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JSB1000
長島哲太選手10位フィニッシュ
【多くの開発タイヤを持ち込んだ事前テスト】
第7戦岡山大会が、9月28日・29日に岡山県岡山国際サーキットで開催された。
レースウイークの前週、9月18日・19日に事前テストが行われた。長島選手は意欲的にラップを重ね、1本目25周、2本目18周、3本目36周と初日トータルで79ラップし、テストを進めた。二日目も1本目22周、2本目21周し、ベストタイムは1'32.289となった。
レースウイーク初日は午前10時50分から30分間、午後2時55分から45分間のフリー走行が行われた。1本目の走行を長島選手は1分34秒台でスタート。マシンとタイヤの確認をしながらタイムアップをし、ラストラップに1'32"389をマークし8番手でこのセッションを終えた。2本目は4周目に1分33秒台へ入れ、連続して33秒台でラップ。12周目に1'32"812と32秒台へ入れ、9番手で初日を終えた。
【予選】
今回の予選はシーズン唯一のトップ10トライアル方式とされた。最初に35分間のQ1がお壊れ、上位10名のライダーによって15分間のQ2が行われる。
長島選手は4周目に1分32秒台へ入れ、2回ピットインしてセットアップを進めながら、ラストラップに1'32"301をマーク。10番手でQ2進出を果たした。
注目されたQ2での走りだったが、タイムアタックに入った2周目の途中でエンジントラブルが発生。マシンを押してピットに戻り、なんとか時間内にコースへ戻ろうとスタッフの作業が行われたがそれが難しい状況のため、そこで予選は終了。決勝は10番グリッドからスタートすることとなった。
【決勝】
決勝朝のウォームアップ走行は気温24度、路面温度29度(温度はすべて手元計測)というコンディションの中で行われ、前日の予選後にエンジンを乗せ替えたマシンで長島選手は全10ラップ。1分32秒台を連発して10番手に付け、マシンのパフォーマンスが前日までと変わらないことを確認した。
午後1時50分に決勝がスタート。気温は28度まで上がり、路面温度も35度となった。まずまずの飛び出しを見せた長島選手はオープニングラップを9番手で戻ってくる。1分32秒台前半から32秒0までタイムを上げ、前の5位争い集団に徐々に近付いていたが、MCシケイン入口で前を走るマシンがコース〜外れ、前を塞ぐ形となり、集団との差が大きくなってしまう。それでもプッシュし、前との差を詰めようとする長島選手だったが、8周目に入ったとこでトラブルからオイルを出してしまったマシンが出たため、赤旗中断。レースは残り15周で仕切り直しとなった。
長島選手は8番手で1コーナーをクリア。今度は5位争いの中に食い込んでいく。Wヘアピン二つ目の飛び込みでインを刺した長島選手は7位にポジションアップ。コーナー入口で、鋭い突っ込みを見せる。2周目に1'31"982とウイーク初の31秒台へ入れ、ここから連続して31秒ラップする。8周目の1コーナー進入で名越哲平選手が長島選手のインに飛び込み、前に出るが、立ち上がりは長島選手の方が鋭く、MCシケインでは前で入る。バックストレートで名越選手が前に出るが、ヘアピン入口で長島選手がインに。タイトにヘアピンへ進入した長島選手に対し、アウトから入り、インに寄って立ち上がる名越選手のラインが交錯し、ここで接触。アウトへはじき出された長島選手は直後にいた2台にもパスされ、この集団の最後尾まで落ちる。このラップは1'34"585までタイムを落としてしまうが、すぐに32秒台に戻し、順位を取り戻そうとプッシュするが挽回は難しく、そのまま10位でチェッカーとなった。
タイヤ開発を担当する中冨伸一、星野知也選手はそれぞれ予選17位、15位からスタート。中冨選手15位、星野選手は赤旗前まで13位を走っていたが転倒。リタイヤとなった。
長島哲太選手
事前テストではたくさんの開発タイヤをダンロップが持ち込んでくれて、テストしました。でも二日間ともに30度を超える真夏日となってしまい、路面コンディションもそれほど良くなかったこともあって、具体的な収穫を得るテストにはなりませんでした。自分的にもいろんなタイヤを使うため、ライディングをそれに合わせていかなければならないという部分で迷いも出てしまい、レースで使うタイヤを決めきれないところはあったのですが、チーフエンジニアの藤沢さんがその部分はうまくコントロールをしてくれて、レースウイークに持ち込んだタイヤがある程度、うまく機能してくれるところまで繋げてくれました。予選はトラブルで走り切れずに終わってしまいましたが、それでもレースでは予選タイムを超えることもできましたし、アベレージも思ったよりも良かったですね。途中での接触がなければあのまま7位はキープできていたと思うのでそこはちょっと残念ですが、レースですから仕方ないですね。ただ、ライダーとしてタイヤに関しては、全体的にもう少し欲しいな、と思うところはあります。そこはダンロップにも要望として伝えましたし、それを踏まえて最終戦に向けて作るタイヤを、もう一度ここでテストして最終確認できるので、そこは楽しみです。開幕戦鈴鹿から1シーズン、開発を進めてきて、また最初の場所に戻るので、どれくらい進化できているのか、コース自体も走り慣れていますし、もうワンランク上のレベルでレースを走れることを期待しています。
ダンロップ開発グループ 芝本 昇平
予定通り、事前テストには多くの開発テストを落ちこみました。ところが、30度を超える真夏日になったこともあり、我々が期待していたような結果は得られませんでした。とは言え、ダメだしができたという意味では収穫がありました。それで、前回のオートポリスで良い結果が得られたリアタイヤをレースウイークでは使用するよう切り替え、準備を進めました。フロントに関しても新たな開発タイヤを持ち込みました。方向性としては今までの流れの上にありますが、ブレーキング時に掛け足せる特性を持ち、舵角量も多く付くのでより曲がるタイヤをねらいました。ライダーからのコメントも良かったのですが、リアとのバランスもあるので、さらにそこは開発を進めていく必要がありますね。今回の岡山国際サーキットは我々がよくテストに使っているところで、ホームコース的でもあるので、良い結果を出したかったのですが、かなり厳しいレースとなってしまいました。このあと、もう一度岡山国際サーキットでテストをし、最終戦鈴鹿に持ち込むタイヤの性能確認も行う予定でいます。そのテストでチェックし、さらに開発を進めるという二重進化で最終戦鈴鹿に臨む予定でいます。
中冨伸一選手
前回のオートポリスから開発タイヤも絞り込まれており、いつもだとタイヤチェックに追われてマシンのセットアップまで時間が回らないのですが、そうしたことが今回もなく、レースへ向けたセットアップができました。タイヤの進化も着実に図れている印象で、ポイントも獲得できたので良い仕事ができたと思います。最終戦の鈴鹿はより高い荷重の掛かるコースなので、そこでの評価がどう出るか、楽しみでもあります。
星野知也選手
オートポリスからの良い流れをそのまま維持して事前テスト、レースウイークと走ることができました。自分好みのタイヤが履けているので、マシンの状態も分かりやすく、コントロール性も高いので、積極的に攻めていけます。それが決勝ではちょっと行きすぎてしまい、転倒に繫がったのですが、でも攻め込むとどういう状態になるのか、そしてその過程でどういう動きになるかということが確認できたので、転倒はいつでお決して良いものではありませんが、収穫のあるレースになりました。ぜひこの良い流れで最終戦鈴鹿も走りたいですね。
JSB1000 レース1Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 岡本裕生 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YAMAHA | 22'42.598 | |
2位 | 水野 涼 | DUCATI Team KAGAYAMA | DUCATI | 22'45.165 | |
3位 | 中須賀克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YAMAHA | 22'48.445 | |
4位 | 野佐根航汰 | Astemo HondaDream SI Racing | HONDA | 22'50.797 | |
5位 | 津田拓也 | AutoRace Ube Racing Team | SUZUKI | 23'05.367 | |
6位 | 岩田 悟 | Team ATJ | HONDA | 23'08.607 | |
10位 | 長島哲太 | DUNLOP Racing Team with YAHAGI | HONDA | 23'18.643 | |
15位 | 中冨伸一 | RSN | YAMAHA | 23'39.790 | |
リタイア | 星野知也 | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | BMW | - |