全9戦で競われる2026年の全日本モトクロス選手権シリーズは、前戦から再び約1ヵ月間のインターバルを挟み、かつての関東大会に相当する第3戦21Groupカップを迎えた。今大会は変則的なスケジュールが導入され、全日本格式クラスのうちIBオープンクラス以外は、5月24日(日)に予選と決勝をすべて実施。前日の土曜日は、フリープラクティスのみ設定された。決勝は、IA1クラスとIA2クラスが15分+1周の3ヒート制。レディースクラスは15分+1周の1レースが実施された。
その舞台となったのは、荒川と入間川に挟まれた河川敷に設けられたオフロードヴィレッジ。フラットな土地に設けられたコンパクトなコースは、タイトターンとジャンプとリズムセクションを中心に構成された、スーパークロスを思わせるレイアウトを特徴とする。土曜日夜間に雨が降ったが、マディコンディションまでにはならず、日曜日の朝は土が湿った柔らかい状態。日中は曇りで、予想以上に路面の回復は早く、随所に深いワダチが刻まれる一方でハードパック化する難しいコンディションとなった。
全日本最高峰のIA1クラスは、タイムアタック方式の予選を経て、決勝は15分+1周の3ヒートを実施。そのヒート1では、カワサキファクトリーチームの内田篤基選手(#97)がホールショットを奪った。レース序盤、一度は数秒リードした内田選手に、ホンダトップチームの大倉由揮選手(#1)とヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン選手(#2)が接近し、三つ巴のトップ争いがスタート。さらに、この3台をヤマハファクトリーチームの大城魁之輔選手(#3)も数秒差で追った。
7周目、大倉選手はトップの内田選手に並んだが、ジャンプの飛び出し付近でエンスト。転倒は免れたが、これにより8秒ほどロスした。代わってウィルソン選手と大城選手が内田選手に迫り、翌周には両者が先行。抜かれた内田選手は2台にやや離され、最後はウィルソン選手と大城選手の優勝争いになった。そしてラスト2周となった12周目に、大城選手が逆転。これにより大城選手が優勝、ウィルソン選手が2位、内田選手が3位となり、大倉選手は4位でチェッカーを受けた。
決勝ヒート2は、再び内田選手が好スタート。タイ王国のトップライダーで今季は全日本にフル参戦するホンダのジラッジ・ワナラック選手(#23)が続いた。2周目、このワナラック選手をパスしてウィルソン選手が2番手浮上。翌周にはウィルソン選手がトップの内田選手に迫り、大倉選手はワナラック選手をパスして3番手に順位を上げた。4周目、ウィルソン選手が内田選手を抜いて先頭に。同じ周に内田選手は転倒し、16番手まで大きく順位を落とした。
トップに立ったウィルソン選手はハイペースで周回し、これにより2番手を走る大倉選手とのギャップが徐々に拡大。レースが後半に入った7周目には、ウィルソン選手が約7秒のリードを奪った。レース終盤、トップ2の間隔はやや縮まったが、接近戦に発展するよりも前に13周でレースが終了。これによりウィルソン選手が勝利を収め、大倉選手が2位でゴールした。1周目10番手と出遅れた大城選手が、追い上げを続けて3位。ワナラック選手は8位でゴールした。
決勝ヒート3は、大城選手がホールショット。これを内田選手と大倉選手、今季からIA1にステップアップしてホンダのマシンを駆る池田凌選手(#47)が追った。1周目、内田選手は4番手に後退し、池田選手が大倉選手をパス。さらに池田選手は、コーナーで大城選手に仕掛けたが、ここで両者がアウトにはらんだ間に大倉選手がトップに立った。2周目に入ったところで、3番手を走行していた大城選手は転倒。翌周にも転倒を喫した大城選手は、20番手まで順位を下げた。
ウィルソン選手は、1周目を10番手でクリア。最強のライバルが出遅れている間に、トップの大倉選手は着実にリードを積み重ねていった。レースが後半に入った7周目、追い上げを続けたウィルソン選手は、内田選手をパスして2番手。この段階で、トップの大倉選手とは約7秒差がついていた。終盤にそのギャップは縮まったが、両者が接近する前にレースは終了。大倉選手が今季3勝目を挙げ、ウィルソン選手が2位、内田選手が3位を獲得した。今大会も、ダンロップ勢がすべてのレースで表彰台を独占している。