全日本トライアル選手権第1戦　岡崎大会

全日本トライアル選手権シリーズの2024年開幕戦となる愛知・岡崎大会は、3月31日（日）に愛知県のキョウセイドライバーランドで開催された。今季、最高峰の国際A級スーパークラスでダンロップタイヤを履く小川友幸選手（#1）は、自身が持つ記録を塗り替える12連覇を狙う。もうひとつ大きな注目を集めるのが、こちらもダンロップタイヤを使用するヤマハ勢。まず、昨年度ランキング2位の氏川政哉選手（#2）が、今季はヤマハに移籍を果たした。さらに、昨年までの黒山健一選手（#3）に加え、氏川選手と野崎史高選手（#4）も、電動トライアルバイクでシリーズを戦うことになった。

国際A級スーパークラスの競技は、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名がより難易度の高いふたつのスペシャルセクション（SS）に臨む方式が用いられた。好天に恵まれ、多くの観客に見守られながらスタートした1ラップ目は、小川友幸選手が減点5でまずはトップに立ち、これを減点11の氏川選手、減点12の黒山選手が追うことになった。2ラップ目は、小川選手が再び素晴らしい走りで減点6点となり、ここまでの合計で小川選手は減点11。このラップでは黒山選手がミスを減らして減点9となり、合計20点で2番手に浮上した。

迎えたSSは、ひとつ目のセクションがコンクリートの壁登りだったのだが、この難易度があまりにも高すぎて、トライした10名全員が失敗。この時点で、小川選手の開幕優勝が決まった。ふたつ目のセクションは、黒山選手が減点1で切り抜け、2ラップ目終了時点で4点差だった氏川選手の逆転を許すことなく競技を終了。小川選手が優勝、黒山選手が2位、氏川選手が3位となった。

小川友幸選手のコメント

「開幕戦で勝利したのは2021年が最後でしたし、正直なところカラダの状態や乗り込みの量などの不安要素も抱えていたので、厳しい戦いになることを想定していたのですが、スタートしてみたらとても集中して乗ることができました。完璧ではなかったですが、本来の実力に近い走りができました。SS以外で減点5がなかったのと、ミスを1点にとどめたのが大きかったと思います。自分の中では、前日に下見した時点でオールクリーンも可能かもと思っていました。2024年シーズンを優勝でスタートできましたが、これに満足せず、大会当日にベストなライディングができるように体調を整えていきたいと思います」

黒山健一選手のコメント

「開幕戦が無事に終わり、元気に走り切ることができました。とはいえ結果は2位で、今年は優勝することしか考えておらず、そのために頑張っていたので、とても悔しく感じています。今日はさまざまなミスがあり、それも敗因となりましたが、2週間後の九州大会までにはいろいろと改善して、さらにいい成績を残したいと思います。とはいえ昨年の開幕戦と比べたら、全セクションにしっかりトライできたし、電動バイクに戸惑うことなく乗れたので、ポジティブなことも多い大会でした」