- 天気:晴れのち曇り
- 気温:20度
- 観客:7,000人
国際A級スーパークラス
電動バイクを駆る黒山健一選手が13年ぶりのチャンピオン!
全日本トライアル選手権シリーズの今季最終戦となる第8戦City Trial Japan 2025大会は、今年も大阪府大阪市中央公会堂前中之島通り・特設会場で開催された。今大会は、全日本最高峰となる国際A級スーパークラスのみ競技を実施。前戦終了時点でのランキング上位10名のみが参加できるが、ダンロップタイヤを愛用するディフェンディングチャンピオンの小川友幸選手(#1)がケガの影響で欠場したため、9名のエントリ―となった。
注目のチャンピオン争いは、ダンロップタイヤを履いたヤマハ電動トライアルバイクを駆る、黒山健一選手(#2)と氏川政哉選手(#3)に絞られた状態。黒山選手が13ポイントリードしてこの最終戦を迎え、黒山選手が4位以内に入れば、氏川選手の順位に関係なく自力でシリーズタイトル獲得を決められる状況だった。また、ランキング3番手には第5戦を勝利した野崎史高選手(#8)、11ポイント差のランキング4番手には第7戦を制した小川毅士選手(#4)がつけており、両者のランキング争いにも注目が集まった。
天候にも恵まれた今大会は、予選ラウンドからスタート。ここでは、丸太やコンクリートなどで作られた4つの人工セクションを1ラップし、黒山選手が10点でトップに立ち、同じく10点の久岡孝二選手(#9)と野崎選手が続いた。さらに、氏川選手や小川毅士選手らが1点差で迫り、6名が準決勝ラウンドに駒を進めた。 その準決勝は、予選で使用した4つのセクションを一部変更してより高難易度に。ここでは氏川選手が5点でトップに立ち、同じく5点の黒山選手が2番手、7点の小川毅士選手が3番手となり、この3名が決勝ラウンドに進出した。
決勝ラウンドまで残った段階で今大会の3位以内が確定するため、この時点で黒山選手のシリーズタイトル獲得が決定。ここから先は、純粋に今大会の勝者を決める戦いとなった。その決勝は、これまでの4セクションを逆走。より難易度が高く設定されたが、調子を上げてきた氏川選手は最終セクションを残してトップに立ち、黒山選手と小川毅士選手に対して3点差をつけていた。
迎えた最終セクションを最初にトライした小川毅士選手は減点5となり、優勝争いから脱落。次に挑んだ黒山選手は、ありえないほど遠くに設置された高さがあり着地面が狭い障害物に対して、大きくジャンプして飛び移る大技を披露し、見事に1点で走破することに成功した。これにより、氏川選手は絶対に失敗できない状況に。そして黒山選手と同じく氏川選手も大技にチャレンジしたが、結果は減点5となり、黒山選手が大逆転勝利を収めて、13年ぶり通算12度目の王者返り咲きに花を添えた。なお、電動トライアルバイクでの国際A級スーパークラスチャンピオンは史上初で、新たな歴史の幕開けをダンロップタイヤが支えた。
黒山健一選手のコメント
「優勝でシリーズチャンピオンを決定することができました。もしもそうなったら話したいことを、事前にいろいろ考えていたのですが、実現したらすべてきれいに忘れてしまったので、とてもシンプルに『ありがとうございました』と伝えたいです。電動バイクで初めてタイトルを獲得できたので、とても満足できる1年間になりました。今季は終了しますが、来年4月からまた新たなシリーズがスタートします。国際A級スーパークラスだけでなく、国際A級も国際B級もレディースも、すべてのライダーが頑張っています。全日本トライアル選手権の応援を、ぜひよろしくお願いします。本当にありがとうございました!」
氏川政哉選手のコメント
「最終セクションは、自分でも飛ぼうと思っていましたが、『もっと飛べ!』という声が聞こえてきたので、会場の皆さんが盛り上がってくれたらいいなと思って頑張ったら、ちょっと失敗してしまいました。あれで逆転されたので、今後はあのようなミスを二度としないように頑張ります。引き続き応援よろしくお願いします。来年も、皆さんが楽しんでもらえるようなシティトライアルができると思いますので、ぜひ観戦に足を運んでください。そして、他の全日本トライアル会場にも、ぜひ応援に来てください!」
国際A級スーパークラスResult
| 順位 | NO. | 選手名 | チーム | メーカー | タイム減点 | 総減点 | クリーン数 | |
| 1位 | 2 | 黒山健一 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 0 | 14 | 3 | |
| 2位 | 3 | 氏川政哉 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 0 | 15 | 5 | |
| 3位 | 4 | 小川毅士 | Wise Beta Racing | Beta | 0 | 20 | 3 | |
| 4位 | 8 | 野崎史高 | Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA | Yamaha | 0 | 12 | 1 | |
| 5位 | 9 | 久岡孝二 | HRCクラブMITANI | Honda | 0 | 15 | 1 | |
| 6位 | 7 | 武田呼人 | TEAM MITANI Honda | Honda | 0 | 16 | 0 |
ポイントランキング
| 順位 | NO. | 選手名 | チーム | メーカー | ポイント | |
| 1位 | 2 | 黒山健一 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 172 | |
| 2位 | 3 | 氏川政哉 | Yamaha Factory Racing Team | Yamaha | 154 | |
| 3位 | 4 | 小川毅士 | Wise Beta Racing | Beta | 117 | |
| 4位 | 8 | 野崎史高 | Team NOZAKI YAMALUBE YAMAHA | Yamaha | 109 | |
| 5位 | 6 | 柴田 暁 | TEAM TRRS&NILS OIL | TRRS | 81 | |
| 6位 | 9 | 久岡孝二 | HRCクラブMITANI | Honda | 79 |