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IA-1
スポット参戦した下田丈選手が、圧倒的な速さでファンを魅了!
今季は全8戦で競われる全日本モトクロス選手権シリーズは、早くもシーズン終盤戦。第7戦がTOKIO INKARAMI Super Motocrossとして埼玉県のオフロードヴィレッジで開催された。
今大会には、本場アメリカでトップライダーとして活躍中の下田丈選手(#030)が、2年ぶりにスポット参戦。下田選手は、これまで戦ってきた250ccクラスではなく、2年前と同じく450ccマシンを駆り、最高峰のIA1クラスにホンダファクトリーチームから出場した。もちろんタイヤは、米国でのレースと同じくダンロップを使用する。
河川敷の平坦な土地に設けられたコースは、下田選手の参戦に合わせてフルリニューアルされ、スーパークロステイストに。角度が急なビッグジャンプ、難易度が高い連続ジャンプやリズムセクション、ヘアピンカーブを中心としたコーナーで構成された。
今大会のIA1クラス、IA2クラス、レディースクラスは、いずれも日曜日に予選と決勝を実施。乾くとハードパックになる路面だが、日曜日の早朝に降雨があったことなどから、水分が含まれたベストコンディションとなった。ただし最終レースとなったIA2ヒート3のみ、激しい雨でスリッピーな路面状況になった。
全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は15分+1周の3ヒート制で実施され、そのヒート1ではホンダに乗る横山遥希選手(#41)がホールショット。しかしすぐに下田選手がトップに立った。序盤、横山選手は下田選手に喰らいつき、ヤマハファクトリーチームから参戦するジェイ・ウィルソン選手(#1)を3秒ほど離しながら僅差で追ったが、4周目から下田選手がじわじわとリードを拡大。7周目には、下田選手と横山選手とウィルソン選手が、それぞれ3秒間隔となった。
8周目、横山選手はややタイムを落とし、9周目にはウィルソン選手がペースアップ。これで下田選手のリードが拡大し、横山選手とウィルソン選手が接近戦になった。そして10周目にウィルソン選手が横山選手をパス。抜かれた横山選手は僅差でウィルソン選手を追ったが、ラストラップとなった13周目に転倒して遅れ、下田選手、ウィルソン選手、横山選手、ガスガスに乗るビクトル・アロンソ選手(#33)の順でチェッカーを受けた。
しかしレース後、下田選手と横山選手にレッドクロス振動でのジャンプによるペナルティが課されて1順位降格。これによりウィルソン選手が優勝、下田選手が2位、アロンソ選手が3位、横山選手が4位、カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#7)が5位となり、ダンロップ勢がトップ5を占めた。
決勝ヒート2では再び横山選手がホールショットを奪ったが、数台をパスして下田選手がすぐさまトップに浮上。1周目だけで2秒ほどのリードを奪った。オープニングラップは下田選手、横山選手、ウィルソン選手の順で、ヒート1とまったく同じ展開。2周目、ウィルソン選手は後続の接近を許したが、翌周には2秒ほどペースアップして、2番手の横山選手に迫った。
4周目、ウィルソン選手が横山選手を抜いて2番手。この段階で、トップの下田選手は5秒ほど先行していた。レース中盤、横山選手はウィルソン選手に離され、じわじわとギャップが拡大。しかし7周目からウィルソン選手のペースが落ち、逆に横山選手がタイムアップしたことで、8周目には接近戦となった。そして9周目に入るところで横山選手が先行。すると今度は、抜かれたウィルソン選手が横山選手を僅差でマークした。
11周目、横山選手が転倒を喫して3番手に後退。レースは13周で終了となり、下田選手が優勝、ウィルソン選手が2位、横山選手が3位となった。これにより、ウィルソン選手&ダンロップのIA1クラス2年連続チャンピオンが決定した。
決勝ヒート3では、ウィルソン選手がホールショット。しかしまたしても、下田選手がオープニングラップでトップに浮上した。横山選手が3番手につけ、このレースもトップ3は同じメンバーに。2周目、下田選手は2秒ほどリードし、ウィルソン選手と横山選手が僅差の2番手争いを繰り広げ、3周目には横山選手が先行した。
すると4周目、今度はウィルソン選手が横山選手を再逆転。この間にも、トップを快走する下田選手はリードを拡大していった。同じ周、アロンソ選手は4番手に浮上。6周目の段階では、ウィルソン選手と横山選手とアロンソ選手が、それぞれ2秒ほどの間隔となった。
しかしアロンソ選手は、翌周からややペースダウン。さらに、横山選手も9周目からタイムを落とし、これで上位勢は単独走行になっていった。そして13周のレースで、再び下田選手がトップチェッカー。2位にウィルソン選手、3位に横山選手、4位にアロンソ選手が入賞した。これによりダンロップは、今大会IA1クラスの全レースで表彰台を独占した。
IA-1 ヒート1Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.22.954 | |
2位 | 下田 丈 | Team Honda HRC | HONDA | `17.16.641 | |
3位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `17.43.651 | |
4位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `17.43.148 | |
5位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `17.52.047 | |
10位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `18.39.342 |
IA-1 ヒート2Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 下田 丈 | Team Honda HRC | HONDA | `17.11.749 | |
2位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.20.945 | |
3位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `17.21.906 | |
5位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `17.31.572 | |
6位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `17.40.044 | |
10位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | `18.08.505 |
IA-1 ヒート3Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 下田 丈 | Team Honda HRC | HONDA | `17.30.211 | |
2位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `17.37.333 | |
3位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | `17.41.976 | |
4位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | `17.42.472 | |
6位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | `18.06.996 | |
8位 | 渡辺 祐介 | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | `18.20.970 |
IA-1Point
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | ポイント | |
1位 | ジェイ・ウィルソン | YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM | YAMAHA | 371 | |
2位 | 横山 遥希 | Honda Dream Racing LG | HONDA | 280 | |
3位 | ビクトル・アロンソ | Auto Brothers GASGAS JAPAN | GASGAS | 231 | |
5位 | 能塚 智寛 | Team Kawasaki R&D | KAWASAKI | 170 | |
8位 | 安原 志 | 八尾カワサキ with ANNEX CLUB | KAWASAKI | 134 | |
9位 | 小方 誠 | TEAM HAMMER | HONDA | 112 |