全日本トライアル選手権第6戦　中国大会

全日本トライアル選手権シリーズの第6戦中国大会は、9月4日（日）に広島県の灰塚ダムトライアルパークで開催された。全日本最高峰の国際A級スーパークラスには15名が出走。4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名がふたつのスペシャルセクション（SS）で雌雄を決した。ダンロップタイヤD803GPを履く小川友幸選手（#1）は、前戦で5位に沈み、今大会はなんとか挽回したいところ。一方、同じくダンロップを使用する黒山健一選手（#2）は、前戦に続く勝利を狙った。また、若手の氏川政哉選手（#3）やベテランの野崎史高選手（#4）、柴田暁選手（$5）や廣畑伸哉選手（#11）らも、シリーズ後半の要となる戦いに気合十分で挑んだ。

1ラップ目は、前夜降った雨で路面が一部ぬかるんでいたこともあって、難易度の高いセクションで減点5となる選手が多く見られた。その中で、黒山選手と小川選手がともに合計減点16で回り、タイムペナルティーの2点を差し引けば減点14の最小減点をマークした黒山選手が、まずはトップに。その後に小川選手、柴田選手（減点19）、野崎選手（減点21）らが僅差で続いた。

2ラップ目に入り路面が乾いてコンディションが回復するなか、黒山選手は減点をわずか6点に抑えてトータル22点となり、トップをキープ。一方、野崎選手は2ラップ目の最小減点5をマークして、トータル26点で一気に2番手まで上がってきた。さらに、小川選手と柴田選手もそれぞれ合計減点26点という、大接戦になっていた。

迎えたSSのひとつめでは、黒山選手がなんと失敗して減点5。このチャンスに、野崎選手、小川選手、柴田選手はそれぞれSSを2セクションともクリーンで決めた。これにより野崎選手と小川選手と柴田選手が減点26で並ぶことになったが、競技に使った時間が短かった野崎選手が2年ぶりとなる全日本の優勝を獲得し、クリーン数の差で小川選手が2位、柴田選手が3位。そしてSSでの減点5により、黒山選手は4位となった。

野崎史高選手のコメント

「1ラップ目は不甲斐ないミスをしてしまって、流れは良くなかったのですが、2ラップ目に作戦を変更して、早回りに徹してベストラップで周回することができました。それが勝因のひとつだったかなと思います。小川友幸選手や柴田選手と同点になっていることがわかっていて迎えたSSは、かなり全身に力が入ってしまい、腕も足もつったような状態でしたが、ガマンの走りで優勝できてよかったです。残り2戦も頑張りたいと思いますので、引き続き応援よろしくお願いいたします」

小川友幸選手のコメント

「シリーズチャンピオンを争っている立場としては、2位になれて良かったと感じています。前戦では十何年ぶりかの5位になり、今回はカラダもマシンも調子が悪い状態。スタートしてすぐに5点を取ってしまったこともあり、ちょっと厳しいかなと思いましたが、その中でもガマンの走りができたと思います。無理をしたことで限界に達してしまいましたが、勝てた試合だったかもしれません。ワーストな状態でも2位になれてラッキー。次の大会までには、しっかり戻したいと思います」