全7戦で競われる、2025年の全日本モトクロス選手権。その第2戦は、2週間前に開幕戦が実施された九州地方から、一気に東北地方へ場所を移し、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。開幕戦はワンデースケジュールだったが、今大会は土曜日に予選と一部決勝、日曜日に各クラスの決勝のみを実施する通常スケジュールが導入された。
SUGOインターナショナルモトクロスコースは、ヤマハ発動機資本の巨大な複合モータースポーツ施設内にあり、ふたつの丘にまたがるようにレイアウト。自然の地形を生かした、アップダウンが豊富なコースとなっている。これまでも頻繁に細かいコースレイアウト変更が加えられてきた。
天候は、土曜日が晴れ時々曇りで、日曜日は晴れ。4月の東北地方とあって朝晩は冷え込んだが、陽射しに恵まれたことで日曜日は25℃まで気温が上がった。路面はドライコンディションながら、全日本開催時のSUGOとしてはかなりハードパック。その上に散水が施された区間はとくに滑りやすく、難易度が高いコンディションだった。
IA1クラスの決勝は、30分+1周の2ヒート制で実施。そのヒート1でホールショットを奪ったのは、ホンダサポートの横山遥希選手(#2)だった。横山選手は1周目に他車の先行を許したが、2周目にトップへ再浮上すると、4周目からじわじわとリードを拡大した。
7周目、この横山選手に次ぐ2番手に順位を上げたのは、スタートでやや出遅れていたヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン選手(#1)。この段階で横山選手は約4.3秒リードしていたが、1周につきコンマ数秒ずつ、ウィルソン選手が近づいていった。
この2台から大きく遅れた3番手のライダーには、レース後半になってホンダの大倉由揮選手(#4)とヤマハセカンドチームの大城魁之輔選手(#8)が接近。13周目には大倉選手、翌周には大城選手が、ライバルのパッシングに成功した。
横山選手とウィルソン選手は、13周目から接近戦。翌周、ヘアピンカーブで両者が並び、すぐ先の右ターンに切り返すところで接触し、横山選手のみ転倒した。これでウィルソン選手がトップとなり、横山選手は2番手で復帰。レースは16周でチェッカーとなり、逃げ切ったウィルソン選手が優勝、横山選手が2位となった。大倉選手と大城選手は最後まで接近戦を続け、これを制した大倉選手が3位、大城選手が4位となった。
決勝ヒート2では、カワサキを駆る神田橋瞭選手(#11)がホールショットを決め、オープニングラップに横山選手と激しいトップ争い。これを制して横山選手がトップに立ち、神田橋選手、カワサキに乗るIA1ルーキーの西條悠人選手(#37)、大倉選手、大城選手、ウィルソン選手が続いて1周目をクリアした。
2周目、神田橋選手は順位を下げ、ウィルソン選手は一気に2番手まで浮上。大倉選手もこれに続いた。3周目には、大城選手も西條選手をパス。これで5番手に後退した西條選手の後ろには、カワサキファクトリーチームの能塚智寛選手(#5)が上がってきた。
4周目、横山選手に近づいたウィルソン選手は、難なくトップに浮上。これで上位勢はウィルソン選手、横山選手、大倉選手、大城選手、西條選手、能塚選手のオーダーとなった。レース中盤、まずはトップのウィルソン選手、2番手の横山選手、3番手の大倉選手が、前後に5~6秒の間隔がある単独走行に。6周目には能塚選手が西條選手を抜き、その後もこの2台は接近戦を続けたが、能塚選手がやや遅れたことで、4番手の大城選手も単独走行に近くなった。
レース終盤、横山選手はウィルソン選手にやや近づいたが、ウィルソン選手がレースを完全にコントロール。16周のレースを再びウィルソン選手が制し、横山選手が2位、大倉選手が3位、大城選手が4位となった。終盤に西條選手を振り切った能塚選手が5位。西條選手が6位に入った。