2026年の全日本モトクロス選手権シリーズは残すところ2戦となり、関東大会に相当する第8戦TOKIO INKARAMI Super Motocrossが、今季第3戦の舞台にもなった埼玉県川越市のオフロードヴィレッジで開催された。今大会には変則的なスケジュールとレース時間が導入され、全日本格式のうちIBオープン以外は10月11日(日)に予選と決勝をすべて実施。前日の土曜日はフリープラクティスのみ設定された。また、予選はタイムアタック方式、決勝はIA1クラスとIA2クラスが10周の3ヒート制、レディースクラスは10分+1周の1レースが実施された。
荒川と入間川に挟まれた河川敷にあるオフロードヴィレッジは、コンパクトだがアクセス性に優れたモトクロスコースとして知られる。今大会のIA1クラスには、米国で大活躍を続ける下田丈選手(#30)がスポット参戦。そのためコースには、基本レイアウトを踏襲しながら大幅にリセッティングが施され、難易度が高いジャンプやリズムセクションを多く配した、よりスーパークロステイストのレイアウトに刷新された。土日とも秋晴れに恵まれたが、ホコリの発生を抑えるためカタい路面に大量の散水が施されたことで、かなりスリッピーな状況だった。
全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は、10周の3ヒート制で実施。ランキング争いは、ホンダトップチームの大倉由揮選手(#1)が、ヤマハファクトリーチームのジェイ・ウィルソン選手(#2)を5点リードして今大会を迎えた。ヒート1では、下田選手が10番手あたりと出遅れ、今季はカワサキにマシンを戻してオーストラリアを主戦場としてきた横山遥希選手(#386)がホールショット。下田選手は1周目を6番手でクリアした。2周目にはウィルソン選手が2番手、下田選手が4番手。翌周にも下田選手は順位を上げ、横山選手とウィルソン選手と下田選手がトップグループとなった。
一方、先頭集団から4秒ほど後方では、ホンダに乗る池田凌選手(#47)とヤマハファクトリーチームの大城魁之輔選手(#3)と大倉選手がセカンドグループを形成した。トップ集団は6周目に三つ巴の接近戦を繰り広げ、7周目に入ったところで下田選手が先頭に。そして猛追する2台を振り切った下田選手が勝利し、ウィルソン選手が2位、横山選手が3位となった。後続の争いでは、6周目に池田選手を抜いた大倉選手を、9周目に大城選手がパスし、大倉選手は最終ラップに転倒。これで大城選手が4位、9周目に池田選手を抜いたカワサキファクトリーチームの内田篤基選手(#97)が5位、池田選手が6位、大倉選手が7位となった。
決勝ヒート2は、散水の影響が大きく残る非常にスリッピーな路面状況に。レースは、下田選手のホールショットで幕を開けた。これに内田選手や池田選手、大倉選手らが続くと、まずは大倉選手が池田選手をパス。池田選手の背後には、横山選手やタイ出身でホンダから全日本にフル参戦するジラッジ・ワナラック選手(#23)、ウィルソン選手らが続いた。2周目、池田選手は7番手まで後退。下田選手は早くも約3秒のリードを奪うと、5周目の段階で7秒ほど先行した。それでも下田選手は、ハイペースを維持して周回。そのまま独走してトップチェッカーを受けた。
一方の2番手争いは、内田選手を先頭に大倉選手とウィルソン選手と横山選手が続く状況。ここから遅れながら6番手を走行していたワナラック選手は、7周目にクラッシュしてリタイアに終わった。7周目以降、集団の中で大倉選手とウィルソン選手が激しいバトルを開始し、8周目に両者が次々に内田選手を抜いてからも、これが継続。9周目にウィルソン選手が先行し、最終ラップで両者が接触して大倉選手が転倒し、ウィルソン選手が2位、ペースが落ちた内田選手を9周目にパスした横山選手が3位、内田選手が4位、大倉選手が5位となった。
決勝ヒート3では、横山選手と池田選手がホールショット争いを繰り広げたが、すぐに内田選手と大倉選手が先行。ところが大倉選手は、1周目中盤のジャンプで転倒し、15番手からの追い上げを強いられた。下田選手はスタート直後に4番手あたりにつけると、最初は様子をうかがっていたが、するするとポジションを上げて1周目を内田選手に次ぐ2番手でクリアした。2周目、下田選手は早くもトップに浮上。同じ周、横山選手とウィルソン選手も内田選手の攻略に成功し、またしても下田選手と横山選手とウィルソン選手のトップ3となった。
レース序盤こそ、横山選手が下田選手を2秒圏内で追撃していたが、4周目あたりから下田選手がペースを上げると、ギャップは4秒ほどに拡大。一方、ウィルソン選手は横山選手を2秒圏内の差でマークし続け、レースが終盤にはコンマ数秒単位で距離を詰めた。そして最終ラップの10周目には、横山選手とウィルソン選手が接近戦となり、ウィルソン選手が逆転に成功。下田選手が優勝、ウィルソン選手が2位、横山選手が3位となり、表彰台のメンバーと立ち位置は3ヒートとも同じになった。内田選手は、横山選手から大きく遅れて4位。大倉選手は7位に終わり、ウィルソン選手が大倉選手を逆転して17点リードのランキングトップに立った。