ルーカスオイルAMAプロモトクロス第11戦 メリーランド州メカニックスビル／バッズクリーク・モトクロスパーク

ワシントンDCの南東、ポトマック川とチェサピーク湾に挟まれた半島にバッズクリーク・モトクロスパークがある。アメリカの首都から近いこともあって、世界選手権MXGPやモトクロス・オブ・ネイションズの開催実績など、ヨーロッパとの縁が深い名門コースだ。AMAプロモトクロスの日程としては、元来の高温多湿な土地柄を考慮して、6月中旬に開催されることが多かったが、昨年から8月に変更されたため蒸し暑さとの闘いになった。

レース当日土曜のコースコンディションは、前日までの降雨によって朝からマディだったが、強い日差しとプラクティスセッションの進行によってドライへと回復した。予選タイムのトップは、450＝マービン・ムスキャン（KTM）2分04秒990、250＝ジェレミー・マーティン（ホンダ）2分04秒187。両クラスとも1本目12秒台→2本目04秒台と向上したが、これはマディだった路面が次第に乾き、ドライになったラインを使って飛べるジャンプが増えたことなどによる。

450クラスのヒート1では、マット・ビシェリア（スズキ）がホールショットを取ったが、マーティン・ダバロス（ハスクバーナ）、ジャスティン・ボーグル（スズキ）、コール・シーリー（ホンダ）に先行を許した。前戦まで6ヒート連勝中のムスキャンは、オープニングラップ7位。ポイントリーダーのイーライ・トマック（カワサキ）は、スタートに失敗して16位というハンディキャップを負った。

レース開始早々はダバロスがトップを走ったが、4周目からはボーグルが前に出てリーダーを務める。両者は2～3秒ほどの間隔をキープしながら、3位のシーリー以下を引き離していった。15分を経過する頃には、ムスキャンが4位まで浮上。その後10周目には3位、13周目には2位と躍進する。

終盤はボーグルとムスキャンがテールトゥノーズまで接近したが、0.8秒差で逃げきったボーグルが、第3戦以来の2勝目を挙げた。トマックは7位にとどまった。

450クラスのヒート2は、ビシェリアの連続ホールショットで始まった。オープニングラップの激闘によって、上位のオーダーはボーグル、ブレイク・バゲット（KTM）、ウェストン・パイク（スズキ）、ディーン・ウィルソン（ハスクバーナ）、トマック、ビシェリアと入れ替わる。5周目にバゲットがトップに立ったが、7周目にはトマックがリーダーの座を奪った。

20分過ぎには、トマック、バゲット、ボーグルの間に3～4秒のマージンが生まれ、レースの大勢が固まる。終盤になるとトマックが10秒近い独走態勢築いて、今シーズン9勝目となるトップチェッカー。オーバーオールでは、ボーグルが初優勝（1位／3位）を掌中に収めた。富田俊樹（ホンダ）は、24位／18位で3ポイントを獲得した。

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250クラスではザック・オズボーン（ハスクバーナ）が、63ポイントのリードで今大会に臨んでいた。ヒート1終了時にランキング2位以下に対し75点差、あるいはヒート2終了時に50点差があれば、オズボーンのタイトルが確定する状況だった。

250クラスのヒート1は、アダム・シアンサルーロ（カワサキ）のホールショットによって幕を開けた。注目のオズボーンは、1コーナーのマルチクラッシュに巻き込まれ、オープニングラップ26位。シアンサルーロの後ろには、ポールポジションのマーティンを挟み、RJ・ハンプシャー（ホンダ）、シェイン・マケラス（KTM）、アーロン・プレシンジャー（ヤマハ）が続く。

1～5位までのトップグループは僅差を保ったまま、6位カイル・カニンハム（スズキ）以下を引き離す。レースが後半に差しかかると、マーティンのミスもあって、シアンサルーロがセーフティーマージンを確保。そのまま逃げきって、自身初のヒート優勝を飾った。2位マーティン、3位ハンプシャー、4位マケラスは、ほぼ等間隔2秒差でのフィニッシュ。オズボーンは8位でチェッカーを受けた。

250クラスのヒート2、スタート直後のオーダーは、マケラス、オズボーン、マーティン、シアンサルーロ。やはり上位数台による接近戦が展開されたが、8周目にはオズボーンがマケラスを攻略してリーダーとなった。

終盤になると、入れ替わり2位に上がったシアンサルーロに対し、オズボーンは3秒ほどのリードを蓄えてゴールへ。トップでチェッカーを受けた瞬間、オズボーンがチャンピオンに確定した。今季は250SXイーストチャンピオンをゲットしているオズボーンだが、アウトドアでの初タイトルも合わせ二冠王となった。

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