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450クラス

ジェット・ローレンスが無敗のままチャンピオンシップ獲得

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第8戦ワシューガル(7月22日)から3週間ぶりの開催となった今大会には、ジェット・ローレンス(ホンダ)のタイトル決定がかかっていた。スーパークロスで250ウエストを制覇した後、アウトドアでのプロモトクロスに切り替わるタイミングで450にスイッチしたローレンスは、開幕戦以来パーフェクトを続けてきたが、今大会でポイントリードを100点以上にできれば、残り2戦4ヒートを待たずに初戴冠が確定する状況だった。
 ニューヨーク州の内陸部にあるユナディラは、アメリカ最古のモトクロスコースの一つだ。自然の地形を最大限に生かし、連続ジャンプやフープスのような人工的セクションを極力排除したレイアウトは、モトクロスがヨーロッパから伝来した頃からほとんど変わっていない。名所にはグラビティキャビティ(重力の穴)、エレベーターシャフト(垂直抗)などの愛称が付けられているが、いずれも起伏に富んだ地形に由来している。路面は元来のグラストラックから石の多いハードパックへと変化したが、近年は土質改善と入念な掘り起こしによって、ワダチの多いコンディションになった。
 今大会はTV放送の都合に合わせたタイムスケジュールにより、450→250の順で実施された。決勝ヒート1のグリッドを決めるクオリファイングセッションでは、450=ジェット・ローレンス(ホンダ)2分09秒109、250=ハンター・ローレンス(ホンダ)2分13秒018が最速だった。
 450クラスのヒート1は、J・ローレンスのホールショットで始まった。ヨーロピアンのハリ・クラス(ヤマハ)を挟んで、ギャレット・マーチバンクス(ヤマハ)、チェイス・セクストン(ホンダ)、アダム・シアンサルーロ(カワサキ)が上位を占めた。2周目にはセクストンが2位に浮上し、チームメイト同士の一騎打ちが繰り広げられる。
 ハーフウェイポイントに差しかかる頃には、ローレンスとセクストンが最接近してコンタクトする場面もあったが、終盤になると両者の間隔は2~3秒差に広がった。ラスト3周にはセクストンが転倒を喫して後退。2位に上がったディラン・フェランディス(ヤマハ)が猛追したが、ローレンスが1.6秒差で逃げきり、タイトルに王手をかけた。
 450クラスのヒート2では、ホールショットのローレンスを先頭に、セクストン、シアンサルーロ、クラスが好位置につけた。ローレンスはプレッシャーを感じさせない走りで、セクストンを徐々に引き離し、レース中盤には7秒のセーフティリードを築いた。6周目には、8位スタートから挽回してきたフェランディスが3位に浮上したが、キャッチアップもここまで。終盤は独走態勢を維持したローレンスが、セクストン、フェランディスに大差をつけて優勝。その瞬間、450ルーキーの初タイトルが確定した。
 開幕から無敗のローレンスは、今大会を消化した時点で450ポイント(25点×18ヒート)を獲得。ランキング2位のフェランディスが、ここまで347ポイントなので、実に103点差でのチャンピオンシップ制覇となった。ローレンスはこのまま勝ち続けて、パーフェクトシーズンを達成できるのだろうか。次戦バッズクリーク、最終戦アイアンマンに対する興味は尽きない。
Photo: MX Sports Pro Racing


450 Heart1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 1 J・ローレンス Team Honda HRC Honda 36:46.370 Dunlop ユーザー
2位 1 D・フェランディス Monster Energy Star Racing Yamaha +01.690 Dunlop ユーザー
3位 23 C・セクストン Team Honda HRC Honda +44.154 Dunlop ユーザー
4位 9 A・シアンサルーロ Monster Energy Kawasaki Kawasaki +48.957 Dunlop ユーザー
5位 7 A・プレシンガー Red Bull KTM KTM +1:00.744 Dunlop ユーザー
6位 35 G・マーチバンクス Muc-Off FXR Club MX Yamaha +1:13.864 Dunlop ユーザー

450 Heart2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 1 J・ローレンス Team Honda HRC Honda 35:02.883 Dunlop ユーザー
2位 23 C・セクストン Team Honda HRC Honda +09.209 Dunlop ユーザー
3位 1 D・フェランディス Monster Energy Star Racing Yamaha +24.610 Dunlop ユーザー
4位 21 J・アンダーソン Monster Energy Kawasaki Kawasaki +45.910 Dunlop ユーザー
5位 7 A・プレシンガー Red Bull KTM KTM +46.715 Dunlop ユーザー
6位 9 A・シアンサルーロ Monster Energy Kawasaki Kawasaki +1:08.176 Dunlop ユーザー


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250クラス

総合優勝(2位/2位)のハンター・ローレンスがポイントリード拡大

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250クラスでは、ランキング首位のH・ローレンスと2位ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)が、3ポイント差で今大会に臨んだ。ヒート1のオープニングラップのオーダーは、リーバイ・キッチン(ヤマハ)、セス・ハメイカー(カワサキ)、ジャスティン・クーパー(ヤマハ)、マックス・ボーランド(KTM)、下田丈(カワサキ)。注目のディーガンは6位、ローレンスは7位でコントロールラインをクリアした。
 チャンピオン争いは、前に出たローレンスをディーガンが追いかける形で進行する。ハーフウェイポイントでは4~5位だったが、テールトゥノーズで競り合う両者は、終盤には2~3位まで到達した。間もなく30分という大詰めでは、トップのキッチン、ローレンス、ディーガンが僅差の三つ巴となった。ところがラスト3周で、ディーガンがマシントラブルに見舞われてリタイア。キッチン、ローレンス、下田の順でチェッカーフラッグが振られた。
 250クラスのヒート2は、雷警報を受けて開始が遅れた。さらにオープニングラップでの転倒者を救護するため、赤旗リスタートとなった。ライダー・ディフランセスコ(カワサキ)がホールショットをゲットし、クーパー、下田、キッチンが続いた。2周目にはクーパーがリーダーになり、下田が2位に浮上したが、4周目にはスタート6位から上がってきたローレンスに先行された。
 地元ニューヨーク出身のクーパーは、レース半ばには独走態勢に持ち込んでいた。終盤になると、ペースを緩めたクーパーとローレンスに対し、下田が詰め寄ったがわずかに届かず。勝者クーパーに2秒ビハインドのローレンス、そして0.5秒差の下田がフィニッシュした。ディーガンは16位スタートから10位でゴール。オーバーオールウィナー(2位/2位)のローレンスが首位固めに成功する一方、ランキング2位はクーパーに入れ替わり、22点差を追う構図となっている。
Photo: MX Sports Pro Racing


250 Heart1Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 43 L・キッチン Monster Energy Star Racing Yamaha 35:03.735 Dunlop ユーザー
2位 96 H・ローレンス Team Honda HRC Honda +03.211 Dunlop ユーザー
3位 30 下田 丈 Monster Energy Pro Circuit Kawasaki +19.374 Dunlop ユーザー
4位 34 M・ボーランド Red Bull KTM KTM +24.068 Dunlop ユーザー
5位 32 J・クーパー Monster Energy Star Racing Yamaha +24.665 Dunlop ユーザー
6位 38 J・スウォール Rockstar Energy Husqvarna Husqvarna +51.112 Dunlop ユーザー

250 Heart2Result

順位 選手名 チーム メーカー タイム
1位 32 J・クーパー Monster Energy Star Racing Yamaha 35:34.316 Dunlop ユーザー
2位 96 H・ローレンス Team Honda HRC Honda +02.071 Dunlop ユーザー
3位 30 下田 丈 Monster Energy Pro Circuit Kawasaki +02.640 Dunlop ユーザー
4位 43 L・キッチン Monster Energy Star Racing Yamaha +33.160 Dunlop ユーザー
5位 55 A・フォークナー Monster Energy Pro Circuit Kawasaki +38.961 Dunlop ユーザー
6位 34 M・ボーランド Red Bull KTM KTM +46.492 Dunlop ユーザー