手(#19)が1周目5番手、カワサキのマシンを駆る安原志選手(#16)が同6番手となった。ウィルソン選手は、レース序盤からリードを拡大。前半の5周だけで後続とのギャップを10秒以上に拡大して、完全な独走状態となった。一方、能塚選手は2番手のライダーを約2秒差でマーク。また安原選手は、3周目に池谷選手をパスすると、その後は後続を引き離していった。レース終盤、能塚選手は2番手にやや離されて単独走行の3番手に。レースは10周でチェッカーとなり、ウィルソン選手が優勝、能塚選手が3位、安原選手が5位となった。池谷選手は7位でゴールしている。
決勝ヒート2では、前戦の事前練習で鎖骨を折るケガを負い、今回が復帰戦となったホンダを駆る小方誠選手(#5)がホールショット。ウィルソン選手はスタート直後に2番手へ浮上すると、この小方選手に迫った。オープニングラップは、小方選手がポジションを死守。しかし2周目に、ウィルソン選手が先行した。翌周、能塚選手は3番手の選手に肉迫して、4周目に逆転。4秒ほど先行していた小方選手を追った。レース中盤、逃げ切りを図るウィルソン選手に対して小方選手が互角のラップタイムを刻み、両者のギャップは2秒前後のまま推移。しかしレース終盤に小方選手が順位キープの走りに切り替えたことで、その間隔は拡大した。また能塚選手は、小方選手に離されて単独走行となった。そしてレースは10周で終了。ウィルソン選手が優勝、小方選手が2位、能塚選手が3位に入賞して、ダンロップ勢が表彰台を独占した。このレースの結果、ウィルソン選手のシリーズタイトル獲得が決まった。


IA-1 ヒート1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM YAMAHA `22.41.436 Dunlop ユーザー
2位 大城 魁之輔 Honda Dream Racing Bells HONDA `22.50.962
3位 能塚 智寛 Team Kawasaki R&D KAWASAKI `23.00.170 Dunlop ユーザー
5位 安原 志 八尾カワサキ with ANNEX CLUB KAWASAKI `23.12.306 Dunlop ユーザー
7位 池谷 優太 TEAM HAMMER HONDA `23.24.971 Dunlop ユーザー
9位 小方 誠 TEAM HAMMER HONDA `23.33.820 Dunlop ユーザー

IA-1 ヒート2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM YAMAHA `22.31.644 Dunlop ユーザー
2位 小方 誠 TEAM HAMMER HONDA `22.42.542 Dunlop ユーザー
3位 能塚 智寛 Team Kawasaki R&D KAWASAKI `22.57.609 Dunlop ユーザー
6位 池谷 優太 TEAM HAMMER HONDA `23.26.606 Dunlop ユーザー
7位 安原 志 八尾カワサキ with ANNEX CLUB KAWASAKI `23.35.286 Dunlop ユーザー
14位 小林 大治朗 レーシングチーム鷹 YAMAHA `24.44.920 Dunlop ユーザー


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IA-2

中島漱也選手がヒート1で開幕戦以来2度目の優勝!

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決勝ヒート1では、鴨田翔選手(#9)がホールショット。これに中島漱也選手(#4)が続いた。混戦の中で中島選手は一時的に順位を落とし、鈴村英喜選手(#7)らが先行。しかし中島選手がすぐに抜き返し、1周目は鴨田選手、中島選手、鈴村選手のオーダーとなった。ポイントリーダーのビクトル・アロンソ選手(#58)は出遅れ、1周目13番手からのレース。2周目、中島選手が鴨田選手をパスして先頭に立つと、レース前半の上位勢は5番手までが縦に長く続いた。後半に入ると、トップの中島選手は2番手の鴨田選手をじわじわと引き離して走行。鈴村選手は、7周目にひとつ順位を落とした。そしてレースは10周でチェッカー。中島選手がIAクラス昇格後の自身2勝目を挙げ、鴨田選手が2位、鈴村選手が4位となった。アロンソ選手は6位まで追い上げてゴールしている。
決勝ヒート2では、ホールショットのライダーがコースアウトし、田中淳也選手(#17)が先頭に。オープニングラップは、そのまま田中選手が制した。3周目、田中選手は2番手に後退。中島選手までの上位4台が、鈴村選手を先頭に浅井選手や鴨田選手が続いたセカンドグループを、やや引き離した状態だった。4周目、中島選手が1台をパスして3番手に浮上。翌周には中島選手が田中選手との距離を詰め、6周目に逆転した。この段階で、中島選手はトップから10秒ほどのビハインド。その後は少し近づいたが、レースは10周で終了となり、中島選手は2位となった。やや離されながらも中島選手を追い続けた田中選手が3位。そして4位には7周目に順位を上げた浅井選手、5位にはその翌周に同じくポジションをアップした鴨田選手が入賞した。アロンソ選手は出遅れや転倒で11位に終わった。


IA-2 ヒート1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 中島 漱也 bLU cRU  レーシングチーム鷹 YAMAHA `23.20.492 Dunlop ユーザー
2位 鴨田 翔 Kawasaki PLAZA 東大阪 KAWASAKI `23.28.739 Dunlop ユーザー
3位 池田 凌 Yogibo マウンテンライダーズ KAWASAKI `23.36.368
4位 鈴村 英喜 TEAM HAMMER HONDA `23.42.499 Dunlop ユーザー
6位 ビクトル・アロンソ Auto Brothers YAMAHA `23.58.890 Dunlop ユーザー
10位 浅井 亮太 bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YAMAHA `24.18.432 Dunlop ユーザー

IA-2 ヒート2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 池田 凌 Yogibo マウンテンライダーズ KAWASAKI `23.41.646
2位 中島 漱也 bLU cRU  レーシングチーム鷹 YAMAHA `23.50.937 Dunlop ユーザー
3位 田中 淳也 YSP浜松BOSS RACING YAMAHA `23.57.398 Dunlop ユーザー
4位 浅井 亮太 bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YAMAHA `24.08.327 Dunlop ユーザー
5位 鴨田 翔 Kawasaki PLAZA 東大阪 KAWASAKI `24.12.076 Dunlop ユーザー
7位 鈴村 英喜 TEAM HAMMER HONDA `24.18.650 Dunlop ユーザー


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IAオープン

IA1クラスのダンロップ勢が混走レースで表彰台独占

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IA1クラスとIA2クラスの混走により15分+1周で競われたIAオープン決勝は、IA1クラスの決勝ヒート2に続いて小方誠選手(#5)のホールショットで幕を開けた。これにジェイ・ウィルソン選手(#27)が続くと、このレースでは1周目で早くも先頭に。再逆転を狙った小方選手は、ジャンプが連続する区間でミスし、これで能塚選手らが先行した。能塚選手は、1周目のフィニッシュジャンプで2番手のライダーに並んだが、その先のタイトターン進入でエンジンをストールさせてしまい、この間に小方選手が再び3番手となった。
ウィルソン選手は、レース序盤こそ2番手のライダーを大きく離せずにいたが、4周目からスパートして、リードを拡大していった。能塚選手は3周目に小方選手をパスすると、6周目にはウィルソン選手よりも速いベストラップタイムをマークして2番手に接近。これが相手のミスを誘って転倒したことから、能塚選手は難なく2番手の座を手に入れた。また、これにより小方選手も3番手に順位を上げた。そしてレースは8周で終了。ウィルソン選手が優勝、能塚選手が2位、小方選手が3位となった。さらにダンロップ勢では、浅井亮太選手(#2)が5位、中島漱也選手(#4)が6位でフィニッシュ。マシンパワーで劣るIA2ライダーたちが大健闘した。


IA-OPENResult

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 ジェイ・ウィルソン YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM YAMAHA `17.47.830 Dunlop ユーザー
2位 能塚 智寛 Team Kawasaki R&D KAWASAKI `17.54.319 Dunlop ユーザー
3位 小方 誠 TEAM HAMMER HONDA `18.14.560 Dunlop ユーザー
5位 浅井 亮太 bLU cRU フライングドルフィン サイセイ YAMAHA `18.27.820 Dunlop ユーザー
6位 中島 漱也 bLU cRU  レーシングチーム鷹 YAMAHA `18.35.299 Dunlop ユーザー
8位 池谷 優太 TEAM HAMMER HONDA `18.50.764 Dunlop ユーザー