テネシー州ブリストルの郊外、ブラウントビルにあるマディクリーク・レースウェイで、AMAプロモトクロスが開催されるのは6年目。長年アマチュア地方選手権が行われてきた当地は、コース拡張と土質改善を実施しながら、全米選手権に相応しい会場へとアップデートされてきた。追加された黒土を混ぜてグルーミングされた路面は、乾くと元来のハードパックに近づくキャラクターを持っている。
週末には雷雨予報が出されていたが、土曜の午前中に小雨が降っただけで、レースが行われる午後には青空が広がった。コーナーなどにワダチが発生しやすい路面状況だったため、プラクティスでは1本目よりも2本目で好タイムが記録された。450クラスでは1分57秒台→51秒台、250クラスでは1分57秒台→52秒台と変化した。
450クラスのヒート1は、ケン・ロクスン(ホンダ)のホールショットで幕を開けた。イーライ・トマック(カワサキ)、ウェストン・パイク(スズキ)、ジャスティン・バーシア(ヤマハ)がその後に続く。前戦で今季1勝目を挙げたマービン・ムスキャン(KTM)は、オープニングラップの半ばで転倒し、20位と出遅れた。
ロクスンは5周の間リーダーを務めたが、トマックとバーシアに先行を許した後は、単独3位に落ち着く。トップに立ったトマックは、2位バーシアとの差を毎周1~2秒広げ、レース中盤には主導権を握った。こうして各々がチェッカーを受けたが、4位ブレイク・バゲット(KTM)を挟み、1周目の失地を挽回したムスキャンが5位でフィニッシュした。
450クラスのヒート2では、ホールショットを取ったロクスンをかわし、オープニングからバーシアがリーダーとなった。トマックはスタートを失敗し、1周目のコントロールラインを14位で通過。バーシアにとっては総合優勝への期待が高まる展開となったが、スタート3位のムスキャンが4周目にトップへ浮上した。
レース前半はムスキャンとバーシアの接近戦が続いたが、後半に差しかかると徐々に間隔が広がり、ムスキャンの独走態勢が固まる。一方スタートの出遅れを挽回してきたトマックが、12周目にはロクスンをかわして3位に浮上。2秒差まで迫られたバーシアがスパートしたこともあり、トップスリーは再度縦に広がった。こうして総合優勝の行方は、トマック(25+20)、バーシア(22+22)という僅差により決定した。