ルーカスオイルAMAプロモトクロス第9戦 ワシントン州ワシューガル／ワシューガル・モトクロスパーク

アメリカ北西部ワシントン州にあるワシューガル・モトクロスパークは、自然の地形を利用したマウンテンコース。長い登り坂やスキージャンプなど、アップダウンに富んだレイアウトが特徴だ。針葉樹に囲まれたコースなので、日なたと木陰の明暗差が激しく、ライダーにとっては路面状況を把握しにくい難しさがある。

ワシューガルの路面は全般的に硬めの黒土だが、グリップが良さそうに見えて実は非常に滑りやすい。主催者は状況に応じてサンドやおがくずを混ぜるなど、土質改善を行ってきたが本質的には変わっていない。したがって繊細なスロットルワークと、高次元のタイヤ性能が求められる。

計時予選のトップは、450＝イーライ・トマック（カワサキ）2分10秒563、250＝アダム・シアンサルーロ（カワサキ）2分12秒505。排気量格差が比較的少ない、クオリファイ結果となった。

450クラスのヒート1は、マービン・ムスキャン（KTM）のホールショットで始まる。1周目からジャスティン・ボーグル（スズキ）がサイドバイサイドで挑んだが、バランスを崩して脱落。オーダーはムスキャンを先頭に、マーティン・ダバロス（ハスクバーナ）、トマック、コール・シーリー（ホンダ）、ディーン・ウィルソン（ハスクバーナ）と入れ替わった。

3周目からはムスキャンとトマックが、激しいトップ争いを展開した。しかしレースが中盤に差しかかると、トマックのペースが鈍り、ムスキャンの独走状態が固まる。最終的には10秒以上の大差をつけたムスキャンが、前戦ミルビルにおける1／1に続く3連勝。2位トマックのはるか後方で、3位シーリー、4位ダバロスがチェッカーを受けた。

450クラスのヒート2は、ダバロスがホールショットを獲得。ボーグル、ブレイク・バゲット（KTM）、ムスキャン、トマックが上位につけた。3周目までトップを走ったダバロスだったが、4周目にはムスキャンがリーダーに、5周目にはトマックが2位に入れ替わる。

序盤は接近していたトップ2台だが、ヒート1と同様にムスキャンの逃げ足が速く、すぐに単独走行が実現。後半になるとムスキャンのマージンは17秒まで広がり、2位トマック、3位ダバロス、4位バゲットと縦に開いた状態でフィニッシュ。この優勝でムスキャンは4連勝、2戦連続のパーフェクトウィンを達成した。

なお、富田俊樹（ホンダ）は、21位／17位で4ポイントを獲得した。

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250クラスのヒート1では、アーロン・プレシンジャー（ヤマハ）が好スタートを決め、ショーン・キャントレル（KTM）、ディラン・フェランディス（ヤマハ）、ミッチェル・ハリソン（ヤマハ）が続いた。ポイントリーダーのザック・オズボーン（ハスクバーナ）は、スタート22位と出遅れた。

プレシンジャーは序盤にしてセーフティリードを確保し、5周目には8秒差とした。中盤7周目にはシアンサルーロが、スタート5位から2位まで浮上。しかし、プレシンジャーを追い詰めるまでには至らない。終盤になるとプレシンジャーは、10秒以上の貯金を作って快走。そのまま今シーズン2勝目を挙げた。2位シアンサルーロを挟んで、3位フェランディス、4位オズボーン、5位ハリソンが僅差でフィニッシュした。

250クラスのヒート2では、ジョーイ・サバッチー（カワサキ）がホールショットを取り、RJ・ハンプシャー（ホンダ）、シアンサルーロ、フェランディスが上位集団を形成した。4周目にはハンプシャーが前に出たが、激しいバトルの末に8周目にはサバッチーがトップに返り咲く。

終盤になると、ハンプシャーのワンミスによってサバッチーがセーフティリードを確保。3秒差で逃げきり、今シーズン3勝目をゲットした。ヒート順位が分散した結果、総合ではサバッチーが優勝（7／1）、オズボーンが2位（4／3）、フェランディスが3位（3／4）となった。

前戦までランキング2位につけていた、アレックス・マーティン（KTM）が負傷欠場したこともあって、首位オズボーンのポイントリードは74点に拡大している。

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