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IA-1
ジェイ・ウィルソン選手が3ヒートを制覇し、横山遥希選手が惜敗
2024年の全日本モトクロス選手権は、IA1クラスとIA2クラスが全8戦、それ以外のクラスが全7戦のシリーズとなる。近年、開幕戦は熊本県のHSR九州で実施されるのが恒例だったが、今年は埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジが舞台となった。
荒川と入間川に挟まれた河川敷に設けられたコースは、バリエーション豊富なジャンプとタイトターンを中心に構成された、スーパークロス的な要素が強めのレイアウト。昨秋の全日本開催時とは仕様が大きく異なり、数年前に増設されたエリアが廃止され、よりコンパクトになった。
今大会、全日本格式で実施されるクラスのうちIA1とIA2とレディースは、いずれも日曜日に予選と決勝をすべて実施するワンデー開催スケジュール。日曜日の天候は晴れで、金曜日昼ごろまで降った雨の影響もなく、ドライコンディションでのレースとなった。
ダンロップタイヤは昨年、最高峰クラスのIA1で6年ぶりのシリーズタイトルを獲得。今季は、さらに体制を強化して連覇に臨む。まず、ディフェンディングチャンピオンとなるジェイ・ウィルソン選手(#1)は、今季もヤマハファクトリーチームから参戦。体制変更により渡辺祐介選手(#12)がウィルソン選手と完全に同じチームに所属することになり、こちらもダンロップタイヤを履く。また、昨年度IA2王者のビクトル・アロンソ選手(#33)が、マシンをガスガスに乗り替えつつステップアップ。2019~2020年にダンロップタイヤを履いてIA2クラスを連覇し、その後はオーストラリアでレース活動をしていた横山遥希選手(#41)が、マシンをホンダにスイッチしてIA1に初挑戦する。さらに、カワサキファクトリーチームから今季も能塚智寛選手(#7)がフル参戦。ダンロップ勢による上位独占に期待が集まる。
15分+1周の3ヒート制が導入された今シーズン開幕戦。その決勝ヒート1では、ウィルソン選手がホールショット。渡辺選手が続いたが、2周目に入ったところで転倒して大きく順位を下げ、これで能塚選手が2番手、横山選手が4番手となった。ウィルソン選手はレース序盤からリードを拡大。そのまま独走態勢を築いた。一方、能塚選手の背後には、レース中盤になって横山選手とアロンソ選手を含む4台のマシンが連なり、7周目以降は5台による接戦の2番手争いに。この中で能塚選手は順位を下げ、横山選手はラスト2周となった10周目には一時的に集団の先頭に立ち、アロンソ選手は後退した能塚選手を抜いた。そしてレースは、ウィルソン選手が優勝。横山選手が3位、アロンソ選手が4位、能塚選手が5位となった。
決勝ヒート2では、再びウィルソン選手がホールショット。渡辺選手と横山選手がこれに続いた。ところが2コーナーで横山選手が転倒。さらにコース中盤のジャンプで渡辺選手がクラッシュし、リタイアとなった。2番手には能塚選手が浮上。アロンソ選手は5番手で1周目をクリアすると、翌周にはひとつ順位を上げた。この段階で、上位4台はそれぞれ3~4秒の間隔があったが、アロンソ選手は徐々に前との距離を詰め、5周目に3番手浮上。この周、横山選手も5番手まで回復したが、すでに上位4台とは大きな差があった。6周目に能塚選手、翌周にはアロンソ選手が転倒で後退。これでアロンソ選手が3番手、横山選手が4番手、能塚選手が5番手となった。そして11周のレースは、ウィルソン選手が優勝。アロンソ選手が3位、横山選手が4位、能塚選手が5位となった。
決勝ヒート3では、横山選手がホールショット。これに続いたウィルソン選手が、1周目の途中で横山選手に並んだが、横山選手が抑えた。3番手にはアロンソ選手が浮上し、能塚選手は5番手。2周目以降、横山選手はウィルソン選手から1~2秒のリードを奪ってトップを快走したが、4周目には再び接近戦となった。アロンソ選手はこの2台についていけず、3~4周目に2ポジションダウン。能塚選手が4番手となった。6周目、再び横山選手の背後に迫ったウィルソン選手が逆転。しかしマークを続けた横山選手が、バックマーカーが多く発生した9周目にウィルソン選手の隙をついた。ここはすぐにウィルソン選手がトップ再浮上。11周目まで逃げ切ったウィルソン選手が勝利し、横山選手が2位、ラスト2周で能塚選手らを抜いたアロンソ選手が3位、能塚選手が4位となり、ダンロップ勢がトップ4を占めた。
IA-1 ヒート1Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.27.470 | |
2位 | 大倉 由揮 | Honda Dream Racing Bells | HONDA | `17.32.890 | |
3位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `17.33.853 | |
4位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `17.34.268 | |
5位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `17.37.994 | |
7位 | 渡辺 祐介 | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.41.458 |
IA-1 ヒート2Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.08.121 | |
2位 | 大倉 由揮 | Honda Dream Racing Bells | HONDA | `17.14.784 | |
3位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `17.19.172 | |
4位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `17.20.774 | |
5位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `17.43.996 | |
6位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `17.44.379 |
IA-1 ヒート3Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.05.253 | |
2位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `17.07.089 | |
3位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `17.17.524 | |
4位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `17.18.247 | |
10位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `17.48.211 | |
11位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `18.02.381 |