全日本トライアル選手権第4戦　北海道大会

全日本トライアル選手権シリーズの今季前半戦を締めくくる第4戦は、3年ぶりの開催となる北海道大会。7月17日（日）に和寒町のわっさむサーキットで実施された。最高峰の国際A級スーパークラスでダンロップタイヤD803GPを履く小川友幸選手（#1）にとっては、3連勝を狙う大会。しかし、同じくダンロップタイヤを使用する黒山健一選手（#2）や氏川政哉選手（#3）らも、満を持して戦いに臨んだ。

国際A級スーパークラスの競技は、4時間30分の持ち時間で7セクションを3ラップした後に、上位10名がより難易度の高いふたつのスペシャルセクション（SS）で勝負の決着をつける方式とされた。当日は雨予報を覆す好天となったが、降雨の可能性も高めだったことから、多くの選手がいつもより早めのペースで競技を進めた。その中でも、とびきり早いペースで難しいセクションに挑みながらも減点を最小限に抑えていった小川友幸選手が、減点わずか3という圧倒的な好成績で1ラップ目のトップに立った。2番手は減点6の黒山選手、3番手は減点7の小川毅士選手（#6）。さらに、柴田暁選手（#5）が減点12、氏川選手が減点13で後を追った。

2ラップ目に入り、トップの小川友幸選手は2番手以下をダブルスコアにするなど、大きく差を広げていった。そして3ラップ目に、小川友幸選手はなんと減点0のパーフェクトな走りを披露。2番手に浮上してきた減点19の氏川選手に圧倒的大差をつけて、前大会に続いてまたもSSを待たずに優勝を決めた。

SSでは、ほぼ全員が減点5となったひとつめのセクションで、黒山選手と小川友幸選手のみ減点1で切り抜けて観客を沸かせた。さらにSSのふたつめ（最終セクション）では、小川友幸選手と氏川選手が見事にクリーン。優勝の小川友幸選手と2位の氏川選手が、今季初となるホンダ勢のワン・ツー・フィニッシュに華を添えた。以下、3位に小川毅士選手、4位に黒山選手、5位に野崎史高選手（#4）、6位に柴田選手となった。

小川友幸選手のコメント

「前戦と同じくSSの前に優勝を決めることができてよかったです。最後にスタートしたので、そのままSSをたぶん最後に走ることになり、そこで雨が降りはじめていると、降る前にアタックした選手よりも厳しい状況になることは確実。減点5になる恐れがかなりあったので、SSまでには勝負を決めておきたいという意識がありました。そのため、賭けでしたがずっと早回りを続けて、なるべく雨の影響を受けないようにするという作戦を選択。結果的にはそれが功を奏して勝てました。シーズン前半はいい流れを掴めたので、後半の残り4戦はもう一度調整して挑みたいと思います」

氏川政哉選手のコメント

「黒山選手が最終セクションで減点5になったことで、気が楽になったのですが、やはり小川毅士選手が1点でクリアしたので、それが緊張につながりました。最後はクリーンで締めて、ずっと2位を保つことができたのがよかったなと思います。次戦は約1ヵ月後の第5戦シティトライアル大会ですが、この勢いを保って好成績をマークしたいと思います」