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国際A級スーパークラス
小川毅士選手が11年ぶり勝利、黒山健一選手がタイトルに王手!
全8戦で競われる2025年の全日本トライアル選手権は、シーズン終盤の戦い。第7戦和歌山・湯浅大会が、10月26日(日)に和歌山県の湯浅トライアルパークで開催された。最高峰の国際A級スーパークラスでは、ディフェンディングチャンピオンの小川友幸選手(#1)がケガにより第5戦以降を欠場し、同じくダンロップタイヤを履く黒山健一選手(#2)がランキングトップ、氏川政哉選手(#3)が同2番手で今大会を迎えた。この両者に、こちらもダンロップを使用する野崎史高選手(#8)を加えたヤマハの電動マシン勢が、第2~6戦まで5連勝して今大会を迎えた。
国際A級スーパークラスの競技は、4時間30分の持ち時間で10セクションを2ラップした後、上位10名がより難易度の高いふたつのスペシャルセクション(SS)に挑む方式。前日から一時的に雨が降って路面がぬかるみ、セクションの難易度が激しく増したことで、多くの選手が減点5となる失敗を重ねていった。その中でも随所で光る走りを見せたのが、ダンロップタイヤで戦う小川毅士選手(#4)。1ラップ目は減点30でトップに立った。そして2番手の氏川選手は3点差の減点33、3番手の黒山選手ともう1名が減点35と僅差で続いた。
2ラップ目は、好調を保つ小川毅士選手が、ラップ最少減点となる26点をマーク。とはいえ、黒山選手(減点30)や氏川選手(減点31)らも1ラップ目よりは減点を抑えつつ追撃し、2ラップ合計では小川毅士選手が56点でトップ、氏川選手が64点で2番手、黒山選手が65点で3番手という状況だった。
迎えたSSでの決戦では、小川毅士選手がSS1を減点1で切り抜け、同じく1点で走破した氏川選手とは8点差のまま。これにより最終セクションを待たず、じつに11年ぶりとなる小川毅士選手の優勝が確定した。黒山選手はSS1でクリーンを決め、これで氏川選手と同点。そして注目のSS2では、氏川選手がクリーンしたのに対して黒山選手は減点5となり、これで氏川選手が2位、黒山選手が3位となった。ポイントランキングでは、氏川選手が4ポイント詰めたが、依然として黒山選手がトップ。国際A級スーパークラスの第7戦終了時点ランキング上位10名のみが出場できる最終戦City Trial Japan大会で4位以内なら黒山選手、氏川選手が勝利して黒山選手が5位以下なら氏川選手が、シリーズタイトルを獲得することになる。
小川毅士選手のコメント
「11年ぶりなので、自分でも『いつ優勝したんだっけ……』というような感じ。勝ち方みたいなのも全然覚えていませんでした。最後の方は震えていましたけど、皆さんの応援のおかげで最後まで踏ん張って、頑張ることができました。本当に応援ありがとうございました。今日は全部が難しくて、いいところなんて全然ないと思いましたが、本部に近いセクションが、ライバルたちよりはうまく走れたように思っています。翌週にはすぐにシティトライアルが開催されるので、そこでもう一度勝てるよう、今大会で掴んだ手応えをつなげていきたいです」
氏川政哉選手のコメント
「またしても結果は2位で、本当に悔しいです。この大会に向けてすごく練習してきたので、本来のパフォーマンスを発揮できなかった部分がいっぱいあったことに、悔いが残ります。次はいよいよ今季最終戦ですが、今度こそ優勝を獲得したいです」
国際A級スーパークラスResult
| 順位 | NO. | 選手名 | チーム | メーカー | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 | |
| 1位 | 4 | 小川毅士 | Wise Beta Racing | Beta | 0 | 57 | 7 | |
| 2位 | 3 | 氏川政哉 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 0 | 65 | 5 | |
| 3位 | 2 | 黒山健一 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 0 | 70 | 5 | |
| 4位 | 7 | 武田呼人 | TEAM MITANI Honda | Honda | 0 | 71 | 6 | |
| 5位 | 6 | 柴田 暁 | TEAM TRRS&NILS OIL | TRRS | 0 | 80 | 4 | |
| 6位 | 10 | 黒山 陣 | Sherco Japan | Sherco | 0 | 81 | 3 |
ポイントランキング
| 順位 | NO. | 選手名 | チーム | メーカー | ポイント | |
| 1位 | 2 | 黒山健一 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 147 | |
| 2位 | 3 | 氏川政哉 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 134 | |
| 3位 | 4 | 小川毅士 | Wise Beta Racing | Beta | 101 | |
| 4位 | 8 | 野崎史高 | Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA | Yamaha | 96 | |
| 5位 | 6 | 柴田 暁 | TEAM TRRS&NILS OIL | TRRS | 72 | |
| 6位 | 9 | 久岡孝二 | HRCクラブMITANI | Honda | 68 |