ルーカスオイルAMAプロモトクロス第10戦 ニューヨーク州ニューベルリン／ユナディラバレー・スポーツセンター

ニューヨーク州の内陸部に位置するユナディラバレー・スポーツセンターは、AMAモトクロスの会場の中で最もクラシカルなコースとして、特別なポジションを占めている。かつてはヨーロッパのような美しいグラストラックだったが、長い年月の間に石ころだらけのハードパックになってしまったので、近年は良質の土を大量に運び込んでコース改修が行われている。基本的なコースレイアウトに変わりはないものの、一時やせていた路面は深く掘れる土質に改善された。

今大会当日には、イギリスのマタリーベイズンで開催される国対抗団体戦、モトクロス・オブ・ネイションズに出場するメンバーが発表された。今年はコール・シーリー（ホンダ）、ザック・オズボーン（ハスクバーナ）、トーマス・コビントン（ハスクバーナ）の3人が、アメリカ代表に選ばれた。

タイムドプラクティスの最速タイムは、450＝クリスチャン・クレイグ（ホンダ）2分06秒915、250＝ジョーイ・サバッチー（カワサキ）2分07秒657。

450クラスのヒート1では、マット・ビシェリア（スズキ）がホールショットを取り、ジャスティン・ボーグル（スズキ）、マービン・ムスキャン（KTM）、ブレイク・バゲット（KTM）が続いた。2周目にはムスキャンがトップに立ち、少しずつリードを広げた。

10分を経過する頃には、ムスキャン、ボーグル、バゲットがトップ3となり、4位以下を離す形となった。降り出した雨が次第に勢いを強める中、8周目にはバゲットが2位に浮上し、トップのムスキャンに迫った。やがて雨と共に雷が発生しだしたため、11周で赤旗が提示された。1位ムスキャン、2位バゲット、3位シーリーの順でレースは成立した。

天候の回復を待って、450クラスのヒート2が2時間遅れでスタート。コースはショートカットされ、20分＋1周のレースとなった。マディコンディションの中、ムスキャンがオープニングからトップに立ち、マーティン・ダバロス（ハスクバーナ）、ディーン・ウィルソン（ハスクバーナ）、そしてシーリーが続いた。

ムスキャンは早々とセーフティリードを築いて、レースの主導権を握る。20分すぎには10秒差の独走状態となり、そのまま逃げきってフィニッシュ。ミルビル、ワシューガルに続くパーフェクトで連勝を6ヒートに伸ばした。富田俊樹（ホンダ）は、21位／16位で5ポイントを獲得した。

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250クラスのヒート1では、アダム・シアンサルーロ（カワサキ）がホールショットを獲得。その後にサバッチー、アーロン・プレシンジャー（ヤマハ）、ジェレミー・マーティン（ホンダ）がつけた。シアンサルーロとサバッチーは、1秒ほどの間隔を保ってランデブー走行を続け、3位以下を突き放した。

レース中盤の8周目、シアンサルーロの転倒によってサバッチーがトップに躍り出る。2位に浮上したマーティンが追撃したが、サバッチーは5～6秒のアドバンテージを有効に使ってフィニッシュ。今シーズン4勝目を挙げた。

250クラスのヒート2は、雷雨が止むのを待った末に、2時間以上遅れて始まった。コースはショートカットされ、20分＋1周で行われた。ホールショットを決めたマーティンの背後には、ルーキーのジャスティン・クーパー（ヤマハ）、プレシンジャー、RJ・ハンプシャー（ホンダ）が続く。

マーティンは3秒強のリードを保ち、泥沼と化したコースを快走。4周目にプレシンジャーが転倒、5周目にはハンプシャーも脱落したために、マーティンとクーパーによる1～2位がほぼ固まる。9周でチェッカーとなったレースは、マーティン 、クーパー、そして3位にディラン・フェランディス（ヤマハ）が入賞。この結果、マーティンが総合優勝（2位／1位）を得た。

なお、ランキング首位のオズボーンは、3位／5位でレースを終えたが、大量のポイントリードを維持している。

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