全日本トライアル選手権第2戦　九州大会

全日本トライアル選手権シリーズの今季第2戦となる九州大会が、4月24日（日）に熊本県の矢谷渓谷キャンプ場特設会場で開催された。最高峰の国際A級スーパークラスでダンロップタイヤを履く小川友幸選手（#1）は、開幕戦で勝利を逃していて、この大会での今季初優勝と反撃開始を狙った。一方、同じくダンロップを愛用する黒山健一選手（#2）は、開幕戦に続く優勝でさらに流れを引き寄せたいところ。また、若手の氏川政哉選手（#3）やベテラン野崎史高選手（#4）、柴田暁選手（#5）や小川毅士選手（#6）らも、満を持して今季2戦目の戦いに臨んだ。

国際A級スーパークラスの競技は、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後に、上位10名がより難易度の高いふたつのスペシャルセクション（SS）で勝負の決着をつける方式が用いられた。会場は、前日の雨により路面コンディションが悪化。セクションの難易度はかなり高くなり、いかにタイヤをグリップさせるかの勝負となった。競技の1ラップ目は、小川友幸選手が減点15点でトップに立ち、2番手の野崎選手（減点24）を大きくリード。以下、柴田選手（減点25）、小川毅士選手（減点26）とそれぞれ1点差で続く団子状態となった。2ラップ目、そこから抜け出すとともに小川友幸選手を逆転してトップに躍り出たのは小川毅士選手。とはいえ、小川友幸選手とはわずか1点差で、3番手の野崎選手にもSSでの逆転優勝の望みが残された状況となった。

こうして迎えたSSは、大自然の急勾配を生かしたふたつの難しいヒルクライムセクションで、多くの選手が減点5を重ねる結果に。そこをふたつとも減点3で確実に走破した小川友幸選手が、SSを両方とも失敗した小川毅士選手を逆転して今季初優勝を獲得した。小川毅士選手は悔しい2位となったが、とはいえ2年ぶりとなる表彰台登壇。3位野崎選手、4位柴田選手、5位黒山選手、6位氏川選手となった。

小川友幸選手のコメント

1ラップ目はすごく調子が良かったのですが、2ラップ目にちょっとミスが多くなってしまい、SSに入る前は2番手と、追い込まれた状態になってしまいました。なんとかSSをふたつとも攻略できて、最終的にはトップに返り咲くことができたので安堵しました。九州にはスクールなどのさまざまなイベントに呼んでもらっていて、関係者や親しくさせていただいている知人が多くいるので、そういう方々の前で優勝できて満足しています。セクションを含めてすごく楽しい1日だったので、また九州に来たいと思いました」

小川毅士選手のコメント

「20年第1戦の3位以来となる久しぶりの上位入賞なので、すごくうれしく感じていますが、2ラップ目終了時点までトップに立っていたので、逆転されてしまったことが悔しいです。最後の最後、スペシャルセクションで取りこぼした感じになってしまったので……。14年第6戦中部大会以来となる優勝を逃して残念ですが、次こそもうひとつ上の表彰台に立てるように頑張りますので、今後とも応援よろしくお願いいたします」