ルーカスオイルAMAプロモトクロス第6戦 ミシガン州ブキャナン／レッドバッド

レッドバッド・ナショナルは、開催日程がアメリカ独立記念日の前後に固定されているため、いつも独特な雰囲気が満ちている。星条旗をあしらったウエアやマシンのカスタマイズは、サンディエゴSXの「ミリタリー感謝祭」に似ているが、レッドバッドでは観客の「USA！ USA！」コールが尋常ではない。

今年はコースの名所である、登り3連ジャンプ「ラロッコズ・リープ」が25周年ということで、'92年にマイク・ラロッコが125で初めてジャンプに成功したときの形が再現された。木曜、金曜と強い雨が降ったが、ハードパックを耕してサンドを混ぜた路面は、土曜の朝からベストコンディションだった。

予選タイムのトップは、450＝ブレイク・バゲット（KTM）2分00秒730、250＝ザック・オズボーン（ハスクバーナ）2分02秒558。現時点のポイントリーダーである証として、レッドナンバープレートを付けた2台のマシンが、ここでも好調ぶりを示した。

450クラスのヒート1では、クリスチャン・クレイグ（ホンダ）がホールショットを取った。背後にはマービン・ムスキャン（KTM）、バゲット、コール・シーリー（ホンダ）、ジャスティン・バーシア（スズキ）が続く。4周目にはムスキャンがトップに出たが、この段階でスタート6位だったイーライ・トマック（カワサキ）が2位に躍進。6周目にはトマックがリーダーとなった。

レース中盤にトマックがセーフティリードを築くと、ムスキャンのペースが衰え、追っ手はバゲットに入れ替わる。終盤はトマックvsバゲットの差が詰まって、トップ争いが繰り広げられたが、トマックがバゲットを従えてフィニッシュ。単独3位にはムスキャンが入賞した。

450クラスのヒート2では、バゲットがホールショットを取ったが、ジェイソン・アンダーソン（ハスクバーナ）と接触して転倒、最後尾からの追い上げを強いられた。オープニングラップのオーダーは、バーシア、アンダーソン、トマック。この三つ巴の接戦を勝ち抜いたのがトマックで、6周目2位、8周目にトップに立つと以後は独走。両ヒートを制して完全優勝を飾った。

トマックはこの1位／1位で50ポイントを得て、ランキング首位に返り咲いた。バゲットは2位／10位とつまずいたため、13点ビハインドの2位となった。また、今季第2戦から出場中の富田俊樹（ホンダ）は、26位／19位。ヒート1では、1コーナーの多重クラッシュに巻き込まれたことが響いた。

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250クラスのヒート1は、ジェレミー・マーティン（ホンダ）のホールショットで始まった。予選トップのオズボーンを挟んで、アレックス・マーティン（KTM）、オースティン・フォークナー（カワサキ）、RJ・ハンプシャー（ホンダ）がトップグループを形成した。

レース中盤に差しかかると、徐々に引き離されたフォークナーが脱落し、トップ争いは3台に絞られた。1～2秒差で推移していたバトルが、レース終盤までもつれ込んだが、オーダーには変化がないままフィニッシュ。今季3勝目を挙げたJ・マーティンに、オズボーン、A・マーティンが続いてチェッカーを受けた。

250クラスのヒート2では、J・マーティンがこの日2個目のホールショットを取ったが、あろうことか2コーナーで転倒。J・マーティンは21位までロスし、直後につけていたフォークナーも巻き込まれて30位からの追い上げとなった。1周目のオーダーは、A・マーティン、ミッチェル・ハリソン（ヤマハ）、ルーク・レンズランド（ヤマハ）、ジャスティン・ヒル（カワサキ）。オズボーンは8位と出遅れた。

A・マーティンは後続との差を徐々に広げ、中盤には5秒以上のリードによってレースを掌握した。ところが20分すぎにA・マーティンの転倒によって、トップはハリソンに入れ替わった。地元ミシガン出身のプロ2年目、ハリソンに対する声援がヒートアップする一方、背後には着々とポジションを上げてきたオズボーンが迫る。ハリソンは3周にわたって前を走ったが、30分を迎えたところでオズボーンのスパートに屈した。

トップチェッカーのオズボーンに対し、0.9秒差でハリソン、さらに0.9秒差でA・マーティン。総合はオズボーン2位／1位、A・マーティン3位／3位、J・マーティン1位／8位という順になった。これでオズボーンのポイントリードは38点。250クラスの首位固めが着々と進行している。

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