JSB1000

長島選手、レース2で中盤までトップを快走

全日本ロードレース選手権第2戦が宮城県・スポーツランドSUGOで、5月24日・25日と行われた。
スポーツランドSUGOはこのシーズンオフに15年ぶりとなるコース全面改修を行い、これまで走行時の目印にもなっていたギャップ類もすべてなくなった。

レース1週間前に行われた事前テストには当然のことながら、多くの開発タイヤを持ち込み、新コースへの対応を図りながらレベルアップすべく、チームはトライした。
初日は持ち込んだタイヤ全体の確認を行いながら、レースウイークに向けたタイヤの絞り込み作業となった。そうしたメニューを長島選手は消化しながらも、初日はJSB1000勢の中で5番手となるタイムをマークできた。
二日目もさらに開発作業を行い、11番手となった。

事前テストで確認した要素をフィードバックしたタイヤをレースウイークに持ち込み、金曜日からの走行に備えた。金曜日は1'27.554のタイムで10番手、2本目は1'27.542で9番手に付けた。
翌日午前中の予選は、2周目に1'27.463、3周目も1'27.018、さらに4周目も27秒台とスタートして早々に27秒台でラップ。7周目に1'26.839、8周目に1'26.572と26秒台を立て続けにマーク。この結果、8周目のタイムでレース1が6番グリッド、7周目のタイムでレース2も6番グリッドからスタートすることとなった。

土曜日の午後にレース1が22周で行われた。いつものように得意のスタートダッシュを決めた長島選手は、オープニングラップを4位で戻ってくる。レース中盤に4番手まで上がり、さらにポジションアップを図りたいところだったが、追撃はそこまで。レース1は7位でゴールとなった
土曜日の夜から振り出した雨が日曜日朝まで残り、朝のウォームアップ走行はウェットコンディションでの走行となった。そうした中で長島選手は1'38.942のトップタイムをマークし、ウェットへの対応力の高さを見せ付けた。
その後、路面はどんどん乾いていき、ウェットパッチは少し残るものの、レース2は全車ドライタイヤ装着でスタートすることとなった。またしてもうまく飛び出した長島選手は4コーナーでトップに立つと、そのままレースをリード。3周目には1分29秒台へ入れ、トップグループを引っ張っていく。10周目の馬の背コーナーで2台にパスされ、なんとか3位をキープしていたが、この3位争いの集団に飲み込まれ、22周のチェッカー時にはレース1に続く7位でゴールとなった

ライダーコメント

長島哲太選手(DUNLOP Racing Team with YAHAGI)

レース1,レース2ともに7位というリザルトで、結果だけを見れば同じ位置なのですが、レース2では10周目までトップを走ることができましたし、事前テストからレース2まで、良い流れでタイヤ開発を進めることができたと思います。現状では10周目までしかトップを維持できませんでしたが、チーム、そしてダンロップの開発陣と力を合わせ、さらにその周回数を13周、15周と増やしていった先に勝利が必ずありますし、3年目のタイトル獲得という目標達成にたどり着けると思います。ライディングでかなり頑張りましたが、当然その走りの背景には、ダンロップタイヤの貢献も大きく、それは昨年から積み重ねてきたデータの賜でもあります。とにかく全力でこの戦いを続けます。皆さんの応援が、とても力になっています。いつもありがとうございます。引き続き力をください。よろしくお願いします!


星野知也選手(TONE RT SYNCEDGE4413 BMW)

事前テストから自分の好みの方向性のタイヤを履かせてもらい、それが結果に繋がっていると思います。市販を前提としたタイヤ開発を担当させていただいているので、いろんな使い方、乗り方を試しながら走行していますが、それがすごく自分自身の勉強にもなっています。レース1、レース2ともに11位とポイント獲得が果たせたのも大きいですね。さらに頑張って良い仕事をしていきます。


中冨伸一 選手(RSN)

JSB1000用の開発タイヤの方向性を確認するため、事前テストではST1000で使っている市販タイヤを履かせてもらいました。それは、現在開発しているJSB1000用タイヤと比較をするための基準を確認したかったからです。JSB1000マシンはST1000マシンと比較するとより軽量でエンジン出力も出ていますが、その差に対してレースでのタイム差は少ないことから、ST1000用タイヤの性能を実際に履いて確認してみたかったからです。その結果、方向性が確認でき、次に作るべき特性が確認できたのは大きな成果でした。レース1、レース2ともに14位でポイント獲得できたことも、大きな収穫です。そのあと、岡山国際サーキットでの開発テストを行い、6月上旬の鈴鹿でのテストにも参加してさらに開発を進めます。



JSB1000 RACE1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA 32'15.655
2位 野佐根航汰 Astemo Pro Honda SI Racing HONDA 31'46.572
3位 日浦大二郞 Honda Dream RT SAKURAI HONDA HONDA 32'14.601
4位 伊藤和輝 Honda Dream RT SAKURAI HONDA HONDA 32'17.315
5位 岩田 悟 Team ATJ HONDA 32'20.855
6位 鈴木光輝 Team ATJ HONDA 32'31.590
7位 長島哲太 Racing Team with YAHAGI HONDA 32'31.590 Dunlop ユーザー
11位 星野知也 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW BMW 32'37.215 Dunlop ユーザー
14位 中冨伸一 RSN YAMAHA 32'43.497 Dunlop ユーザー

JSB1000 RACE2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM YAMAHA 32'15.655
2位 浦本修充 AutoRace Ube Racing Team BMW 32'19.775
3位 津田拓也 Team SUZUKI CN CHALLENGE SUZUKI 32'32.288
4位 伊藤和輝 Honda Dream RT SAKURAI HONDA HONDA 32'33.915
5位 鈴木光輝 Team ATJ HONDA 32'34.421
6位 岩田 悟 Team ATJ HONDA 32'40.224
7位 長島哲太 DUNLOP Racing Team with YAHAGI HONDA 32'40.875 Dunlop ユーザー
11位 星野知也 TONE RT SYNCEDGE4413 BMW BMW 33'06.838 Dunlop ユーザー
14位 中冨伸一 RSN YAMAHA 33'19.130 Dunlop ユーザー

ST1000

亀井雄大、全日本初優勝

ウェットコンディションでレースはスタート。2コーナーをトップで立ち上がった亀井雄大選手はその勢いを維持し、1周終了時点で2位にコンマ8秒、2周目に1.2秒差と、どんどん後続を離していく、9周目時点でその差は5秒まで広がったが、終盤になってNakarin ATIRATPHUVAPAT選手がペースアップ。最後には0.117まで詰め寄られたが、亀井選手が逃げ切って全日本初優勝を果たした

ライダーコメント

亀井雄大(RTJapan M Auto and Kamechans)

決勝日朝のウォームアップ走行の感触がとても良かったので、決勝は自信を持って臨みました。昨年のレースを見てみると、羽田大河選手がアグレッシブな走りでトップグループを走っていて、彼を相手にすると大変だと思っていました。スタートして1コーナーで羽田選手が前にいたので早めに交わしておこうとイン側に思い切って飛び込んだらうまくクリアできたので、そのままのスピードで3コーナー、4コーナーと走り、それが結果的に序盤のハイペースにつながったのだと思います。最後はナカリン選手に差を詰められて少し苦しかったですが勝ててチームに少し恩返しができたかなと思います。


ST1000Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 亀井雄大 RTJapan M Auto and Kamechans HONDA 29'13.629 Dunlop ユーザー
2位 Nakarin ATIRATPHUVAPAT Astemo SI Racing withThai HONDA 29'13.746 Dunlop ユーザー
3位 國峰琢磨 TOHO Racing HONDA 29'25.153 Dunlop ユーザー
4位 伊藤元治 MOTO BUM HONDA HONDA 29'27.169 Dunlop ユーザー
5位 井手翔太 AKENO SPEED・RC KOSHIEN YAMAHA 29'27.911 Dunlop ユーザー
6位 作本輝介 TOHO racing HONDA 29'30.067 Dunlop ユーザー

J-GP3

尾野弘樹、PPから2位でゴール

事前テストから絶好調の尾野弘樹選手が予選もその勢いのまま、ニューコースレコードをマークしてポールポジションを獲得。決勝はウェットコンディションとなり、ホールショットを奪ってレースをリードしたが、なかなかペースを上げられず、4周目にトップの座を奪われると、リードされてしまう。その後、一時は4位までポジションを落としたが、終盤になって再びペースアップ。2位でゴールした

ライダーコメント

尾野弘樹選手(P.MU 7C GALESPEED)

予選までは良い流れだったのですが、日曜日の雨でそれが変わってしまいましたね。ヘビーレイン仕様のセット、タイヤ選択でレースに臨んだのですが、走り出してすぐにだいぶ乾いているのが分かり、厳しいレースになることを覚悟しました。本当に苦しいレースになったのですが、最低限でも2位にならないと、と自分を励ましプッシュした結果、2位になれてホッとしています。苦しい20周のレースでした。


J-GP3Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 若松 怜 JAPAN POST docomo business TP HONDA 34'19.138
2位 尾野弘樹 P.MU 7C GALESPEED HONDA 34'24.016 Dunlop ユーザー
3位 大田隼人 MARUMAE DreamKitakyushu CPARIS HONDA 34'24.622
4位 Noprutpong BUNPRAWES Astemo SI Racing with Thai Honda HONDA 34'39.633
5位 中谷健心 MotoUPRacing HONDA 34'41.637
6位 仲村瑛冬 TeamLife.HondaDream Kitakyushu HONDA 35'04.147 Dunlop ユーザー