ルーカスオイルAMAプロモトクロス第8戦 ミネソタ州ミルビル／スプリングクリーク・モトクロスパーク

最もバラエティに富むコースとして、誰もが真っ先に挙げるのがミルビル戦の会場、スプリングクリーク・モトクロスパークだ。その名が示すように小川に沿って設けられたコースで、パドックとコースの行き来に橋を渡るのも当地ならではの趣だ。コース前半はサンド質の平坦な地形だが、後半は山の斜面を利用したアップダウンになり路面は硬質に変化する。

今回は前日までの降雨により、朝からウェットなコースコンディションだった。フィニッシュ手前のアップダウンにはマディな部分もあり、1回目のプラクティスセッションではスタックポイントになった。タイム予選のトップは、450＝マービン・ムスキャン（KTM）2分26秒106、250＝アダム・シアンサルーロ（カワサキ）2分30秒683。いずれも路面状況が回復した2回目のセッションで記録された。

450クラスのヒート1では、そのムスキャンがホールショットを取った。背後にはディーン・ウィルソン（ハスクバーナ）、ジャスティン・バーシア（スズキ）、コール・シーリー（ホンダ）がつけたが、ムスキャンは1周につき3秒ずつリードを広げるハイペースで独走する。

スタート9位と出遅れたイーライ・トマック（カワサキ）が、7周目に2位まで浮上した時点で、ムスキャンは23秒ものリードを築いていた。こうしてスタートから序盤にして優勢に立ったムスキャンが、圧倒的な貯金を維持したまま優勝。その後に単独走行を続けたトマック、そしてバーシアとの3位争いを制したウィルソンがチェッカーを受けた。

450クラスのヒート2では、ジャスティン・ボーグル（スズキ）が飛び出し、ムスキャン、ブレイク・バゲット（KTM）、ウィルソンが続く。ボーグルは後方からのアタックに耐えきれず、集団に飲み込まれていった。1周目と2周目に連続転倒を喫したトマックは、14位からの挽回を強いられる。

3周目からはムスキャンがリーダーとなり、バゲットが2～3秒差で追いかけた。レース後半に差しかかると、手を負傷しているバゲットのペースが衰え、ムスキャンの独走態勢が固まる。ヒート1同様に圧勝を収めたムスキャンが、自身初の完全優勝を果たした。

なお、富田俊樹（ホンダ）は、21位／18位。コースを学習しながら、ヒート2で得点するスタイルを続けている。

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250クラスのヒート1は、RJ・ハンプシャー（ホンダ）のホールショットで始まった。その真横に並んだジョーイ・サバッチー（カワサキ）が、3コーナーでトップに浮上。さらにアレックス・マーティン（KTM）にも先行を許し、ハンプシャーは3位に下がった。レース前半は、サバッチーとマーティンがトップ争いを展開。その差は徐々に広がり、中盤になるとサバッチーは3秒ほどのマージンを得た。

サバッチーは後半になってもA・マーティンに優位を保ったまま、トップでフィニッシュ。3位にアーロン・プレシンジャー（ヤマハ）、4位にはジェレミー・マーティン（ホンダ）が入った。ポイントリーダーのザック・オズボーン（ハスクバーナ）は、スタート10位から5位まで挽回したが、冷却系統のトラブルで終盤になるとペースダウン。8位でチェッカーを受けた。

250クラスのヒート2では、サバッチーが飛び出し、シェイン・マケラス（KTM）、シアンサルーロ、J・マーティンらがトップグループを形成した。ポイントリーダーのオズボーンは、スタート6位から追い上げを開始。中盤7周目にはシアンサルーロをかわし、3位のポジションを確保した。

トップを行くサバッチーは、マケラスを背負ったまま中盤に突入。やがて9周目にはオズボーンが迫り、リーダーの座を明け渡すことになった。総合優勝を意識したサバッチーがペースを落としたこともあって、後半はオズボーンが独走。そのまま先頭でゴールしたオズボーンの後に、サバッチー、マケラス、A・マーティン、J・マーティンが続いた。

サバッチーは第3戦以来となる、今季2度目のヒート優勝、そして2度目の総合優勝をゲット。スランプに終止符を打った。

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