ルーカスオイルAMAプロモトクロス第1戦 カリフォルニア州サクラメント／プレイリーシティSVRA

AMAスーパークロス最終戦とAMAプロモトクロス開幕戦のインターバルに、ライアン・ダンジーが電撃引退を表明し、世界を揺るがせた。アウトドアにおいて、4度チャンピオン（'09年AMAMX250／'10、'12、'15年AMAMX450）に輝いたダンジーは、27歳の若さで現役生活にピリオドを打った。

ルーカスオイルAMAプロモトクロス選手権は、戦場をスタジアムからアウトドアへ移し、5月から8月にかけて12戦が行われるシリーズだ。開幕戦の開催地は、通称ハングタウンと呼ばれるプレイリーシティSVRA。緩い丘陵地帯を駆け巡るハイスピードコースだが、基本レイアウトは近年の形が踏襲されていて大きな変更点はない。

450クラスのヒート1は、クリスチャン・クレイグ（ホンダ）のホールショットで幕を開けた。後にはマービン・ムスキャン（KTM）、クーパー・ウェブ（ヤマハ）、イーライ・トマック（カワサキ）が続く。2周目にはクレイグの転倒でムスキャンが浮上、4周目にはトマックがトップに躍り出た。

リーダーとなったトマックは、後続を1周につき4～5秒突き放して独走。終盤13周目に単独転倒を喫したが、20秒以上のマージンがあったため事なきを得た。再スタート後もリードを広げたトマックは、ムスキャンに15秒差で今季1勝目を挙げた。

450クラスのヒート2では、ジョシュ・グラント（カワサキ）がホールショット。ムスキャン、ジャスティン・バーシア（スズキ）、ブロック・ティックル（スズキ）らも好スタートを切る一方、トマックはオープニングラップ8位と出遅れた。

グラントはスーパークロス終盤戦から好調を維持しており、ムスキャンに対し3秒強のマージンを構築。しかしレース中盤になるとムスキャンが詰め、8周目にはリーダーが入れ替わった。その頃トマックは3位まで浮上していて、10周目にグラントをかわすとムスキャンに襲いかかった。3周にわたって繰り広げられたバトルの末に、トマックがムスキャンを攻略してトップフィニッシュ、完全優勝を遂げた。

PhotoGallery

---

---

---

250クラスのヒート1でホールショットを決めたのは、スーパークロス最終戦の勝者、アダム・シアンサルーロ（カワサキ）だった。その背後にはショーン・カントレル（KTM）、ザック・オズボーン（ハスクバーナ）、アーロン・プレシンジャー（ヤマハ）が控えていた。2周目からは、シアンサルーロvsオズボーンのトップ争いが始まる。
中盤7周目にはオズボーンがリーダーとなり、徐々に間隔を広げていく。その頃、スタート9位から挽回してきたディラン・フェランディス（ヤマハ）が、4位に浮上したが転倒リタイア。アレックス・マーティン（KTM）にポジションを譲る形となった。
レース終盤になると、オズボーンのリードは5～6秒に広がり、そのまま今季1勝目のチェッカー。2位シアンサルーロ、3位プレシンジャーの順でフィニッシュした。
250クラスのヒート2では、ジョーイ・サバッチー（カワサキ）が好スタートを切り、オズボーン、シアンサルーロ、プレシンジャーが続いた。ところがサバッチーに勢いがなく、2周目にはオズボーンが逆転。4周目からはA・マーティンが2位につけたが、オズボーンの独走を止めることはできなかった。
15分が経過してハーフウェイポイントを迎えると、スタート7位のオースティン・フォークナー（カワサキ）、同9位のジェレミー・マーティン（ホンダ）が上位に進出。2台は連結されたトレインのように、プレシンジャーをかわして前に出た。この段階でオズボーンのリードは10秒強あり、争点は2～4位の接近戦へと移った。
A・マーティン、フォークナー、J・マーティンによる三つ巴の接戦がヒートアップした結果、ラスト2周でポジションが変動。余裕でペースを落としたオズボーンに続いて、2位フォークナー、3位J・マーティン、4位A・マーティンの順にチェッカーを受けた。450クラスのトマックと同様に、250クラスでもオズボーンが2勝を揃え、完全優勝を果たした開幕戦となった。

PhotoGallery

---

---

---