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- 観客:10月26日 6,200人 / 10月27日 7,800人
JSB1000
長島哲太選手、レース1は11位、レース2はリタイヤ
第8戦MGJ-GPが、10月26日・27日に三重県鈴鹿サーキットで開催された。
【レースウイークは木曜からスタート】
全日本最終戦MFJ-GPが、10月26日・27日に行われた。
今回の最終戦を迎えるに当たり、ダンロップは10月上旬に二日間のプライベートテストを岡山国際サーキットで行い、鈴鹿サーキットへ持ち込むタイヤの性能確認と事前チェックをした。あいにく初日は雨となったが、今シーズンここまでウエットでの走行がほとんどないため、2024シーズンのレインタイヤの確認もでき、貴重なプライベートテストとなった。
ワールドスーパーバイク参戦から帰国したばかりの長島選手は時差ボケを抱えながら、木曜日は2本の特別フリー走行に参加した。1本目が2'10.321、2本目2'08.699で総合13番手となった。この日は新しく組んでチェックも済ませてきたエンジンに、これまで起きなかったトラブルが発生.。これによって若干周回数も稼げなかったが、着実にタイヤテストも行い、金曜日のセッションへと流れを繋げることとなった。
金曜日は午前、午後に40分間のセッションが2回、行われた。1本目が2'07.174、2本目2'07.043で、この日は総合11番となった。
【予選・レース1】
今回は2レース制とされ、土曜日は午前中に予選、午後にレース1が行われる。
土曜日の朝9時35分から40分で行われた予選では、計時1周目を2'10.115でスタート、2周目2'07.967、3周目2'07.336、4周目2'06.918とラップ。その後、ピットインしてタイヤを換えると、9周目に2'06.604、10周目2'05.986と自身初のウイーク5秒台となり、このタイムでレース1は9番手から、レース2は9周目のタイムで11番手から、それぞれスタートすることとなった。
午後1時半から14周で行われたレース1ではいつものようにスタートで前に出て、オープニングラップを6番手で戻ってくる。トップ4台は2分5秒台から4秒台へ入れるハイペースで、長島選手が加わる5位集団は5秒から6秒台前半で周回。長島選手は2周目を2'06.754で走るが、3周目は7秒台、5周目8秒台と苦しい走りを強いられる。7周目には再度7秒台へ戻すが、3周目7位、6周目11位と集団の中でパスされて順位を落としていく。結局、そのまま11位でチェッカーとなった。
【レース2】
日曜日朝のウォームアップ走行は、朝9時10分から15分間、行われた。このセッションを長島選手は2'07.516で走り出し、その後も連続して7秒台で周回。10番手で走行を終えた。
レース2は午後1時35分から、前日より2周多い16周で行われた。またしてもスタートでダッシュした長島選手は、2コーナーを7番手で立ち上がり、その後1台ぱすし、1周目は6位。さらに順位を上げようとそのままの位置で前を追った逆バンク立ち上がりで、後ろを走るマシンに追突され、そのライダーは転倒。なんとかこらえた長島選手だったが、追突されたことでマシンにマイナートラブルが発生。その影響によってスプーン入口で転倒してしまう。マシンを起こして再スタートしたが、トラブルの影響は大きく、6周目にピットインしてリタイヤとなった。
タイヤ開発を担当する中冨伸一、星野知也選手はレース1を21番手、22番手でスタート。20位、18位でゴールした。レース2は20番手,22番手でスタートしたが、決勝は両者が接触して転倒リタイヤとなってしまった。
長島哲太選手
全日本最終戦の一週間前にワールドスーパーバイク選手権に参戦することとなり、さらに予定していなかったレース後のテストも走ることになったことから、レースウイーク水曜日の夜に睡眠時間数時間という状態で鈴鹿入りするという慌ただしい状態でMFJ-GPを迎えることになりました。10月上旬には岡山でダンロップのプライベートテストを行い、ダンロップのエンジニアが開発して持ち込んでくれた新型タイヤをテストしながらのレースウイークとなりました。新型のタイヤはねらった性能が得られた部分、それを得た結果として失ってしまう部分もあり、レース1は岡山テストにおいてメインとして開発したタイヤ、レース2はそれ以前に使ったタイヤの進化版、というチョイスになりました。レース2は特に感触が良かったので、もう少し上の順位をねらっていましたが、追突されてマシンに少し不具合が出ていたようで、その影響から転倒してしまいました。再スタートして少しでも周回を稼ごうとしたのですが、走行を続けるのは危険と感じたので、残念ながらリタイヤしました。新たなプロジェクトとしてスタートして1年目ですが、着実にタイヤは進化していますし、ダンロップのエンジニアも開発方向を見定めることができていると一緒に仕事をしていて感じます。コースサイドではたくさんファンの方々が黄色い旗を振って応援してくださっているのを感じますし、やり甲斐と楽しさを感じながらの2024シーズンとなりました。来年はさらに上位をねらいますので、引き続き応援を宜しくお願いします。
ダンロップ開発グループ 栃木佑紀
最終戦に向けて準備したタイヤは、グリップアップを図った上でさらに耐久性を担保できるような仕様を準備しました。そのタイヤを岡山でのプライベートテストで試してみて、コメント的に良好だったので、そのタイヤをメインとして準備しました。レースウイークに入り、木、金とテストしてみたところ、岡山のテストでは特に問題はなかったのですが、鈴鹿だとやはり岡山と比べて速度域だったり、タイヤにかかる荷重が違うというところで、良い評価には繋がりませんでした。その原因をチームとミーティングしながら探り、ある程度予想がついたので、予選ではそれを確認しようということで別のタイヤを評価しました。別のタイヤというのは、岡山でテストした加速性の部分は同等なのですが、耐久性に関してはまだ向上させられていないタイヤだったので、最終戦では厳しいと我々は思って使うことを想定していなかったのですが、加速性とギャップなどに対して吸収性のバランスが良いということだったので、予選からはそちらのタイヤを使うことにしました。ただ、実際にレース1を走ってみて、耐久面ではやはり苦しい展開になってしまったので、日曜日朝のウォームアップ走行からはさらに別のタイヤをテストし、そちらのタイヤの方が可能性があると言うことで、レース2はそのタイヤを使いました。このタイヤは第7戦岡山大会のレースで使ったタイヤをベースに進化させたもので、岡山のプライベートテストでも使ってみたものです。ですから、木・金とテストした新型と、レース1で使ったその新型のバリエーションタイヤとはベースが異なるタイヤでした。耐久性はありますが、加速性の部分に関しては新型の方が優れているのですが、レース1の反省として耐久性がもっと欲しいと言うことでしたので、そのタイヤを試してみたのです。レースは接触によるマイナートラブルがマシンに起きて転倒に繋がってしまい、残念でしたが、長島選手のフィーリング的にはレース1より良い部分があったようです。今年はプロジェクトの1年目ということで、方向性を決めなければいけませんし、基礎技術の部分を固めなければいけないということで、レースウイーク中にたくさんのタイヤを履いて走ってもらうことになりました。現実的にはレースウイーク中のセッションですから、レースで使用するタイヤを決め、そこに対してセッティングを詰めていかなければなりませんが、そういう作業を進めるレベルには至っていませんでした。例えば今回の予選では、先ほど説明したようにそこまで使ったタイヤとはベースが異なる方向のタイヤをテストし、方向性を確認できたところで予選用タイヤを入れてタイム出しだったので、予選のタイム出しに合わせ込んだセッティングはできないような状況の中、長島選手は2'05.986というタイムを出してくれました。現状のマシンと長島選手のポテンシャルであれば、予選時間をフルに使ってセットアップをしてタイム出しをしていけば、もっと速いタイムが出たのは間違いありません。タイヤに合わせて我慢する部分も、ライディングの中では出てきてしまいます。そういう戦いを1年目ということで強いてしまいましたので、来年はある程度、レースで使用することを想定してレースウイークでは絞り込み、そのタイヤに合わせたセットアップができるような流れで戦っていきたいとレース後、藤沢さんと話しました。残念ながら表彰台に登るというような明確な結果は出せませんでしたが、タイヤ開発という面に関しては、非常に収穫の多い1年となりました。今シーズン、実戦の中で得られた膨大なデータをこのオフシーズンには徹底解析してシミュレーションを重ね、年明けからは暖かい海外のサーキットでのプライベートテストも予定しているので、そこでしっかり良いタイヤを造り込み、プロジェクト2シーズン目を迎えたいと考えています。
中冨伸一選手
今回のレースウイークも、ダンロップが持ち込んだ開発タイヤをテストしながらスケジュールを消化しましたが、本数も絞り込まれており、さらに持ち込みのマシンセットも良かったようで、プリロード数ミリとダンパー1クリックくらいしかいじらずにタイヤテストをこなすことができました。ペース的にもコースインしてすぐ2分10秒台前半でラップし、2周目には9秒台に入るような状況で、ベースがとても高いレベルでした。そうした良い流れでフリー走行から予選とこなしたのですが、やはりレースとなると他車との駆け引きで自分の走行ラインが制限されたり、14周、16周という周回数に対する耐久性など、決勝を走らないと見えてこない課題が出てきました。そうした連続ラップする中でのタイヤの変化というものが今回のレースでは確認できたので、収穫の多いレースウイークとなりました。レース2では一緒にタイヤ開発を行う星野知也選手と追突することになり、ともに転倒リタイヤとなってしまったのは残念です。お互いに良い位置を走れていたので、一緒に完走してポイントを獲得したかったです。
JSB1000 レース1Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 水野 涼 | DUCATI Team KAGAYAMA | DUCATI | 29'22.760 | |
2位 | 岡本裕生 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YAMAHA | 29'23.180 | |
3位 | 中須賀克行 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YAMAHA | 29'23.204 | |
4位 | 野佐根航汰 | Astemo Honda Dream SI Racing | HONDA | 29'29.455 | |
5位 | 岩田 悟 | Team ATJ | HONDA | 29'34.670 | |
6位 | 高橋 巧 | JAPAN POST HondaDream TP | HONDA | 29'36.178 | |
11位 | 長島哲太 | DUNLOP Racing Team with YAHAGI | HONDA | 29'50.874 | |
18位 | 星野知也 | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | BMW | 30'29.580 | |
20位 | 中冨伸一 | RSN | YAMAHA | 30'30.052 |
JSB1000 レース2Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 水野 涼 | DUCATI Team KAGAYAMA | DUCATI | 35'34.579 | |
2位 | 野佐根航汰 | Astemo HondaDream SI Racing | HONDA | 35'35.328 | |
3位 | 岡本裕生 | YAMAHA FACTORY RACING TEAM | YAMAHA | 35'35.651 | |
4位 | 高橋 巧 | JAPAN POST HondaDream TP | HONDA | 35'36.099 | |
5位 | 渥美 心 | YOSHIMURA SERT MOTUL | SUZUKI | 35'37.994 | |
6位 | 日浦大治郎 | Honda Dream RT SAKURAI HONDA | HONDA | 35'38.239 | |
リタイヤ | 長島哲太 | DUNLOP Racing Team with YAHAGI | HONDA | ||
リタイヤ | 星野知也 | TONE RT SYNCEDGE4413 BMW | BMW | ||
リタイヤ | 中冨伸一 | RSN | YAMAHA |