- 天気:曇りのち雨
- 気温:17度
- 観客:2,500人
IA-1
ヒート1とヒート2でダンロップ勢が表彰台を独占!
2024年の全日本モトクロス選手権シリーズ第4戦は、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。今季は開幕から3戦連続でワンデースケジュール(第2・3戦は土日ダブルヘッダー)となっていたが、今大会は土曜日に予選と一部決勝、日曜日に各クラスの決勝のみを実施する通常どおりのスケジュールとなった。
SUGOインターナショナルモトクロスコースは、巨大な複合モータースポーツ施設の一角にあり、ふたつの丘にまたがるようにレイアウトされている。自然の地形を生かしたアップダウンが豊富なコースで、路面は粘土質。これまでも頻繁に細かいコースレイアウト変更が加えられてきた。
土曜日は、一時的に雨が降ったものの本格的な天候悪化は免れ、路面は朝のスリッピーな状況からむしろ回復傾向にあったが、夜になって再び強めの雨が降り、日曜日は朝からあいにくの雨模様。これにより各クラスの決勝はマディコンディションで競われることになった。
全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、15分+1周の3ヒート制で実施された。そのヒート1では、ホンダに乗る横山遥希選手(#41)と小方誠選手(#9)が好スタート。さらにカワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#7)とヤマハファクトリーチームから参戦する昨年度王者のジェイ・ウィルソン選手(#1)が続き、ダンロップ勢が上位を独占した。
ウィルソン選手は1周目中盤で早くもトップに立ち、ガスガスを駆るビクトル・アロンソ選手(#33)が能塚選手を抜いて4番手浮上。3周目には、アロンソ選手が小方選手と横山選手をパスして2番手に順位を上げた。4周目には、横山選手と小方選手が3番手争い。ここは横山選手が順位を守り、2秒ほどリードした。
6周目、アロンソ選手がペースを上げ、トップを走るウィルソン選手に約3秒差まで迫ったが、これを受けてウィルソン選手も翌周にペースアップ。3番手以下はこの2台から完全に遅れた。そしてレースは9周でチェッカー。ウィルソン選手が優勝、アロンソ選手が2位、横山選手が3位、小方選手が4位、能塚選手が5位となり、ダンロップ勢がトップ5を独占した。
決勝ヒート2も雨は小康状態で、ベストに近い路面コンディション。ウィルソン選手がオープニングラップでトップに立ち、これをカワサキのマシンを駆る安原志選手(#8)が追った。さらにアロンソ選手、小方選手、横山選手がこれに続き、再び1周目にダンロップ勢が上位独占。2周目、アロンソ選手が安原選手を抜いて2番手に順位を上げた。
ウィルソン選手がリードを約4秒に拡大する一方で、アロンソ選手から横山選手までの4台は約1秒間隔の混戦だったが、この中で小方選手が転倒して11番手まで後退。3周目、アロンソ選手は後続を引き離しながら、4~5秒先行するウィルソン選手を追った。一方、3番手争いでは横山選手が安原選手に肉迫。5周目に横山選手がミスして、一度は両者のギャップが約3秒に拡大したが、翌周には再び接近戦となった。
そしてラスト3周となった7周目に、横山選手が逆転に成功。この段階で、依然としてウィルソン選手を4~5秒差で追うアロンソ選手は、横山選手を15秒以上先行していた。そしてレースはウィルソンが勝利し、アロンソ選手が2位、横山選手が3位。再びダンロップ勢が表彰台を独占した。なお安原選手は、ラスト2周で順位を下げて6位となった。
決勝ヒート3は、この前に実施されたIA2ヒート2のスタート直前から降り出した雨の影響により、一転してマディコンディションでのレースとなった。ホールショットを奪ったのはウィルソン選手。オープニングラップでは安原選手が2番手のライダーに迫るもパッシングできず、代わりに順位を上げたアロンソ選手が2番手に浮上した。しかしアロンソ選手はコースアウトを喫して3番手後退。1周目はウィルソン選手がトップ、アロンソ選手が3番手、安原選手が4番手、横山選手が6番手、小方選手が7番手、能塚選手が9番手となった。
2周目、アロンソ選手が再び2番手に浮上。横山選手はミスにより10番手に順位を下げた。3周目、トップのウィルソン選手を約4秒差で追っていたアロンソ選手が転倒し、4番手に後退。これによりウィルソン選手のリードは約13秒に拡大した。約5秒差で3番手を追うアロンソ選手の背後には、安原選手と小方選手と能塚選手。しかし5周目にアロンソ選手がペースを取り戻すと、後続を引き離しつつ前との距離を詰め、6周目に再び3番手となった。
大量リードのウィルソン選手は、堅実な走りで周回を重ね、7周終了時点でトップチェッカー。3ヒート制覇を達成した。アロンソ選手が3位、能塚選手が5位、小方選手が6位、安原選手が7位でフィニッシュ。ランキング2番手の横山選手はミスを重ね、不本意な10位でこのレースを終えた。
IA-1 ヒート1Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `19.01.975 | |
2位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `19.03.001 | |
3位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `19.37.259 | |
4位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `19.41.695 | |
5位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `19.45.680 | |
11位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `20.21.890 |
IA-1 ヒート2Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `18.37.947 | |
2位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `18.41.690 | |
3位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `19.05.125 | |
6位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `19.14.511 | |
9位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `19.34.411 | |
10位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `19.38.120 |
IA-1 ヒート3Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `18.49.590 | |
2位 | 大塚 豪太 | T.E.SPORT | HONDA | `18.58.691 | |
3位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `19.07.170 | |
5位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `19.36.971 | |
6位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | `19.48.163 | |
7位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `19.56.082 |