8月にはAMAプロモトクロスシリーズのフィナーレを飾る3連戦が組まれているが、第1週はロレッタ・リン（AMAアマチュアモトクロス全米大会）が不動の地位を築いているため、プロのクライマックスは第2～4週に行われるのが常だ。特にこの3年は第10戦ユナディラ、第11戦バッズクリーク、最終戦アイアンマンというスケジュールが固定され、チャンピオンが確定する場として重要な役割を果たしてきた。
首都ワシントンDCからさほど遠くないロケーションにあるバッズクリークは、調整池を囲むすりばち状の地形にレイアウトされた、アップダウンと逆バンクに富むコースだ。ビッグジャンプも数多く、ダグ・ヘンリーが負傷したことで有名な最も大きなジャンプは、マウントヘンリーと命名されている。以前はコースの最高地点からスタートしていたが、2007年のモトクロス・オブ・ネイションズ開催に備えた改修で谷の底に移設された。
現行のレイアウトでは1コーナーがタイトな180度ターンなので、有利なゲートピックを得るためには予選順位が重要になる。シリーズの中で最もタイムアタックが熾烈な会場と言えるだろう。450クラストップは、イーライ・トマック（カワサキ）の2分04秒648。250クラスでは、ジャスティン・クーパー（ヤマハ）の2分04秒810が最速だった。
450クラスのヒート1では、ケン・ロクスン（ホンダ）がオープニングラップの途中でトップに立った。マービン・ムスキャン（KTM）、ジャスティン・バーシア（ヤマハ）を挟んで、ジェイソン・アンダーソン（ハスクバーナ）が4位につける。練習中の負傷で第3戦以降欠場していたアンダーソンにとって、2ヶ月半ぶりのカムバックだ。ポールシッターのトマックはスタートに失敗、1周目7位と出遅れた。
ロクスンとムスキャンのトップ争いは、終始1秒前後の僅差だったが、終盤になってロクスンがスパート。一気にムスキャンに13秒以上の差をつけて、ロクスンがチェッカーを受けた。トマックは3位、アンダーソンは4位でフィニッシュした。
450クラスのヒート2では、フィル・ニコレッティ（ハスクバーナ）がホールショットを取ったが、1周目にしてムスキャン、バーシア、ロクスンがトップスリーに浮上。この接戦の中から、ロクスンが6周目にリーダーとなる。やはり出遅れたトマックは、8周目にはバーシアをかわして3位まで到達した。
この段階でトップからは十数秒のビハインドだったトマックだが、ムスキャンとロクスンを3～4秒凌ぐ快速で次々に攻略。12周目に奪った首位のままフィニッシュした。2位には、スタート5位から追い上げたブレイク・バゲット（KTM）が入賞。富田俊樹（ホンダ）は、15位／11位と健闘した。
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