全日本トライアル選手権第1戦　中部大会

全日本トライアル選手権シリーズの今季開幕戦となる中部大会が、4月2日（日）に愛知県のキョウセイドライバーランドで開催された。最高峰の国際A級スーパークラスでダンロップのニュータイヤとなるGEOMAX TRIAL TL01を履く小川友幸選手（#1）は今季、記録更新となる11連覇とMFJ新記録となる通算13度目のチャンピオンを目指す。一方、同じくダンロップタイヤを愛用する黒山健一選手（#2）は、今年のシリーズにヤマハ電動トライアルバイクのTY-E 2.1で参戦する新たなチャレンジを開始。また、氏川政哉選手（#3）や野崎史高選手（#4）、柴田暁選手（#5）や小川毅士選手（#6）らも、タイトル獲得に向けた最初の戦いに臨んだ。

　国際A級スーパークラスの競技は、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名がより難易度の高いふたつのスペシャルセクション（SS）で勝負の決着をつける方式が用いられた。大会当日は、好天に恵まれたと思いきや突然雨が降り出して路面コンディションを悪化させるパプニングもあり、予断を許さない戦いとなった。競技の1ラップ目は、氏川選手が減点22点でトップに立ち、23点の黒山選手、26点の柴田選手、27点の小川友幸選手と野崎選手が僅差で続く接戦状態。2ラップ目は氏川選手46点でトップをキープし、小川友幸選手54点で2番手に追い上げてきた。そして、黒山選手と野崎選手がともに62点、柴田選手が64点で追うカタチとなった。

　迎えたSSでは、氏川選手が大岩に挑む最終セクションを見事にクリーン（減点0）で走破。トップを一貫して守った氏川選手が、昨年第7戦以来の通算2勝目をマークした。一方、今回はらしからぬ失敗もあったが、それでも挽回して最終セクションをクリーンした小川友幸選手が2位をゲット。最終セクションで柴田選手を逆転した野崎選手が、表彰台の残る1枠となる3位を獲得した。柴田選手が4位、電動バイクで全日本初参戦の黒山選手が5位、小川毅士選手が6位となった。

氏川政哉選手のコメント

「開幕戦で優勝できて、本当にうれしいです。応援してくださっている皆さまやホンダのおかげです。開幕前にスペインで1ヵ月半特訓して走り方が変わり、落ち着いて走れるようになりました。昨年までの自分よりもメンタルが強くなったという実感もあるので、スペインでの練習はかなり効果的だったと思います。次戦からも、今回よりもさらにいい走りで1位を獲り続けていきたいと思います。今後も応援よろしくお願いします」

小川友幸選手のコメント

「昨年もそうですが、開幕戦は調子が悪いことが多く、なんとか克服したいという思いはあったのですが、いざ今年の開幕戦に臨んでみたら、やはり調子は悪くて……。結果的に2位まで挽回しましたが、自分でも信じられないような失敗が本当に多く、走りの歯車がまるで噛み合わない状況でした、ここまでヒドい走りは10年以上ないと思うので、ちょっと情けないですが、それでも1ラップ目はトップと5点差だったので、自分が調子を上げていけば今年もしっかり勝負できるという自信にはなりました」