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450クラス
総合優勝(2位/1位)のセクストンがタイトルに王手!
アメリカ東部には名門コースが多いが、バッズクリーク・モトクロスパークもその一つだ。世界選手権MXGPやモトクロス・オブ・ネイションズを招致した実績があり、内外のライダーやファンからも高く評価されている。アップダウンと逆バンクに富むコースだが、窪地の斜面を利用したレイアウトなので、大半を見渡せることが特徴だ。
土質は元来ハードだが、全周にわたって掘り起こされるので、走行時間の経過とともにワダチが生まれ、やがて硬いレールへと変化する。スタートから1コーナーまでは、周回コースになっていないためザクザクに耕されたままで、ホールショットを狙ったリアタイヤ選びが話題となるのが常だ。多くのライダーがノビータイヤ(例=MX34タイプ/ソフト路面用)を使うところでも、ハンター・ローレンス(ホンダ)はスクープタイヤ(例=MX14タイプ/マッド・サンド路面用)を選ぶ傾向があるが、今大会でもその作戦が用いられた。
タイムクオリファイが行われた午前中は、雨がぱらつく時間帯があった。全セッションを終えてポールポジションを獲得したのは、450=チェイス・セクストン(KTM)=2分01秒044、250=ヘイドン・ディーガン(ヤマハ)=2分04秒760。トラクションを探りながらのタイムアタックになったが、両クラスのポイントリーダーが順当に速さを発揮した。
450クラスのヒート1は、スクープタイヤを履いたH・ローレンスのホールショットで始まった。その直後につけたジャスティン・クーパー(ヤマハ)が追突して脱落するなど、混乱に満ちたオープニングラップのオーダーは、アーロン・プレシンガー(KTM)、H・ローレンス、クリスチャン・クレイグ(ハスクバーナ)、セクストン、そして2年ぶりのアウトドア復帰を果たしたイーライ・トマック(ヤマハ)。4周目には、H・ローレンスがリードを奪回した。ハーフウェイポイントに差しかかる頃には、セクストンが2位に浮上し、H・ローレンスに狙いを定める。トップ争いは4秒差から1秒差まで詰まったが、13周目にセクストンの転倒によって決着がついた。やがて上位は各々単独走行となり、H・ローレンス、セクストン、プレシンガー、トマックの順でチェッカーを受けた。
450クラスのヒート2では、H・ローレンスが続けてホールショットを決めた。プレシンガー、マルコム・スチュワート(ハスクバーナ)、クーパーが追う。その背後につけたセクストンが3位に浮上すると、三つ巴のトップグループと4位以下がはっきり分かれる展開となった。レース中盤には、プレシンガーとセクストンのバトルが激化。転倒により一時後退したセクストンが2位にポジションアップし、H・ローレンスとのトップ争いが始まった。ヒート2ともなると路面の硬化が進み、スクープタイヤのH・ローレンスはペースが衰えてくる。果たして残り4分で前に出たセクストンが、そのまま逃げ切り優勝(2位/1位)。28ポイントリードで最終戦に臨むことになった。
セクストンもスクープタイヤを試したが、ヒート2までにノビータイヤに戻した。スクープタイヤで通したH・ローレンスは、最後の最後で敗れたものの、ポイント的にはセクストンと同点(1位/2位)だった。どちらも正解である。H・ローレンスのタイヤ選びは、ホールショットのみに絞ったギャンブルなどではなく、スクープタイヤのレンジの広さを知り尽くしたライダーならではの作戦だった。
Photo: MX Sports Pro Racing
450 Heart1Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 96 H・ローレンス | Team Honda HRC | Honda | 34:16.714 | |
2位 | 4 C・セクストン | Red Bull KTM | KTM | +07.096 | |
3位 | 7 A・プレシンガー | Red Bull KTM | KTM | +37.253 | |
4位 | 3 E・トマック | Monster Energy Star Racing | Yamaha | +50.956 | |
5位 | 21 J・アンダーソン | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | +1:03.878 | |
6位 | 27 M・スチュワート | Rockstar Energy Husqvarna | Husqvarna | +1:05.605 |
450 Heart2Result
順位 | 選手名 | チーム | メーカー | タイム | |
1位 | 4 C・セクストン | Red Bull KTM | KTM | 34:24.918 | |
2位 | 96 H・ローレンス | Team Honda HRC | Honda | +09.430 | |
3位 | 7 A・プレシンガー | Red Bull KTM | KTM | +23.879 | |
4位 | 32 J・クーパー | Monster Energy Star Racing | Yamaha | +28.415 | |
5位 | 27 M・スチュワート | Rockstar Energy Husqvarna | Husqvarna | +31.367 | |
6位 | 21 J・アンダーソン | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | +1:00.780 |