全日本トライアル選手権シリーズの第4戦北海道大会が、7月15日（日）に和寒町のわっさむサーキットで開催された。最高峰の国際A級スーパークラスで、ダンロップタイヤD803GPを履いて史上初となるV6をめざす小川友幸選手（#1）は、ポイントランキング2番手で今大会を迎えた。同じくダンロップタイヤを使用する黒山健一選手（#2）がここまでのポイントリーダーとなっていたが、その黒山選手は世界選手権フランスGPの電動バイククラスに参戦するため今大会を欠場。このため、小川友幸選手や前戦で勝利を収めたランキング3番手の野崎史高選手（#3）にとっては、ランキングを浮上させる絶好のチャンスとなった。

国際A級スーパークラスの競技は、4時間の持ち時間で10セクションを2ラップした後に、上位10名だけがより難易度の高いふたつのスペシャルセクション（SS）に挑む方式が採用された。大会当日の天気は、晴れた時間帯もあったものの基本的には雨。これにより路面は泥で非常に滑りやすい状態となり、急斜面から岩を上るセクションなどにライダーたちは苦戦した。1ラップ目の結果は、野崎選手が減点10でトップに立ち、小川友幸選手が減点13で2番手。このふたりを、柴田暁選手（#5）が減点19、小川毅選手（#4）が減点27で追う展開となった。

迎えた2ラップ目は、調子を上げた小川友幸選手が減点を重ねた野崎選手を逆転。小川友幸選手が減点23、野崎選手が減点25と、わずか2点差でSSに臨んだ。一方、減点40の柴田選手と減点43の小川毅選手による3位争いも注目を集めた。そしてSSでは、最初のセクションで小川友幸選手がクリーンを決め、野崎選手が失敗して減点5。これにより、最終セクションを待たずに小川友幸選手の優勝が決定し、野崎選手が2位となった。また3位争いは、柴田選手に軍配が上がった。今大会の結果、ポイントランキングでは小川友幸選手がトップに立ち、野崎選手が2番手、黒山選手が3番手となっている。

コメント

小川友幸選手のコメント
「1ラップ目を2番手で終えて追う立場となったため、プレッシャーがありましたが、ぎりぎりで勝利を手にすることができました。とはいえ内容的には、納得できない要素が多くありました。1ラップ目第9セクションでは勝負を急ぎすぎてしまい、本来なら減点1でクリアできたはずのところを、クリーンを狙いすぎて減点5。これにより、試合のペースを自分で崩してしまったと反省しています。第10セクションでは、得意としている高い段差上りで、2ラップとも落ちてしまいました。それらの問題を見つめ直して、次戦は納得できる走りをしたいと思います」

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野崎史高選手のコメント
「1ラップ目はかなり調子がよく、自分のペースを守れていたのですが、2ラップ目序盤の第2セクションで失敗してしまって、それからリズムを崩してしまいました。スペシャルセクションまで決着を持ち越すことができましたが、そこで小川選手に離されてしまったのが残念です。結果は黒山選手が不在という状況での2位でしたが、よい勝負はできたと思っています。ランキングを上げるチャンスですので、次はまた優勝をめざして頑張ります」

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